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冬のアロマ ~心も体も癒される和の香り~

冬をむかえ、部屋で焚くアロマを少し変えました。今回は、冬におすすめの日本産精油3つをご紹介したいと思います。

日本産の精油

精油とは、芳香植物が種の生き残りをかけて作り出してきた物質です。

自然には多くの微生物が存在し、動けない植物は、芳香成分を出して感染を阻止して生き延びます。この芳香成分を人間のために応用したのが精油です。

日本産の精油の多くは、地域の森を守ったり、地域活性のための製品を作ることから生まれました。

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森を守るということは、精油のために木々を切るのではなく、間伐材などを利用しています。つまり、森の手入れをしながら、精油を作り出しているのです。

また、採取する部分は、西洋の精油と同じく、花、葉、茎、枝、樹皮、根など多岐に渡っています。

精油は、同じ植物でも、ワインやコーヒーのように、産地や土壌、高度、雨量などの生育条件や育成方法によっても香りが若干異なります。地域によって、また年によって、少しずつ香りが違うのにも面白さを感じています。

 

好きな香り・苦手な香り

ところで、一般的に市場に出回っている精油は西洋のものが多く、中には、香りに馴染みにくいモノもあります。

良い睡眠が得られると言われれているラベンダー・アングスティフォリア(真正ラベンダー)。

私自身、ラベンダー畑での香りは大好きなのですが、精油になると、なかなか好きになれません。なので、神経が高ぶっているときは、(私にとって)似たような効能をもたらしてくれる日本産の精油・クロモジの精油を使うようにしています。

 

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初めて精油を選ぶときは、謳われている効能より、好きか嫌いかを選んだ方がいいようです。

 

親しみやすい和の香り

ある日、日本産と海外産の精油でブラインドテストをしてもらいました。

参加者の男女比は女性7:男性3です。皆さん、日本産の精油の香りを嗅ぐのが初めての方々でした。

4種類(日本産2・海外産2)の精油をかいでもらい、直観で「好きな香り」を選んでもらったのです。

すると、日本人の方が選んだ香りは(今のところ)100%が日本産の精油でした。「なんとなく好き」がその理由でした。

日本産の精油は、西洋のモノと比べると、香りが控えめです。ただ、身の回りの木々や植物の香りなので、親しみやすく、初めての方でも受け入れやすいようでした。

海外でも日本産精油を利用されているアロマインストラクターの方がいらっしゃるので、外国人の方でも違和感なく使用していただけるようです。

 

精油を選ぶとき

植物には学名(ラテン名)があり、それは世界共通の名称です。日本産の精油にも、その学名がしっかり記載されています。

なので、精油を選ぶときは、その学名を確認して使うことが大切です。

例えば、西洋精油でよく知られているラベンダーには、学名が異なる5種類があります。しかし、眠りを誘う効果が期待されているラベンダーは、ラベンダー・アングスティフォリア (Lavandula angustifolia) です。その呼び方は様々で、ラベンダー、真正ラベンダー、コモンラベンダー、イングリッシュラベンダーなどがあります。

学名による違いを知らないと、注意が必要な精油を知らずに使ってしまう可能性もあります。

日本産の精油の弱いところは、西洋の精油に比べて種類が少ない点です。ただ、反対から見ると、学名が異なる精油がなく、初心者の方でも扱いやすい精油だと言えると思います。

購入時の注意事項

精油を選ぶときの注意事項は西洋の精油と同じです。購入の際に確認したほうがいい点(瓶やケースに記載)をまとめてみました。

ポイント

  • 学名(植物名)、抽出部位、抽出方法、原産国が明らかであること。
  • 製造者が明らかであること。
  • 使用上の注意や連絡先が書かれていること。

 

 

使用時の注意事項

また、親しみやすい香りだといっても、精油は濃縮されたものなので、使用時にも注意事項はあります。

以下のポイントを守りましょう。

ポイント

  1. 精油を直接肌につけない。
  2. 禁忌を知る:精油の禁忌をよく読んで使用する。
  3. 注意事項を知る:精油の注意事項をよく読んで使用する。
  4. 使用過多を避ける:同じものを2週間以上、そして毎日使用しない。濃度が薄いものでも1か月を目途に別の香りに変えましょう。
  5. ブレンドしたモノにはラベルを貼る:ブレンドしたものには、誤使用を避けるため、使った精油を明記しましょう。
  6. 使用期限を守る:柑橘系のアロマオイルは開封後半年・それ以外の精油は開封後1年に使い切りましょう。

小さなお子さんやご高齢の方、妊娠、授乳中の方、皮膚が敏感な方などは影響が強く出る可能性があります。

日本で精油は雑貨扱いなので、薬のような効能を謳うことはできません。雑貨なので誰でもが簡単に使用できるという利点はありますが、「自然のモノ=安全なモノ」という考えは、少し危険だと思います。

なので、安心安全に生活に取り入れるためにも、取り扱いに注意して、精油それぞれの特徴を知って利用することが大切なのです。

 

精油の禁忌

 

妊娠中や授乳中、使用時の体調、年齢、持病 (基礎疾患) によっては、使用制限があります。このことを「精油の禁忌」といいます。

 

日本産精油の多くは、水蒸気蒸留法で抽出されています。なので、禁忌や注意事項は少ないのですが、一番気を付けないといけないのは「ミズメザクラ」という木の精油です。

 

ミズメザクラ

サクラという名前がついていますが、カバノキ科の木です。

肩こりや筋肉痛に効果があるとされる「ミズメザクラ」の精油は、サルチル酸メチルがほぼ100%の精油で、湿布薬の香りがします。

芳香成分がほぼ1種類というきわめて稀な精油で、精油が付いた手で目をこすらないといった注意事項もあります。

その芳香成分は、西洋の精油・ウィンターグリーン (ツツジ科) とほぼ一緒です。ただ、ミズメザクラの方がサロンパス感が強いです。

 

昔、木こりさんが、鎮痛薬としてミズメザクラの樹皮をはいで貼っていたというお話を聞きました。
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ミズメザクラの禁忌:アスピリン拒否反応がある人は使用不可です。一般の方でも、多用・長期使用は腎臓に負担がかかります。

 

ただし、取り扱いにさえ注意すれば、とても役立つ精油です。私は、低濃度 (20%以下) で、多用にならないように気を付けながら、スポーツ後のマッサージに使っています。

 

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今回は、日本産の精油の中から、冬におすすめの3つの精油をご紹介したいと思います。

 

モミ

クリスマスツリー🎄をイメージするモミの木ですが、日本のモミの木は日本に自生する固有種だそうです。そのモミの木の枝葉からも精油が取れます。

学名:Abies firma

  • 抽出部位:枝葉部
  • 抽出方法:水蒸気蒸留法
  • 主な成分:αピネン・β-フェランドレン・酢酸ボルニルなど
  • 注意事項:一般の注意事項以外特になし
  • 禁忌:特になし

香りの特徴

すっきりした樹木系の香りです。

森林浴効果があるとされる芳香成分(α-ピネンなど)が多いなか、鎮静効果が期待されるエステル類 (酢酸ボルニル) が香りに力強さを与えています。針葉樹を手でこすったときに感じる、濃い緑の香りです。

西洋の精油・ジュニパー(ヒノキ科)の香りと似ている感じがします。ジュニパーは、お酒のジンの香りづけとしても使われている植物です。

ただ、モミの精油には、ジュニパーには見られない芳香成分(酢酸ボルニル)があるので、より力強い香りを放っているのかもしれません。

 

モミの力

近年、モミなどの針葉樹から抽出された精油に多く含まれる成分のひとつ「酢酸ボルニル」は睡眠促進効果と肌質改善効果が期待されるという研究結果が出ました!https://www.sei-plus.com/news/3030/

こういうことが少しずつ立証されて、いつか日本でも健康管理にも使えるといいなぁ・・・と思っています。

さらに、モミは、腐らない木とも言われ、その精油からも消臭力・抗菌力・防腐力が期待されています。消臭や抗菌効果を期待して、かまぼこの板にも使われていたそうです。

 

 

夜に1滴、アロマストーンに垂らしておくと、次の日に部屋の空気がスッキリしている気がします。

 

ショウガ

学名:Zingiber officinale

  • 科名:ショウガ科
  • 抽出部位:根茎
  • 抽出方法:水蒸気蒸留法
  • 注意事項:皮膚刺激
  • 禁忌:特になし

古くから薬用や食用として親しまれてきたショウガ(生姜)。

海外産のジンジャー精油に比べ、日本のショウガ精油の香りは、より柔らかくて軽い感じです。

1滴垂らしてかいでみると、生姜をすりおろしたときの香りが広がります。

ショウガの精油は、同じ日本でも産地によって大きく香りが異なることが知られています。ただ、メインになっているのは「α-ジンギベレン」という芳香成分です。

 

α-ジンギベレンは、ショウガ(Zingiber officinale)の精油の主要構成成分であることから命名された。ショウガの根茎の精油中の割合は、30%にもなる。ショウガに特有の風味を与えている。wikipedia

 

四万十(高知産)のショウガの精油は、ジンギベレンの他、ゲラニオール、1,8-シネオールという成分が多く見られました。ゲランはバラの香りに含まれる成分で、1,8-シネオールはレモンのような爽やかな香りです。

ショウガの香りが、こんなに複雑な成分で構成されていたことに驚きました。

成分の参考サイト:四万十しょうが(簡易成分表) 

 

 

ショウガの精油をキャリアオイルで希釈して足の裏をマッサージすると、体がポカポカしてくるので愛用しています。

 

ユズ

学名:Citrus junos

  • 抽出部位:果皮
  • 抽出方法:水蒸気蒸留法・圧縮法
  • 主な成分:リモネン
  • 注意事項:皮膚刺激・光感作(水蒸気蒸留法で抽出された精油は光感作なし
  • 禁忌:特になし

光感作:圧縮法で抽出されたレモンなど柑橘系の精油は、使用後約6時間以内に日光や紫外線に当たることで炎症を起こすことがあります。これを、光感作(ひかりかんさ)、もしくは光毒性(ひかりどくせい)がある、と言います。

圧縮法による柑橘系の精油を肌に使用した際、しばらくは直射日光を浴びないようにした方がいいようです。

 

香りの特徴

アロマのテキストによると、ユズの香り成分・リモネンには「血流をスムーズにして体を温める作用が期待されます」と書かれていますが、それよりも、香りが好きなのでよく使っています。香りを嗅ぐと落ち着く感じがするので、大好きです。

朝晩に使えるよう、水蒸気蒸留法で抽出したものを選び、ブレンドするときも必ず少し入れるようにしています。

あくまでも個人の感想ですが、少しユズの香りを加えるだけで、香りがまろやかになる気がします。

精油がなくても、今の時期、フルーツの柚子を湯船に浮かべて香りを楽しむのもいいでしょうね。果皮の部分を爪で押すと香りが放たれます。

ユズの精油は、皮膚を刺激することがあるので、肌に使用する場合は濃度に注意してください。

 

 

他の精油の香りを邪魔しない、それでいてしっかりと存在感を感じるユズの香りです。なので、ブレンド使用におすすめです。

 

冬のミストの作り方

上でご紹介した冬のおすすめの精油から「モミ」と「ユズ」を使ったミストの作り方をご紹介したいと思います。

材料 (2%ミスト)

  • 精油:10滴 (比率はお好みで)
  • 無水エタノール:10ml
  • 精製水: 40ml (水道水でも大丈夫です)
  • ビーカーなど量を測れるもの
  • ガラスのスプレー容器

精油の力でプラスチックが溶けてしまう場合がありますので、ガラスの容器をおすすめします。

 

作り方

  1. ビーカーに無水エタノールを入れる。
  2. 1にモミとユズの精油を10滴加えてよく混ぜる。
  3. 2に水を45ml入れてよく混ぜる。
  4. 3を蓋に入れる。

 

濃度計算

通常、精油の1滴は、0.05mlです。1mlは20滴です。

50mlの水と無水エタノールに対して、10滴の精油を加えると、濃度1%となります。

計算方法

  • 50ml(希釈液の量) x 1% (希釈濃度) = 0.5ml(エッセンシャルオイルの量)
  • 0.5ml ÷ 0.05ml(エッセンシャルオイル1滴) = 10滴(エッセンシャルオイルの滴数)

※希釈液は、無水エタノールと水を合わせた量です。

 

濃度の早見表

10ml20ml30ml40ml50ml
濃度1.0%の場合2滴4滴6滴8滴10滴
濃度2.0%の場合4滴8滴12滴16滴20滴

ルームスプレーとして利用するときの濃度は、1~2%がおすすめです。

 

注意

  • 出来上がったものは、火のそばには近づけないでください。
  • 精油の原液は直接肌に付かないよう注意し、もしついた場合は水で洗い流したり、キャリアオイルでふき取って下さい。
  • 作ったものは、早めに使い切るようにしてください。

 

爽やかな木の香りに、柑橘系の香りを加えてみました。私が作った配分は、モミ (7)とユズ (3)です。

換気したり、掃除した後に部屋にスプレーすると、ほっと落ち着きます。

ただし、空気清浄機を利用している場合は、効き目がありません。合わせてこちらもどうぞ。

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さいごに

今回は、あまり知られていない、日本産精油をご紹介しました。

西洋の精油に比べると手に入りにくいかもしれませんが、どこか懐かしい、そして親しみやすい香りなので、見かけられたらぜひ香りを確認してみてくださいね。

他にも、魅力的な香りはありますので、また、別の機会にご紹介できたらいいなぁと、思っています。

 

参考資料

この記事は、以下のテキストを参照しました。

 

  • NARD JAPAN アドバイザーコーステキスト(非売品)
  • Yuicaスペシャリストテキスト(非売品)

 

最後までご覧いただきありがとうございます。

気になったことがありましたら、検索してみてくださいね。

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