花の浮島「礼文島」で一番楽しみにしていたのは、礼文島のトレイル(英語:Trail)。
トレイルとは、森林や原野、里山などにある「歩くための道」を意味するそうです。
今回は、ツアーでもよく利用される「桃岩展望台コース」とトレイルにかかった時間をご紹介いたします。
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礼文島トレイル
300種以上といわれる高山植物が海抜0mから咲いている、礼文島。
多彩な高山植物と出合える桃岩展望台コースや、礼文島最北端のスコトン岬からレブンウスユキソウの群生地まで1日かけて歩くコースなど、礼文島には異なる特徴をもつ7つものトレイルがあり、全長約50kmにもなるようです。
- 礼文島トレイルマップは こちら
マップの情報は、2020年4月のものです。
桃岩展望台コース
礼文島のトレイルは、軽装で散策できるコースだけでなく、山岳地と同様の難所がある場所など、コースによって特徴が変わります。
今回歩いたのは、ペンションうーにーからも近い「桃岩展望台コース」です。
- 全長:約7km
- 所要時間:約3時間
- 特徴:見られる花の種類が多く、利尻山の絶景が楽しめる。アクセスできる地点が多い。
出所 >>> https://rebun-trail.jp
その他の参考サイト >>> http://www.rebun-island.jp
「桃岩展望台コース」はツアーでもよく利用されるコースで、比較的歩きやすいと言われています。
桃岩登山口から知床へと続く5.3km、所要時間約2時間の桃岩展望台コースは高山植物の宝庫。景勝ポイントも数多く、島に咲くほとんどの花と利尻富士を眺めることが出来るオススメのコースです。強風や濃い霧が立ち込めるので、十分注意して下さい。
礼文島観光情報
ただ、歩きやすいと言っても自然の中の道なので、アップダウンはかなりあります。
歩き始めは、香深フェリーターミナル、桃岩登山口や、駐車場があるレンジャーハウス、または知床など、さまざまです。
なので、時間や体力に合わせて歩くといいようです。
コースの起伏図
花の浮島のいったイメージを一番楽しめるのは、「桃岩展望台」と「元地灯台」の間です。
どちらから行っても、200m登らなくてはいけません。
よく、簡単に歩けるように紹介されていますが、それなりの準備(服装や持ち物、そして気持ち)は必要です。
お役立ちマップ
現地では、さまざまなパンフレットが手に入りました。
その中で一番役立ったのは、フェリーターミナルにあった「ぶらり礼文島MAP」です。
普通に歩いて3時間ほどかかるようですが、荷物の受取りまで4時間ほどあったので、ゆっくり歩いて行こうと思いました。
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桃岩展望台コース~はじまり~
今回は、定期観光バスで「北のカナリアパーク」まで行って、そこから離脱して歩き始めました。
私が出発した地点は、「ぶらり礼文島MAP」で見ると、「知床」の近くでした。
途中で主流の道に合流して「桃岩展望台コース」を歩きます。
路線バス
路線バスで来る場合、終点「知床」のまでの「第2差閉」で降りれば、「北のカナリアパーク」を経由して行くこともできます。
ちなみに、「フェリーターミナル」から「第2差閉」まではバスで5分、そこから「知床」まではバスで3分です。
なお、8時台は、1分違いで「桃岩登山口」行きのバスもあります(2022年6月~9月30日)。
分岐点からコースへ
最初は、(利尻山を背に)左の方向へ車道を歩いて行きます。
途中、乗ってきた定期観光バスに追い抜かれました(ガイドさんが手を振ってくれました)。
車道を5分ほど進むと、分岐点に着きました。
「ぶらり礼文島MAP」の『ここ』の場所にいます。
バスが通った道を、このまま下って行くと「知床」の方へ繋がっているようです。
私は「元地灯台」を目指しますので、『ここ』を右の方向へ曲がります。
途中から小石が多い道に変わりました。
後ろは知床方面ですね。利尻山(利尻富士)がきれいに見えました。
正直、この道でいいのか?と不安だったのですが、少し歩くと、上のような地図(看板)がありました。
ちょうど、上の地図の「現在地」の辺りまで来たようです(この時点で、12時25分)。
最初の目的地「元地灯台」まで、1.5kmのようです。
3分ほど歩くと、また悩むポイントがありました。
ここには大きな花の看板があり、その先は、車の侵入禁止になっています(2022年7月現在)。
「ぶらり礼文島MAP」の白い『・・・』となっている道の一部なのかもしれません。
この先に進んでいいのか迷いましたが、とりあえず進むことに・・・。
しばらく小石が多い、歩きにくい道が続きました。
底が厚い靴で来てよかったです。ときどき後ろを振り返ると、利尻山が見えます。人気があるのは、私が歩いたのとは反対の「桃岩展望台」から歩くコースのようです。
そちらだと、最後は、利尻山に向かって歩いていくことになりますね。
少しずつ花が見られるようになりました。
ここを経て、200mの高さまで上っていくことになります。
礼文島にしては暑い日(25℃位)しかも無風だったので、少し坂道を登っただけで汗をかきました。
高山植物の図鑑をダウンロードしていったのですが、探す余裕はありません。
『かわいいなあ』と花を愛でるだけで、森林浴をしながら歩くことにしました。
元地灯台へ向かう前方の景色は、空と緑しか見えません。
まるで終わりがないかのような登り道だったので、時々振り返って、利尻山を楽しむことにしました。最初は木々に囲まれていた道では少し日差しも遮られていたのですが、ここまでやってくると直射日光をかなり浴びます。
サングラスと通気性のいい帽子、そして速乾性のシャツを着てきてよかったです。
それにしても暑い・・・。
道の周りには、エゾイブキトラノオが咲き乱れていました。
猫じゃらしのようで可愛いです。「花の浮島」とは、本当にうまい表現だと思いました。
13時、40分ほどかけて、200mを登り切りました。
緩やかですが、ずーっと登り坂ですので、結構きつかったです。
普段東京ディズニーランドやシーを何時間も歩き回っているのですが、アップダウンの道を歩くので、また違った疲れに襲われました。
島の端に、元地灯台があります。
元地灯台の初点灯は昭和29年。
灯台が見守る辺りは豊かな漁場のようで、長い間、船舶の安全を見守ってきました。
キンバイの谷へ
「キンバイの谷」へ向かう道。
急な坂を上っていきます。この坂道は狭くなっていますが、所どころ避けられる場所がありますので、行きかう人がお互い道を譲りあいながら進みます。普段よく歩く(しかもジムで足腰は鍛えている)のですが、ここでちょっと足がつりそうになりました。
私は知床方面(ツアーの方が歩くのとは逆)から歩いているので、休みながら待つことが多かったです。なので、ゆっくり行くことができました。
「元地灯台」から少し上ってきました。
この海の青さ、そして透明度!
言葉では言い表せない、素晴らしい景色が広がっていました。
日当たりの良い斜面に、エゾカンゾウがたくさん咲いていました。
エゾカンゾウは、黄色のラッパ形をした花が特徴の背丈60cmほどの植物です。1つの花が1日程度でしぼむ短命な花ですが、新しい花を次々と咲かせるそうです。
周辺には、こんな景色が広がっていました。なので、動画を撮ってみました。
※ 360度の景色です。目が回りやすい方はお気を付けください。
まだ動画に慣れていないので見づらくてすみません。
少しずつ、利尻山にかかっていた雲も取れてきました。花の時季には少し早かったのか、図鑑に載っている花が咲き乱れているといった感じではありませんでした。すれ違ったガイドさん曰く、そういう花は、じっくり探さないといけないとか・・・。
それでも旅人の心を癒してくれる、青い海とお花畑は、類がない美しさかもしれません。
しばらく景色や花を楽しんだ後、「キンバイの谷」を目指します。
キンバイの谷は、元地灯台と桃岩展望台の途中にある、少し低くなった場所です。
やっと下りの道・・・
と思ったら、また上ります。
けっこう歩いたと思ったのに「元地灯台」からは800mしか来ていません。「キンバイの谷」の先にある「桃岩(桃岩展望台)」までは1.7kmもあります。
しかし、この辺りから「キンバイの谷」、そして「桃岩」までの間は、尾根の両側に海が見えるだけでなく、さまざまな高山植物が楽しめるという人気の場所ですので、頑張って歩きます。
手すりの脇にも、花が咲いています。
10分ほど歩いて、「キンバイの谷」に到着しました。
ここまで、「北のカナリアパーク」から 1時間10分ほど。元地灯台から50~60m下って上ってやって来ました。
6月、キンバイの谷には、レブンキンバイソウが一面に咲くそうです。
帽子とサングラス、そして長袖のUV+速乾シャツで防備してきましたが、それでも、かなり直射日光を浴びながら歩いてきました。
可憐な高山植物も、かなり紫外線を浴びていますね。
高山植物と紫外線
ところで、自ら動くことができない森の木は、芳香成分(アロマ)を出すことで、虫や細菌などから身を守っています。
高山植物は、どのようにして強い紫外線から身を守っているのでしょうね。
野外で1日中日光を浴びている植物は、その間ずっと紫外線にさらされています。植物色素であるクロロフィルやアントシアニンは植物を紫外線から守っていると考えられています
植物色素の紫外線カット効果
アントシアニンとは、植物が紫外線など有害な光から実(身)を守るために蓄えられる青紫色の天然色素です(出所:わかさの秘密)。
アントシアニンの合成は、(波長の長い)日焼けの原因になる "UVA" によって促進されるそうです。
写真を見返してみると、紫の花が多いことに気づきました。
紫外線を浴びているのですが、アントシアニンで防御しているのですね。
赤や黄色、白い花もありましたが、その防御方法は・・・考えないようにしす(笑)。
レブンウスユキソウ
ところで、7月頃、このコースでは、礼文町の町花・レブンウスユキソウ(エーデルワイスと同種)が見られると聞きました。
でも、今回は見つけることはできませんでした。上の写真は 礼文植物図鑑 からお借りしました。
この種の花が、海岸近くで見られるのは世界でも珍しいようです。
同じく仲間の「チシマウスユキソウ」。
上の写真は、以前、ドロミテで見つけた「エーデルワイス」です。
みんな同種なので、フワフワの花が似ていますね。
桃岩展望台へ
後ろを向くと、元地港や地蔵岩が見えました。
元地漁港の先には地蔵岩が立ち、その先に礼文滝のある谷があります。その先は人跡未踏の断崖海岸が続いているそうです。礼文島の東海岸には道路がありますが、西海岸は元地漁港周辺しか道路がありません。
14時前、少し風が出てきました。
ヒンヤリとした海風が気持ちよかったです。
眼下に香深港が見えてきました。
ターミナルに向かうフェリーは、私が乗る利尻島行きかしら?
「桃岩」まではあと200mです。
12時19分に「北のカナリアパーク」を出発して、「桃岩」に14時に到着。
午前中に定期観光バスで見た「桃岩」を、後ろ側から見ることができました。少し遠くに、「猫岩」も見えます。「元地灯台」からこちらまでの丘陵地帯は、礼文島の中でも最も花が多いエリアです。特に6月~8月頃に見頃を迎えるそうです。
この辺りの標高は約225mですが、高山植物の多さから、もっと高い場所を歩いているような気分でした。
現在地は、ここです。
ここまで来たら、香深港フェリーターミナルというゴールが見えてきました(とは言っても、まだまだですが・笑)。
フェリーターミナルへ
さあ、次は、フェリーターミナルへ下るだけです。
チョコレートでエネルギー補給をして、出発します。
今見ると、とてもきれいな風景なのですが、この日は暑くて、既にヘロヘロで(この辺りの)記憶はあまりありません。
下った後、車道を横切り、フェリーターミナルまでの近道を通ります。
コースの最後に見た花。
フェリーターミナル方面から「桃山展望台」を目指す方は、この案内板に沿って歩くと近道のようです。
「ぶらり礼文島MAP」にも、桃岩近道看板が載っていました。
私は、反対から来ましたので、ここから「礼香寺」の横を通って、フェリーターミナルに向かいます。
案内板の通りに歩くと、新桃岩トンネルのそばに出ました。
定期観光バスで通った道なので、ほっとしました。
ここから、フェリーターミナルまでは、もう少しです。
16時に荷物を受け取るのですが、十分に間に合いました。
左手に「礼香寺」、その後「巌島神社」を見ながら歩きます。
「巌島神社」の天井画には高山植物が描かれていて、とても美しいそうです(定期観光バスガイドさん談)。本当は見たかったのですが、神社の階段を昇る気力はなく、あきらめました。
フェリーターミナルまで3分のところに、礼文島の温泉「うすゆきの湯」があります。
タオルは持っていたので、フェリーに乗る前に疲れを癒しました。
15時に、フェリーターミナルに着きました。
休み休み歩いて、「北のカナリアパーク」からここまで約2時間40分でした。
服装と持って行ってよかったもの
- 通気性のいい帽子
- サングラス
- 速乾性の長そでのシャツ
- 速乾性の長ズボン
- 底の厚いトレッキングシューズ
- 水
- チョコレート
- タオル
お天気のいい日だったので、日差しを遮るものでしっかり防御しておいて良かったです。
水分はこまめに補給するようにしましたが、飲んだ分だけ汗で出ていくといった感じでした。
なお、天気が変わりやすいので、レインコート等の雨具も持って行った方がいいようです(風が強い場合、傘は役に立ちません)。
さいごに
礼文島のトレイルのひとつ、桃岩展望台コースを歩いてみました。
12:19
北のカナリアパーク
13:28
キンバイの谷
14:00
桃岩
15:00
香深港フェリーターミナル
コースはきれいに整備されていますが、一部舗装の場所もあります。
山を歩きなれていないので、きれいだったけど、しんどかった(つらい・くたびれる)というのが正直な感想です。個人だったので自分のペースで歩けたのですが、山を歩きなれていない人が想像する『楽に歩ける』ではなかったです。
でも、もう一度、ぜひ歩いてみたい!そう思った景色が広がっていました。
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