この記事はこんな方におすすめ
- カタール航空「プリビレッジクラブ」に入ろうかな?と考えている方
- そして、プラチナ会員を目指してみようかな?と思われている方
カタール航空 (QR) の Privilege Club (プリビレッジクラブ)。あまり知られていないマイレージサービスですが、入会1年めで最上級・プラチナ会員になれました。あまり知られていないプリビリッジクラブの会員になって経験したことや、学習したことをまとめてみました。
これからカタール航空の上級会員を目指そうかな?と思われている方のために、メリットとデメリットをご紹介したいと思います。
カタール航空
カタール航空 (QR) は、中東カタールの国営航空会社で、首都ドーハのハマド国際空港 (DOH) を本拠地としています。現在ワンワールドに加盟しており、コードシェアも含め150都市以上の目的地と繋がっています。機材保有平均年数は、およそ5年という業界トップクラスを誇っています。
2018年、イギリスのスカイトラックス社による航空会社の格付けでは、「ザ・ワールド・ファイブ・スター・エアラインズ(The World's 5-Star Airlines)」の認証を得ているサービスに定評のある航空会社です。
航空券の座席システムは、アマデウスを利用しています。同じワンワールド内で予約番号が違う航空券でも荷物をスルーチェックインできるエアライン*1です。
サーチャージ無料
カタール航空の日本出発路線では、燃油サーチャージが不要です。さらに、直接オンライン予約すると、5~15%オフなどのキャンペーンも時々実施しています。カタール航空・予約
カタール航空を利用するときの最大のメリットは、サーチャージが無料になることです。費用を抑えたい私にはうれしい点です。
Q suite
カタール航空は「Qsuite」と呼ばれる個室タイプのビジネスクラスを順次導入しています。2019年には羽田・成田線にも導入されました。
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Qsuite
「Qsuite」こんな豪華なビジネスクラスは他にないかも!
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上級会員をめざした理由
2016年、カタール航空が頻繁にビジネスクラスのキャンペーンを実施していました。10万円台でヨーロッパまでビジネスクラスで行くことができた時代です。
その時、ちょうど入会キャンペーン中だったので、機内で勧誘されるがままにカタール航空の プリビレッジクラブ に入会しました。その後、あまり深く考えずに プリビレッジクラブ でマイルを貯めました。
上級会員への条件
カタール航空のプリビレッジクラブ上級会員になるためには、以下の条件があります。
- Qポイントを貯める
- カタール航空に最低4回搭乗、
- もしくは、Qポイントの20%以上をカタール航空の便で貯める
上の1と2、もしくは1と3が必要です。
Q points
Qポイントとは、マイルとは別に距離に応じてもらえるポイントです。
このポイントを貯めることで、上級会員への道が開けます。
- 150 Qポイント:シルバー 会員
- 300 Qポイント:ゴールド (ワンワールド・サファイア) 会員
- 600 Qポイント:プラチナ (ワンワールドのエメラルド) 会員
下の表の赤で囲んだ部分がが Qポイント です。
(2020年4月現在)
他のエアラインと同様に、Qポイントは、会員のステイタスに関係なく一律です。JALなど、ワンワールド加盟航空会社に搭乗した場合も加算されます。
Q pointsを調べるには、Q計算ツール が便利です。
4回搭乗
他の外資系エアライン同様、カタール航空の便名がついたフライトに2~4回(ステイタスによって異なる)に乗る必要があります。
しかし、カタール航空でヨーロッパに行く場合は、DOH (ドーハ) 経由となるため、1回往復すれば、この条件を簡単にクリアすることができます。
さらに、エコノミークラスの格安運賃の予約クラスが(O・T・W)や団体(G)でも往復46ポイント以上貯まります。
上級会員の特典
1年間に貯めた Qポイントの数によって、次年に上記のような特典を受けることができます。
また、プリビレッジクラブ では「ソフトランディング」方式を取り入れているので、1年間 Platinum (プラチナ) 会員であった場合、次の年に実績がなくても Gold (ゴールド) 会員に1段階落ちるだけです。
プリビレッジクラブのメリット
プリビレッジクラブのメリットは、自分の都合のいいタイミングで始められることです。つまり、Qポイントを貯め始めたその時点から1年間が有効期限となります。
その他、以下のようなメリットがあります。
- 優先チェックイン
- Qクレジット
- 100%のレベルボーナス
優先チェックイン
他のエアライン同様、航空券に関係なく、混んでいる空港でも待ち時間ほとんどなくチェックインしてもらえます。
さらに、カタール航空では、パーソナライズされた手荷物ラベルを付けてもらえ「荷物がどこに行ったか分からない!?」ということを防げるようです。なお、カタール航空のロストバゲージの確率は低いようです。
Q credit (クレジット)
プリビレッジクラブ の 「ゴールド」 と 「プラチナ」会員には、それぞれカタール航空搭乗時のアップグレードなどに使える Qクレジットをもらえます。
- ゴールド:40 Qクレジット
- プラチナ:60 Qクレジット
アップグレードは、カタール航空のサイトから行います。
以前は搭乗率10%以下のフライトでもぎりぎりまでアップグレードしてもらえなかったのですが、今は(空席の状況によりますが)2カ月前から可能なようです。本当は、アップグレードの座席があるかどうかを確認して航空券を買う方がいいようですが、可否は航空券を買った後しか分かりません。
Qクレジットの有効期限は1年間です。「空席がたくさんあっても、アップグレードに解放されている席が少なく、プラチナ会員でもなかなか取れない」というのが感想です。
100%のレベルボーナス
プリビレッジクラブではマイルをQマイルと言います。カタール航空便に搭乗すると、「100%のレベルボーナス」がつきます。
Burgundy
エコノミークラスのチケットで比べてみました。
プリビレッジクラブに入会したばかりのときは、ワインレッドの Burgundy (バーガンディー) というステイタスです(個人的にはこの色が一番好きです^^)。
プロ-モーションの運賃だと、往復「4,118Qマイル」獲得できます。
Gold
プロ-モーションの運賃だと、往復「16,470Qマイル」獲得と、4倍になりました。
Platinum
プロ-モーションの運賃だと、往復「20,580Qマイル」獲得と、5倍になりました。Qマイルは1月から6月までに獲得すると期限は、3年後の6月末となり、7月から12月までに獲得すると、期限は3年後の12月になります。
プラチナ (Platinum) 会員
プリビレッジクラブ の 「ゴールド」 や「プラチナ」会員になると、世界中のワンワールドのビジネス、もしくはファーストクラスのラウンジを使うことができます。しかし、世界中の「カタール航空・プレミアムラウンジ」を利用できるのは、ビジネスクラス以上の搭乗のみです。
プラチナ会員になると、DOHの「アル・サファ ファーストクラスラウンジ」を、利用できるようになりました。ただし、こちらもビジネスクラス以上利用時のみですが・・・
カタール航空は2019年10月16日(水)、ドーハ・ハマド国際空港の「アル・サファ ファーストクラスラウンジ」を、マイレージプログラム「プリビレッジクラブ」のプラチナ会員に開放したと発表しました。
これまでプラチナ会員は、搭乗クラスによってアクセスできるラウンジのみ利用できましたが、今回のサービス向上により、プラチナ会員がカタール航空またはワンワールド加盟航空会社のビジネスクラスに搭乗する際も「アル・サファ」で、アラカルト式のダイニング、ビジネス設備、スパ(有料)など、5ツ星の体験を楽しむことができます。
座席の優遇
「前方セクション」に関しては、あくまで「前方セクション」が優遇されるだけで、最前方の足が伸ばせる座席の確約は限りません。最前方の座席は、プラチナ会員でも、当日チェックインする際のリクエストになります。
プリビレッジクラブのデメリット
一番のデメリットは、特典航空券が取りにくかったり、アップグレードがしにくいことです。
アップグレードは簡単か?
ある年の2月の極寒のパリ便で、Qクレジットを使ってアップグレードを狙いました。理由は、「こんな時期にパリに行く人はいないだろう」と思ったからでした。
しかし、空席があっても、特典航空券用、もしくは、アップグレード用の座席がかなり少なく、なかなかアップグレードできませんでした。
繰り返しメールを送って、1か月ねばって、使用期限が切れるぎりぎりにやっとアップグレードされました。

※2019年11月から、公式サイトから空席の有無を確認でき、空席がある場合は、システム上、簡単にアップグレードできるようになりました。
案内には「プラチナの乗客は優遇」とありますが、優遇されているかどうかは不明です。
特典航空券は取りやすいか?
先に答えを言うと、No!です。
カタール航空では、3倍マイルなどのキャンペーンをよく行っていて、一見マイルが貯まりやすく見えるのですが、特典航空券に交換するときには、他のエアラインに比べて倍以上ものマイル数が必要なのです。
ただし、時々、マイル50%オフキャンペーンを実施していますので、そこを狙うのがおすすめです。しかし、設定は少なめです。
実際に、羽田 (HND) からパリ (CDG) の往復便に必要なマイル数をみてみます。
カタール航空だとDOH経由になるので、2区間分のQマイルが必要となります。
そのQマイル数は、なんと、145,000Qマイル!ちなみに、HND⇔DOHのビジネスクラスは「174,000Qマイル」、エコノミークラスは「87,000Qマイル」必要でした(2020年4月現在)
QRとJALの基本マイル比較
カタール航空(QR) と、JAL、それぞれヨーロッパへ特典航空券を発券するための必要マイル数を見てみました(2019年10月現在の必要マイルです)。
JALの場合
基本マイルで予約できる場合、ヨーロッパ便のビジネスクラスは、最低で110,000マイルです(ただし、JALは、空席によってマイル数が変動するシステムに変更されています)。
QRの場合
同じワンワールドのエアラインの特典航空券を発券する場合に必要なQマイル数です。
距離制なので、8,000~12,000マイル(フランクフルトやヘルシンキなど)へのビジネスクラスは17万マイル、12,000マイル以上(パリやロンドンなど)へは、20万マイル必要でした。JALに比べると、ビックリするくらい多いマイル数です!
※JALも空席により必要マイル数が増えるシステムに変わりましたが、QRも同様に、さらに2倍になる日もあります。
実際に予約してみました
2年間で20万Qマイル貯まりました。2019年の9月に、このQマイルを使ってヨーロッパに行こうと思いましたが、東京からだとDOHまでの片道(ビジネスクラス)にしかなりません。
JALの特典航空券だと17万マイルで成田ーフランクフルトの往復(ビジネスクラス) が取れそうなので、オンラインで申し込んでみました。しかし「空席がない」との返事ばかりです。
カタール航空のサイトだと、どの日に空席があるのか?調べることができません。そのため、BAの特典航空券のサイトで空席を確認して申し込みました。

有事に日本のコールセンターが使えない
そして、コロナ禍に発覚した、さらなる不便事象です。
カタール航空は、羽田・成田空港のほかに、日本支社がありますが、有事には以下のようになっていました。
2020年4月8日より5月10日までの期間、コロナウイルス緊急事態宣言を受け、発券カウンターを一時休業させました。この期間は電話対応のみです。
知り合いの方が、新型コロナウィルスの影響を受け、有償チケットのキャンセル処理をしようとカタール航空のコールセンターに電話したところ、全く通じなかったそうです。つまり、このとき、日本支社の電話対応もなくなっていたようです(電話は中国にしなくてはなりませんでした)。

ただし、いちいちプリビリッジクラブの「Service Centers」を通してのやり取りになります。
メールの方法
「Service Centers」に連絡すると、以下のようなメールが届きます。
いちいちプリビレッジクラブにログインして、「Service Centers」に届いているメッセージを見なければなりません。プリビレッジクラブのセキュリティは強め (安心は安心ですが) なので、めっちゃ使いづらいです。
ラウンジ利用の落とし穴(海外)
通常、ワンワールド(他社)のエメラルド会員だと、購入した航空券のクラスに関係なく、ファーストクラスのラウンジが使えます。しかし、前述したように、カタール航空のラウンジは、原則ビジネスクラス以上の搭乗時にしか使えません。
さらに、オリジナルのチケットに準ずるので、エコノミークラスからビジネスクラスへのアップグレード時にも使えません。つまり、オリジナルの航空券がエコノミークラスだと、例えプラチナ会員であっても、DOHの「アル・サファ ファーストクラスラウンジ」には入れないのです。
ただし、有償のビジネスクラスだと、DOHの「アル・サファ ファーストクラスラウンジ」にプラチナ会員だと入れるようになりました。

さいごに
マイルを貯めても使いにくいため、プリビレッジクラブを選ぶ人は少ないようです。
なので、マイルを貯めて特典航空券をゲットしたい!という方にはおすすめしません。
私は、カタール航空のプリビレッジクラブで2年間Qマイルを貯めたあと、マイルを使いやすいBAのエグゼクティブクラブに変えました。
カタール航空とBAの両方経験してみて、それぞれ上級会員へのハードルは同じくらいだと感じました。
とてもニッチですが、これからカタール航空で上級会員を目指される方の情報の一つになれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございます。
*1:他には、キャセイパシフィック航空も同様のサービスを提供しています。