2020年3月・春の九州ひとり旅。最初の目的地は、北九州市の小倉、そして門司港です。
那覇からの飛行機が減便になったため、観光する時間が少なくなってしまいました。それでも、迫力ある小倉城とノスタルジックな門司港の雰囲気は味わい、そして3つの桜を探すことができました。
福岡までのフライト、そしてJR九州の鉄道の旅とともにご紹介したいと思います。
始まりはJTA
まずは、那覇から福岡までJALグループのJTA・日本トランスオーシャン航空で移動します。
普段、通路側の座席を指定することが多いのですが、この路線は窓側にしてみました。お天気が良かったので、海の青と空の青がとても美しい!
飛行機の種類はB737という小型機です。
通路が1本で、クラス J と普通席の2クラスですが、クラス J は満席、普通席も8割くらいの搭乗率でした。
面白かったのは、普通席(最前方の座席)のブロック。座席はあるのですが、座席に突起物があって、座れなくなっています。
JALのB737 だと、隣席の人の大きなアームテーブルになっている場所です。
通路を挟んだ隣りの側(座席 H)の座席は利用できます。前方に座席がなく、危険だからでしょうか。バスの一番後ろの真ん中の座席のような感じですね。
ところで、JTAのB737の普通席は、最前方の座席がおすすめです。
他の席に比べてかなり足元が広いのです。非常口座席(こちらは2番目におすすめ)より広い気がします。
ちなみに、普通席の最前方 H はの前には、クラス J の座席があるので(2席-3席の配列)、ブロックされていません。
満席のクラス J を後方から見ながら、3席を一人で利用できた贅沢なフライトでした。
JTAについては、こちらもどうぞ。
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【JTA】移動だけじゃない離島フライトの楽しみ ~日本トランスオーシャン航空・石垣島・搭乗記~
沖縄の離島フライトとイレギュラーのお話しです。
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カーブチードリンク
サービスされるものも、JALとは少し違います。
いつもはさんぴん茶 (ジャスミンティー) をいただくのですが、この日は、季節限定の「カーブチードリンク」にしてみました。
JTAの県外路線限定のドリンクだそうです。
カーブチー
「カーブチー」とは、沖縄のことばで、皮がぶ厚いという意味です。
大きさは温州みかんほどですが、皮が濃い緑で厚く、種が多くあり、素朴な味わいが特徴です。
また、秋の運動会の時期に穫れるので「運動会みかん」とも呼ばれています。
初めてのカーブチーでしたが、風味は、濃いゆずジュースと言った感じ。心落ち着く柑橘類の香り、そして、スッキリしたのど越しで美味しかったです。
福岡空港から博多駅へ
飛行時間は1時間30分くらい。定刻に福岡空港に到着しました。国内線旅客ターミナルビル北の到着口から出ます。
地下鉄の駅へ向かう途中、新しくできた「ラウンジTIME」を見つけました。
提携指定カード会社のゴールド会員(ダイナース含む)が無料で利用できますが、一般の方も有料 (1,000円) で利用できるようです。
新しいラウンジなので、次回時間があるときに利用してみたいと思います。
地下鉄
あれっ?地下鉄なのに、JR九州の車両がやって来ました。
後日、不思議に思っていたので、「ゆふいんの森」号の乗務員さんに尋ねてみました。JR九州の車両だったのは、JR九州の筑肥線と福岡市営地下鉄空港線の列車が相互に乗り入れているからだそうです。
この白い車両は、JR九州305系で、背もたれの一部が木になっていて、とてもおしゃれです。
乗ってみると、ドアの内側に、かわいらしい黒い犬・くろちゃんが描かれています。
くろちゃんは、JR九州の特急「あそぼーい」のイメージキャラクターです。新型車両のデザインを手がけた工業デザイナーの水戸岡鋭治氏が、くろちゃんの生みの親なので、ここに描かれているそうです。
ちなみに、水戸岡氏は、豪華寝台列車「ななつ星」をデザインされたことで有名ですが、先日乗った新幹線の「つばめ」や「ソニック」などもデザインしているそうです。新型車両がおしゃれなのも納得です。
あとで調べて分かったのですが、唐津方向1両目の床は、フローリング調になっているそうです。次回は、その車両に乗ってみようと思います。

福岡から小倉へ
その後、博多駅で「みんなの九州きっぷ」を受け取り、宿泊先の小倉へ向かいます。
小倉への行き方はいくつかあります。
博多⇔小倉
- 新幹線:2,160円(15分)
- JR特急ソニック:1,830円(47分)
- JR鹿児島本線区間快速:1,310円(1時間22分)
- 高速・連絡バス:1,150円(1時間36分)
新幹線
今回は時間を有効に使うため、新幹線に乗りました。費用を抑えたい私にとってはちょっと贅沢な乗り物なのですが・・・。
小倉まで、わずか15分で到着します!
なお、「みんなの九州きっぷ」は、2日間用を買ったので、次の日から使用します。
小倉駅
新幹線の小倉駅の改札を出て、右の方へ進むと、バスロータリーがあります。その先に、今回の宿泊先「リーガロイヤルホテル小倉」が見えました。
駅を出たところに、キャプテンハーロック(懐かしい!)の像がありました。そばには、銀河鉄道999 のメーテルもいます。
JR小倉駅構内や周辺には、北九州市ゆかりの漫画家・松本零士さんの作品から飛び出したオブジェがたくさんあるようです。
子供の頃に見た懐かしい面々に出会えて、ちょっと興奮気味に写真を撮ってみました。
リーガロイヤルホテル小倉
「リーガロイヤルホテル小倉」は、小倉駅前のランドマーク的な建物なので、すぐに見つかりました。
ホテルまではアーケードがあるので、雨が降っていてもほとんど濡れることはありません。
福岡には泊まってみたいホテルがたくさんあって、選ぶのに困りました。そのなか、リーガロイヤルホテル小倉を選んだのは、激安のテレワークプランがあったからです。
高層階、しかもこんなに立派で広い部屋が4,000円(税サ込)だったのです。
チェックイン時に会社の名前を記入するだけで、県外在住の私でも利用できました。
シングル使用ですが、ペットボトルのお水も2本用意されていました。ちょっと、古いタイプのバスルームですが、清潔なので何の問題もありません。
パジャマ代わりになるガウン、もちろんスリッパもありました。
久しぶりの豪華ホテル!なんか部屋の空気感が違う気がします。
大きな窓があり、壮大な景色を見ることができます。前日は夜景を楽しみ、次の日は朝日・・・。
部屋にも光が差し込んできました。部屋中が淡いピンクになるこの時間が大好き!高層階ならではの楽しみです。
小倉まちあるき
時間は前後しますが、ホテルに荷物を置いて、すぐに出かけました。
JR小倉駅より15分ほど歩いてきました。
最初の桜は小倉城の周辺で見つけました。
ちょうど開花宣言が出たばかりの頃で、咲いていたのはほんの少しでしたが・・・
それでも、ピンクのつぼみと白い花が可愛い桜です。一眼レフで撮ってみました。
焼きカレー
小さな桜を楽しんだ後は、門司港の地ビールと、旅行者が必ず食べる(?)焼きカレーを食べに行きました。
本当は、門司港の夜景と夜桜を楽しんだ後の予定だったのですが、時間の関係で、この日は小倉止まりです。
しかし、ラッキーなことに、行きたかったお店が小倉に移転していました。念願の地ビールと焼きカレーが、この日の夕食です。
お店でいただくとカバーチャージ(500円)がかかるのですが、やっぱり熱々を食べたい!と思い、お店でいただきました。
ちょっとチーズを少なめにしていただいた初焼きカレー。中から卵が出てビックリ!
ピリ辛のカレーが美味しかったです。
三日月のクロワッサン
焼きカレーは美味しかったのですが、単品だと量が少なくて・・・
三日月のクロワッサンをデザートにいただきました。
JR小倉駅のお店は、新幹線の改札口のすぐそばにあるので、次の日の朝食用も買っておきました。
2日目:門司港観光
本当はもっとホテルにいたかったのですが(居心地最高!)、朝早く出発します。お天気が良かったので、当初の予定通り門司港まで足を延ばそうと思ったからです。
2日目からは「みんなの九州きっぷ」を使うので、そのまま改札を通ればいいだけでした。
小倉駅から門司港駅までは、JR鹿児島本線・門司港行の列車で3駅、15分ほどです。
門司港・駅舎
駅としては日本で初めて国の重要文化財に指定された門司港駅。
老朽化への対応や耐震補強を行うため、2012年に保存修理工事が始まり、翌2013年から、駅舎を素屋根(囲い)で覆っての解体・修理・補強・組み立て工事が行われました。
約6年の歳月を経たその工事も2019年に完了。大正時代の創建時の姿が甦りました。
現役の駅舎で国の重要文化財に指定されているのは、現在、門司港駅と東京駅の2つだけだそうです。
駅のコンコース(券売機と改札側)のようすです。
さらに、門司港駅の2階には、旧貴賓室、旧次室、屋根裏が覗ける小窓などがあります。見学は、改札側の階段かスターバックスの店内奥にあるエレーベーターから上がるようです。
- 見学時間:9時30分~20時
なお、旧貴賓室は入り口から中を覗くので、レストランの個室使用時は見られません。
また、クルーズトレイン「ななつ星」が(運行中は)、毎週火曜日に門司港駅にやってくるそうです。停車時間は13時30分~14時30分。
次回は、この時間に合わせてやって来たいと思います。
ところで、門司港のホームはとてもスッキリしています。
門司港駅のホーム部分には、ベンチなどがありません。また、柱や屋根の内側は木製で、屋根を支える梁には線路のレール材が使われているそうです。
みどりの窓口
みどりの窓口です。観光案内所も併設しているようです。
営業時間
- きっぷうりば… 06:00-20:00 年中無休
- 観光案内所… 09:00-18:00 水曜日休み
(2021年4月1日時点での情報です)
門司港駅の周辺には、レトロ観光スポットがたくさんあります。週末には、観光列車「潮風号」も走るようです。
ほんの1時間の滞在なので、今回はほんの一部、しかも建物の外見を見て回るだけですが・・・
まずは、日本最大級の歩行者専用跳ね橋「ブルーウィングもじ」を渡ります。
「ブルーウィングもじ」は、全長約108m、日本最大級の歩行者専用はね橋です。1日6回、約4分間かけて、水面に対し約60度の角度に跳ね上がるそうです。
海峡時間
10:00、11:00、13:00、14:00、15:00、16:00(それぞれ、20分後に閉じます)
旧門司税関
橋を渡って見えてきた最初の建物は、1912 (明治45) 年に建築された旧門司税関です。
煉瓦造瓦葺屋根の建物で、昭和の初期まで税関庁舎として使われていました。建物の内部には、休憩所やカフェ、税関PRコーナー、関門海峡を見渡せる展望室があります。
ちなみに、門司に税関が置かれるきっかけを作ったのは、炭鉱ビジネスに参入した実業家の広岡浅子さんだそうです。
広岡浅子さんと言えば、2015~2016年に放送されたNHK朝ドラ『あさが来た』のあさのモデルになった方です。
筑豊の石炭を輸出するには、当時は長崎港まで運ばなくてはなりませんでした。炭鉱に近い門司を輸出港にできれば、こんな便利なことはない!と、彼女が税関設置を申請したのだとか。
その後、門司港は、日本最大の石炭積出港にまで発展したそうです。左奥に見えるのが「ブルーウィングもじ」の全体です。
大連友好記念館
旧税関のすぐそばにあるのが「大連友好記念館」です。
友好都市を締結している大連市と北九州市。門司港は、中国・大連とを結ぶ重要な国際航路があったことから、古くから交流が盛んでした。
その締結15周年を記念して、造られたのが「大連友好記念館」です。
建物は、1902 (明治35) 年にロシア帝国が大連に造ったドイツ風の歴史的建造物を模したものだそうです。
1階には中華料理店「大連あかしあ」が入っています。
旧門司三井倶楽部
旧門司三井倶楽部は、大正10年に三井物産の社交倶楽部として建築された国指定重要文化財です。
建物はハーフティンバー様式と呼ばれるヨーロッパ伝統の木造建築工法で作られたものです。木造の骨組みの間を漆喰やレンガ、石などを使って埋めて壁が作られ、木造の骨組みがそのまま外観デザインのアクセントとなっています。
アインシュタイン夫妻が来日したときに宿泊した部屋は、当時のようすを再現しているそうです。他には、門司出身の作家「林芙美子記念室」やレストランなどがあります。
旧大阪商船
旧大阪商船は、1917 (大正6) 年に建てられた、大阪商船門司支店を修復したものです。
オレンジ色タイルと白い石の帯が調和したデザインの外観と八角形の塔屋が目印です。
当時、門司港からは1ヶ月の間に、台湾、中国、インド、欧州へ60隻もの客船が出航しており、外国へ旅立つ人々で賑わってたそうです。
現在、1階は『わたせせいぞうギャラリー』、2階は貸ホールとなっています。
再び門司港駅へ
旧大阪商船を見ながら、門司港駅の方へ戻ってきました。角にあるFamily Martは、街の雰囲気に合わせた色になっています。
私はヨーロッパの街並みが大好きなのですが、その理由の一つが「調和」です。建物自体も素敵なのですが、調和を考え、街全体がまとまるような色合いや建築となっているので、見ていて落ち着くのです。
その大好きなヨーロッパの景観に似ている、門司港レトロ。まだまだ、行きたい場所はいっぱいあるので、次回の楽しみにしたいと思います。
門司港の桜
Family Martのすぐそば、門司港駅の方から見た「旧門司三井倶楽部」の庭で、2つめの桜を見つけました。満開の桜🌸
ころりんとした可愛らしい桜でした。
門司港のスターバックス
最後は、駅舎内にあるスターバックスへ。
福岡県のスターバックスと言えば、建築家の隈研吾氏により設計された「太宰府天満宮表参道店」が有名ですが、門司港駅にも素敵なスターバックスがあります。
門司港駅の駅舎内、改札の外にあるので、列車に乗らない人でも利用できます。
大版の鉄板に錆をまとわせたコルテン鋼をバーカウンターの壁面に使用し、そこに列車のヘッドマークを用いて、スターバックス歴代のロゴマークを施しています。
3等待合室を再現した店内の白い漆喰壁や、淡い黄色に塗装された腰壁や天井は当時を思わせる空間となっています。
天井の鉄骨や壁面の足元には、役目を終えた九州の鉄道レールを再利用しているそうです。
3つめの桜はこちら (^^)。
スターバックスで、桜のシフォンケーキをテイクアウトしました。
ちなみに、2階の貴賓室として使われていた場所には、かつてあった洋食レストラン「みかど食堂」があります。
「みかど食堂」は、「ワールド50ベストレストラン」に11年連続で選出されている東京・南青山のフレンチレストラン「NARISAWA」の成澤由浩シェフが監修しています。

出発
あっという間に過ぎてしまった、門司港観光。次回は、もっとゆっくり回りたいと思います。
小倉から博多へ
本当は、博多に戻って、神社に行って、ゆふいんの森に乗り継ごうと思っていたのですが・・・、

前日は別途購入したので、気づきませんでした。
博多~小倉間は福岡県内の移動ですが、JR西日本の山陽新幹線が運行しています。つまり、JR九州が販売している「みんなの九州きっぷ」では乗れないのです(よく見ると、注意書きに書いてありました)。
小倉から博多までは15分で移動できるから、門司港を観光した後、小倉に戻り新幹線で博多に行けば、神社に行っても「ゆふいんの森」に乗り継げる!と思っていた私の誤算でした。
もちろん、JR九州の列車なら乗れますので、新幹線の次に早い「ソニック」に乗って移動することにしました。
青いソニック! 車内も広々としていて、おしゃれです。
というわけで、楽しみにしていた櫛田 (くしだ) 神社に行く時間が無くなってしまいました。
私が櫛田神社に行きたかったのは、いつも心が温まるブログを書いていらっしゃる「泣いても笑っても日日是好日」さんが紹介されていたからです。
博多駅からも徒歩圏内なのですが・・・残念です ( ノД`)シクシク…
でも、次回の楽しみにとっておきたいと思います。
「櫛田神社」について詳しく説明してくださっている記事も合わせてどうぞ。特に、 正面からの拝殿の写真にパワーを感じました。
さいごに
駆け足の2日間の旅のようすをご紹介しました。
内容が多岐に渡っているので別々の記事にしようかとも思ったのですが、同じ北九市でも、小倉から門司港の違いや流れをお伝えしたくて、少し長めの記事になってしまいました。
このあと、「ゆふいんの森」の旅につづきます。
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移動も楽しい!JR九州の「特急ゆふいんの森号」で由布院駅へ
ゆふいんの森Ⅰ号とⅢ号の乗車記です。
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最後までご覧いただきありがとうございます。