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1日1個のりんごで免疫力アップ!? ~りんごの効果とりんごの香り~

2021-01-27

朝ヨガのクラスで自分のヨガマットを広げたら、とてもいい香りがしました。あとでバッグを見ていると、なぜか?りんごが1個入っています。どうやらいい香りは🍎の香りがマットに移っていたようです。

1日1個食べると医者いらずと言われることもある、りんご。香りに癒されたので、たくさん買ってきました。今回は、りんごにまつわるお話です。よろしければお付き合いください。

りんごの歴史

りんごは、バラ科リンゴ属の樹木になる果実です。

りんごの原産地は、中央アジアの「コーカサス山脈」と、中国の「天山山脈」を中心とした山岳地帯と考えられており、ここから、世界各国へ伝播しました。青森りんご

私が以前住んでいた「天山山脈」」が見える山岳地方にも、大きなりんごの果樹園がありました。春先には、大好きな可愛いりんごの花が咲き乱れるようすを見ることができます。

りんごは、日本には明治時代に持ち込まれ、日本の気候風土に合わせ品種改良が盛んに行われました。

世界では約15,000種、日本では約2,000種類、一番の産地である青森県内では約50種類が栽培されているそうです。

 

免疫力アップ

日本では、りんごは、1年中流通しています。ただし、(品種にもよりますが)りんごの旬は、おおむね秋から冬と言えます。旬の食べ物はエネルギーをたくさんもらえそうです。

 

りんごの栄養素

以下は、皮つきりんご100gのエネルギーと栄養素です。

エネルギー61kcal
たんぱく質0.2g
脂質0.3g
炭水化物16.2g
灰分0.2g
カリウム120mg
カルシウム4mg
マグネシウム5mg
リン12mg
β-カロテン当量 27μg
ビタミンC6mg
食物繊維1.9g(水溶性 0.5g、不溶性 1.4g)

(資料:日本食品標準成分表2015)

 

「1日1個のりんごは医者いらず」と言われるほど、豊富な栄養素が含まれています。

しかも、りんご1個 (約250g) あたりのエネルギーは、約140キロカロリー。 皮つきで1個食べると、かなり満足感もあります。

 

りんごの成分と働き

成分働き
カリウム
  • むくみや血圧に影響するナトリウム(塩分)を排出するのをサポート
ビタミンC
  • 抗酸化作用
  • 鉄分の吸収を促す
食物繊維(水溶性、不溶性)
  • 腸内善玉菌(ビフィズス菌など)を大腸内で増やす作用
  • 血糖値の急激な上昇を抑える作用
  • 血中コレステロール値を下げる作用
りんごポリフェノール(プロシアニジン)
  • 抗酸化作用
  • 血液中の脂質の酸化をケアする
  • 悪玉コレステロール(LDL)値を低下させる作用

出所:青森りんご

 

コロナ禍の今、細胞を傷つける活性酸素を抑制する抗酸化作用のある栄養素を摂るといいとされています。そうすると、免疫力アップにつながるそうです。

抗酸化作用のある栄養素には、ポリフェノールやカロテノイドがあります。また、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなども、活性酸素の働きを抑える作用を持つと言われています。

特にビタミンCは熱に弱いと言われているため、加熱の必要がない果物として取り入れると、より効果を損ねることなく摂取することができます。

りんごには、ビタミンだけでなく、ポリフェノールも含まれているので、今の時期にぴったりな食べ物だと思いました。

 

りんごポリフェノール

りんご由来のポリフェノール「りんごポリフェノール」はさまざまな成分で構成されています。その中でも「プロシアニジン」はもっとも多い割合60約%を占めています。山形味の農園

「プロシアニジン」はポリフェノール類の中のカテゴリの一つのため、本来は「プロシアニジン類」と表記されますが、本文では一般の方に分かりやすいように「プロシアニジン」と呼んでいます。

 

プロシアニジンとは、りんごポリフェノールの主成分です。内臓脂肪を減らすとも言われ、緑茶や赤ワインから摂れるポリフェノールより、抗酸化作用が強いのが特徴です。血管にも良い働きが期待されるようです。

 

プロシアニジン

アメリカ合衆国農務省(USDA)のデータベースによると、「プロシアニジン」が含まれる代表的な食べ物として、カカオ、シナモン、黒豆、ナッツなどがあります。

 

「プロシアニジン」の抗酸化力を活かす食べ方は?

  1. 熱に弱いため、できるだけ生のまま食べる
  2. 体内で持続力がないため、一日の中で何回かに分けて食べる。
  3. 習慣的に食べる。
  4. カットしたりんごは空気に触れて茶色くなる(酸化)前に食べる。または酸化しないように手早く薄い塩水やレモン水等で処理する。

参考:青森りんご公式サイト

 

ところで、りんごのカット面が茶色くなる原因は、プロシアニジンやその他のポリフェノールが酸化されるためだそうです。つまり、カット面が茶色くなった(酸化した)時点で、プロシアニジンはその抗酸化力の一部を使ってしまったことになります。

と、ここで疑問を持ちました。以前アデレードで買って食べたオーガニックのりんごは、かじった面が茶色になりませんでした。

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ということは、オーガニックのりんごは、ポリフェノールの酸化が少ないのかしら?

オーガニックのリンゴと言えば、日本でも奇跡のリンゴがありますね。一度、アップルパイでいただいたのですが、美味しいのはもちろん、なんか味わいが違った気がします。

 

 

食物繊維

また、食物繊維が豊富なのも嬉しい点です。

腸内環境を整える作用がある食物繊維が多く含まれています。りんご100gあたりの含有量は、1.9gです。

りんごに豊富な食物繊維は、水溶性食物繊維の一種である「ペクチン」。ペクチンは善玉菌を増やす一方で、有害菌の増殖を抑える作用があるため、下痢対策に役立ちます。また、有害物質の排出を促すため、便秘気味の方にもおすすめです。macaroni

身体の免疫細胞の約6割は腸にいるそうなので、腸内環境を整えると身体本来の免疫力を保てる、と言えるのでしょうね。

 

りんごの蜜

ところで、蜜だらけのりんごがTwitterで話題になりました。

りんごの蜜の正体は「ソルビトール」という糖質アルコールの一種だそうです。

ソルビトールとは、葉の光合成によって作られる物質で、果実の中でりんごの本来の甘味である果糖やしょ糖に変換されます。しかしりんごが完熟すると、ソルビトールは糖分に変換するのをやめてしまい、そのままの状態で水分を吸収します。これが「蜜」になるのです。

 

momoka
つまり蜜は、これ以上糖に変換しなくてもよいという状態まで完熟している美味しいりんごだそうです。

 

ただ、ソルビトール自体はしょ糖や果糖の5割から6割程度の甘さしかないので、その部分だけを食べてもあまり甘くは感じません。

出所:リンゴの蜜の正体

 

こみつりんご

蜜と言えば思い出すのが「こみつりんご」。「こみつりんご」は、断面図の6割ほどに蜜がみられる青森の小玉のりんごです。

青森県以外では見ることはほとんどないと弘前市役所の方の熱い説明を受け、買ってみました🍎

蜜が多いりんごは、横に切るといいようです。

薄くスライスしてみました。ちょっと失敗ですが、日にかざしてみる美しい!

そういえば、この「こみつりんご」も、すぐに茶色にはならなかったような気がします。

不器用な私には、横スライスは難しくうまくいきませんでした。なので、半分は横に切ったあと、スパッと縦に切ってみました。蜜の入り方がすごいです。

食べてみると、シャキシャキした食感と甘さ・・・それ以上に感じたのは、りんごのいい香りでした。調べてみると、やはり香りは大切な要素だったようです。風味と言いますしね。

 

りんごの香り

りんごをかじると、甘酸っぱい香りが広がり癒されるのですが、残念ながら、果物の精油はありません。

 

momoka
以前、大学のオープンカレッジの授業で、イチゴの精油の香りを嗅がせてもらいました。抽出するのがとても難しいそうですが、残念ながら、香りは期待したものではありませんでした。

 

なので、精油以外のアプローチで、りんごの香りを調べてみました。

蜜入りのリンゴには、香り成分であるエチルエステル類が多く含まれており、これらがリンゴの風味を強め、おいしさを高めます。農研機構

どうやら秘密はエルテル類の芳香成分のようです。

 

エチルエステル類

エチルエステル類は、エタノールと脂肪酸が縮合(エステル結合)して生成する化合物です。揮発しやすく、フルーティ、フローラル、スイート(パイナップルのような甘い香り)な香りを呈します。

ちなみに、精油の世界で教わる「エステル類」も、酸とアルコール類が反応して生成される化合物です。名前は「~酸~イル」となります。

特長

・甘くてフルーティーな強い香り
・深い鎮静作用が期待できる
・刺激は少ない(例外:サリチル酸メチル)

使用上の注意が必要な「サリチル酸メチル」とは、サロンパスの香りです。

エステル類の精油としては、以下のようなものがあります。

  1. ラベンダー・アングスティフォリア、クラリセージ、ベルガモット、ネロリ(酢酸リナリル)
  2. イランイラン、ジャスミン(酢酸ベンジル)

中には好き嫌いがはっきり分かれる香りもありますが、おおむね、気持ちを落ち着かせる香りと言われているものです。

 

momoka
免疫力アップが期待できるだけでなく、香り自体も気持ちを穏やかにすることが分かり、なんとなく納得な調査結果となりました。

 

さいごに

新型コロナウィルスによる影響で、これまで以上に免疫力に対する意識が高まっている今、体の内側から元気になれる食材として、りんごはピッタリだと思いました。

これまで、果物の「おいしさ」は、糖含量や糖度を指標として評価されてきました。でも、「香り」もまた、美味しさを感じるうえで、とても大きな役割を担っているようです。鼻をつまんで食べてみると味がしないように、香りは味(おいしさ)に欠かせない感覚なのですね。

みなさまも、どうぞ、りんごを召し上がりながら香りも楽しんでみてくださいませ🍎

最後までご覧いただきありがとうございます。

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