
佐賀県武雄市にある佐賀県立宇宙科学館「ゆめぎんが」。
ここは、科学館+プラネタリウム+天文台というゴージャスな組み合わせの場所です。さらに、10円で参加できるワークショップもあります。
今回は、「ゆめぎんが」の地球発見ゾーンと、ワークショップで教えてもらった「不思議な芳香剤」のレシピをご紹介します。
※ 「ゆめぎんが」での体験は2021年のものです。
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佐賀県立宇宙科学館 ゆめぎんが
佐賀県立宇宙科学館 ゆめぎんがは、1999年 (平成11) 年にオープンした九州最大規模の自然科学系博物館です。
2012 (平成24) 年にプラネタリウムをリニューアル、さらに、2015 (平成27) 年には常設展示の一部を大幅にリニュアルしました。
施設は、大きく「地球発見ゾーン」、「宇宙発見ゾーン」、そして「佐賀発見ゾーン」の3つに分かれています。
今回は、地球発見ゾーンをご紹介します。
地球発見ゾーン

階段を上った先にあるエントランスから入館すると、すぐにあるのが「地球発見ゾーン」です。
内部で、1階と2階に分かれています。
ここでは、地球・生命についてさまざまな展示や装置を体験しながらで学ぶことができます。
ビーコロインフィニティ

宇宙科学館のスタッフ2人が1ヶ月かけて台から作った「ビーコロインフィニティ」。
「地球発見ゾーン」の入り口近くに設置されていました。
これは、スタートやゴールが無く、無限 (インフィニティ) にビリヤードの球が動き続ける装置です。 球を持ち上げる機構やビリヤード台など、全てが手作りだそうです。
こういった、ピタゴラスイッチ的なモノが好きなんです(^^)
ペンデュラムウェ-ブ

「地球発見ゾーン」の入り口付近(外側)には、15個のビー玉で作った「ペンデュラムウェーブ」がありました。
ペンデュラムウェーブは、英語で "Pendulum Wave" です。"pendulum" には、(時計などの)振り子や、動揺するものという意味があります。
動き出したときはバラバラだった振り子が、時間とともに様々なウェーブを描き出します。そして、約1分後には・・・
宇宙科学館には、もっと大きなペンデュラムウェーブもありました。
竜巻発生装置

中には、竜巻発生装置がありました。
竜巻は、積乱雲の下にできる強力な空気の渦です。
その様子を上空から見ると、大きなジョウゴが地上にのびているような感じです。なので、竜巻をおこしている積乱雲は「ろうと雲」とも呼ばれます。
地上から空まで伸びる左巻きの上昇流は、昔の人にとっては「竜」に見えたのかもしれません。
館内には、このように、ボタンを押すと仕組みが分かる装置がいっぱいあります。
フライトシミュレーター


結構本格的なフライトシミュレーターで、3つのレベルがあります。
私は、羽田空港の着陸に挑戦してみましたが、難しかったです。
土日祝や夏休みとなると順番待ちなのかもしれませんが、今回は、こちらも貸し切りで楽しむことができました。
リニアモーターカー

磁力で浮かせて走る「リニアモーターカー」のフライトシミュレーターです。
実用化に向けて実験が進んでいるリニアモーターカーの乗り心地を、ここではいち早く体験することができます(体重制限あり)。
実際は10cmほど浮くそうですが、ここでは5cmほど。行きは時速2km、帰りは時速1㎞で戻ってきます。
タイヤがないのに動く不思議な感覚でした。
スペースサイクリング

「スペースサイクリング」は、自転車に乗って綱渡りするものです。

1階と2階の2コースがあり、2Fコースの高さは4.5m。自分で自転車を漕いで、綱の上を往復します。その眼下には地球!
15kgの重りを付けているので、ふらふらすることはありませんが、結構スリリングな体験でした。
高所恐怖症じゃなければおすすめです。
ちなみに、乗るときはしっかりかかとがある靴がいいようで、そばには履き替える靴も用意されていました。
ワークショップ

ところで、地球発見ゾーンには、実際にモノづくりを体験できるワークショップ(ケミカルラボ)もありました。

同じ会場にある券売機で整理券を買います。
値段は10円。材料費なのでしょうか。わざわざ買う必要があるのか?ちょっと不思議な仕組みでした。
しかし、この時の体験は私にピッタリ!水を吸い込む不思議な粉を使って芳香剤を作るというものでした(2021年7月4日まで)。
ワークショップ
- 所要時間:15分
- 定員:各回4組 参加費(材料費):10円
- マスクは必ず着用してください。
- 時間・定員は変更となる場合があります。
- 開始時間3分前に販売終了となります。
詳細はこちら >>> https://www.yumeginga.jp/
ここからは、ワークショップで教えてもらった、不思議な芳香剤の作り方をご紹介します。
不思議な芳香剤
用意するものは、以下です。
材料
・小さな容器
・高吸水性ポリマー(小さじ1)
・水(50ml)
・お好きな精油(10滴)
・ぷよぷよボール(なくても大丈夫)
・割りばしや小さなスプーン
作り方

容器は何でもいいのですが、口が広くて透明なモノの方が、出来上がりがきれいです。
ワークショップでは、水が入っているプラスチックの容器を用意してくれました。
そこに、不思議な粉(高吸水性ポリマー)を入れて混ぜます。
家で作る場合は、容器(水50ml入り)に高吸水性ポリマー(小さじ1)を入れ、スプーンなどで混ぜます。

あっという間に、透明のゼリー状に変わっていきました。これは、 高吸水性ポリマー が水を含んで膨らんだ状態です。
このゼリー状の物質は、ケーキ等を買うとお店で入れてくれたりする「保冷剤」の中身(凍っていない状態)です。
なので、高吸水性ポリマーがない場合は、保冷剤の中身でも代用できます。
保冷剤から中身を取り出す場合は、取扱い(口に入れない、排水口に流さない)に注意してください!

もし手に入れば、ぷよぷよボールも用意すると。楽しさが増えます。ぷよぷよボールは、100円ショップでも買えるそうです。
ただし、こちらも取り扱いには注意が必要です(口に入れない・排水口に流さない)。

ぷよぷよボールは、水に入れてふやかします。
ワークショップでは、この状態で、金魚すくいのような遊びも体験させてもらいました。
ぷよぷよボールの代わりに、アクリルの飾りを入れるなど、いろいろ工夫ができそうです^^

すくったぷよぷよボールを乗せます。
最後に、お好きな精油をふりかければ、目にも涼しい芳香剤のできあがりです。
柑橘系のアロマオイルはプラスチックを劣化させるおそれがあります。プラスチック容器での長期保存はご注意ください。
精油の代わりに、 お菓子用のエッセンス を使ってもいいかもしれません。

ワークショップでは、複数の小さな穴を開けたカバーをしてくれました。
お家で作る場合は、容器にガーゼなどの布をかけてもいいかもしれません。
何日か置いておいて乾燥してしまった場合は、水を加えれば元通りになります。
学び
これは、高吸水性ポリマーの性質を調べる実験です。
高吸水性ポリマーは、ポリアクリル酸ナトリウムという樹脂でできています。
ポリアクリル酸ナトリウム分子は、乾燥しているときは分子が鎖状に折りたたまれています。
一方、水を加えると、分子の間が広がり、多量の水が取り込まれます。その結果、もとの大きさよりもかなり大きくなるそうです。
おすすめの香り
芳香剤に利用する精油は、この時期なら、ミントや柑橘系の香りがおすすめです。
ミントの精油については、こちらも合わせてどうぞ。
ただし、ミントの精油は少し刺激が強いので、お子さまと一緒に使う場合は、刺激の少ない精油をおすすめします。
猫や小鳥など、ペットを飼っている方は、ミントの精油は控えた方がいいでしょう。
おすすめ精油
- オレンジスイート:ほっと落ち着く甘いオレンジの香り
- ラベンダーアングスティフォリア:爽やかで甘みのある香り
この他に、水蒸気蒸留法で抽出された柑橘系の香り(日本のユズやダイダイ、レモン)もおすすめです。
応用編

家では、保冷材の中身に色を付けたものを作ってみました。
追加の材料
・食用色素や絵の具
・敷くもの(汚れ防止のため)
食用色素は、色移りしてしまうとなかなか落ちない場合がありますので、お気を付けください。

食用色素は、ほんの少し(楊枝の先につくぐらいの量でも)でかなり色がつきます。
なので、少しずつ色を足すようにした方がいいでしょうね。
食用色素がない場合は、絵の具でも色付けできます。
保冷材の袋の上部を切って、中で色をつけてから瓶に詰めました。その上から精油をふりかけます。
今回は、ラベンダーアングスティフォリアにしてみました。
詳細
- 学名:Lavandula angustifolia
- 科名:シソ科
- 抽出法:水蒸気蒸留法
- 抽出部位:花と葉(花穂)
- 産地:フランス、イギリス、ブルガリアなど
- 主成分:酢酸リナリル、リナロール、ラバンジュロール

以前、和歌山で買って(可愛いので)なかなか捨てられなかったプリンの瓶に、保冷材の中身とぷよぷよボール(透明)を詰めてみました。
上に紙を置き、そこに精油をふりかけました(ガーゼで蓋をして、そのガーゼに精油をふりかけてもいいかもしません)。
瓶は、小さめのジャムや鮭フレークの空き瓶といった口が広いモノが使いやすいです。
市販の芳香剤と比べると、香りはほんのり漂うほどですが、目にも涼しいオリジナル芳香剤ができあがりました。
乾いたら水を足し、香りがしなくなったら精油を足せば、長期間使用できます。
注意事項(保冷剤)
ところで、上でご紹介した材料(保冷材の中身と精油)を取り扱う際に、気を付けないといけないことがあります。
保冷剤の中身や高吸水性ポリマーの粉は、絶対にキッチンのシンクやトイレに流さないでください!
保冷剤の中身の主成分は水で、製品の98%を占めます。残り2%の成分は高吸水性ポリマーです。
くり返しになりますが、高吸収性ポリマーとは非常に吸収性の高い素材です。
そのため、キッチンのシンクやトイレなどに流してしまうと、水分を吸収して膨張し排水管の詰まりの原因となります。
なので、捨てるときには、しっかり袋に入れ(漏れないように)、各自治体の指示に従ってください。
もし、捨てるときに外側のフィルムが破れて中身が出てしまった場合は、保冷剤ごとビニール袋に入れた状態(外に高吸水性ポリマーが漏れないようにして)捨てるといいようです。
お子様やペットが絶対に口に入れないよう、管理には気を付けてください。
「保冷材の中身を誤って小さなお子様やペットが食べてしまう」という事故があるようです。
保冷材は食べられません。使用後は、必ずお子様の手の届かない場所に保管してください。
安全に楽しんでいただくため、上記2つの注意事項をお守りください。
- 参考サイト >>> https://www.icejapan.jp/faq/
注意事項(精油)
精油は、自らは移動できない植物が、自身の身を守るために作り出した成分を凝縮したモノです。そのため、精油によっては、禁忌や注意事項もあります。
付属の説明書などをお読みになって、安全にご使用ください。
以下は、全ての精油に共通する注意事項です。
- 原液を皮膚につけない。ついたらすぐ石鹸で洗い流す
- 飲用しない
- 目に入れない
- 火気に注意する
- 医師による治療や投薬を受けている場合は、必ず当該医療機関に相談する
- 3歳未満の乳幼児には使用しない
- 3歳以上でも、お子さんが嫌がる香りは使用しない
- 高齢者、既往症のある方は半分以下の量を目安にする
- 妊娠中は体調を考慮し、妊娠初期はアロマオイルを使用しない
- 授乳中はできるだけ使用しない
また、精油を選ぶときは、100%純粋なもので、箱やラベル、使用説明書に、品名、学名、抽出部分(位)、抽出方法、生産国(地)または原産国(地)、内容量、発売元または輸入元が書かれているものをおすすめします。
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さいごに
宇宙科学館「ゆめぎんが」の展示のようすと、高分子吸収ポリマーを使った芳香剤についてご紹介いたしました。
簡単に応用できるので、家でも作ってみました。作業時間としては、10分くらいです。
いろいろ工夫できるので、とても楽しかったです。
最後までご覧いただきありがとうございました。