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飛行機が航行中に雷を受けた!その後はどうなる?

飛行機は、先端部分にある気象レーダーで雲や雨を避けながら飛んでいますが、どうしても避けられない場合もあります。時には、雷を受けてしまうことも!しかし、雷を受けても飛行を続けることはできます。ただし、到着後が大変なのです。今回、乗る予定だった飛行機が着陸前に被雷してしまいました。その飛行機には乗れるのか?今回は、その時の体験などをご紹介したいと思います。

飛行機と雷

よく「飛行機に雷が落ちた」と言われますが、厳密にいうと、飛行機の場合は「雷に打たれた」や「雷を受けた」と言います。地上と違って、上空では雷は上から落ちてくるとはかぎりません。そのため「雷に打たれた」や「雷を受けた」と表現されるのです。

機内では感電する?

雷を受けても、乗員や旅客は感電しません。
momoka

飛行機の胴体の素材は、機種によって異なります。B777などアルミ合金の場合は、雷を受けたとしても機体の一部分の表面を流れて出ていく仕組みになっています。一方、B787など複合素材を使っている機体では、被雷用のアルミニウム・パス(電気の通り道)によって電気を逃がしています。

また、主翼と尾翼などに、雷を受けにくくし、かつ受けても機体のダメージを最小限に抑えられるような 静電放電装置 (スタティック・ディスチャージャー)と呼ばれる細い針のようなものも付いています。通常20~30本(ジャンボ機は53本でした)取り付けられています。 機体に静電気が溜まると、雷を受けやすくなるだけでなく、通信装置に雑音が入りやすくなるなどの問題もあるため、これを防ぐために、この静電放電装置がついているのです。

実際に被雷した経験談

B767という中型機に乗務していた時、離陸後5分ほどして雷を受けた経験があります。

雷は機首に向かって右側(座席のGやHの方)の前方から後方に抜けていったようです。機内にいる人間が感電することはありませんが、座っている位置によっては、軽い衝撃(風圧)を受けることがあります。

何事かと思いました。すごい衝撃を受けました!
CAさん

右側の一番前の乗務員席に座っていた人は、一瞬衝撃を受けたそう (ケガなし) です。私は、飛行機の再前方の左側にすわっていたのですが、

momoka
ボンという音を聞いて、体の左半身に激しめの風圧を受けました。

落雷の予報は出ていたので、すぐに被雷したと分かりました。衝撃や風圧を受けましたが、ケガなどはありません。お客様からも、体調不良等のお申し出はありませんでした。それ以前に、運航乗務員の方々と私たち2人以外は、気付かなかったようです。訓練では「被雷すると機内が白くなる」と聞いていたのですが、機内での目に見える変化はありませんでした。それでもアナウンスは必要で、状況を説明して、そのまま飛行を続けて目的地に到着しました。

前置きが長くなってしまいましたが、今回体験したことを、以下でご紹介したいと思います。

着陸前に被雷

那覇空港から羽田空港行きの便の搭乗をゲートで待っていました。すると、「飛行機が着陸前に雷を受けたため整備作業に入りる」とのアナウンスが入りました。以下、時系列でみていきます。


  • 10:50

    「到着機が雷を受けたので整備作業に入るので、15分搭乗が遅れる」とのアナウンスあり。


  • 11:10

    「作業に時間を要しているので、30分遅れる」とのアナウンスあり。


  • 11:30

  • 「さらに整備が必要な個所が増えたため、出発が未定」とのアナウンスあり。

乗り継ぎがある方は、この時点で、次便へ振り替えてもらっていました。

整備作業のようす

外では整備作業中です。雷を受けた後の整備作業が15分くらいで終わるわけがない・・・と思っていたら、どんどん遅延していきます。

右側の翼の後は左側に移動して、特に翼の先端に付いているウィングレットの先を確認をしていました。被雷は、飛行には影響ないとはいっても、着陸後には、どれくらいの損傷なのかを探し出して確認、そして修理する大変な整備作業が待っているのです。

受けた雷が本流であるか、支流であるかによっても被害の程度は違うようですが、雷が入ったところには何か所か突いた跡があるそうです。一方、出ていった部分は穴が開いていたり、溶けた金属の粒がたくさんついていたりするそうです。その入り口と出口を探して必要な処置をします。なので、短時間で終わる作業ではありません。

雷を受けたあとの飛行機の顔には、黒く焼け焦げた小さな跡(雷の入口)を見たことがありました。ただし、必ずしもあるわけではないようです。そのため、入口はある程度予測できても、出口となる場所は(写真のように)主翼先端や、さらには垂直尾翼など高所作業が必要なところばかりです。この日は曇りでしたが、天候が悪いと、さらに過酷な作業となります。

私は、羽田に戻るだけで、急ぐ必要はなかったので、いったんラウンジへ戻り、待つことにしました。
momoka

ラウンジでは、もし便が欠航になった時のために、次便以降で空席があるかどうかを確認してもらいました。私にはもう一つ気になることがあったからです。

運航乗務員の勤務時間

(全てのエアラインかどうかは分かりませんが)運航乗務員には勤務の時間制限があり、規定時間を超えて乗務できない規則があります。そのため、たとえ乗務中であっても時間を超えてしまうと、運航乗務員は交代になります。

以前、同じくJAL便に乗っていた時、那覇空港が悪天候で降りられず鹿児島空港に着陸して天候の回復を待ったことがありました。待っている間、全旅客にカルカンが配られました。まだスーパーシートがあった頃です。狭い機内(ほぼ満席)でカルカンを食べながら待っていると、耳を疑うようなアナウンスが入りました。

「こちら機長の○○です。ただ今那覇空港周辺の天候回復を待っておりますが、運航乗務員には決められた勤務時間がありその時間を過ぎるため、運航乗務員は飛行機を降ります。新しい運航乗務員はただ今羽田空港より向かっております。もう暫くお待ち下さい。」

そのアナウンスがあるまでに2時間、さらに別の運航乗務員の皆さんが到着するまでに3時間、合計5時間、狭い機内で待ちました。カルカン一個で…。

もちろん、機内はクレームの嵐になったのは言うまでもありません。しかも、クレームを受けるのは、交代要員も出してもらえない客室乗務員、特に責任者の方でした。

momoka
同情してしまいました (泣)。

こんな体験があったので、遅延が長引いている間、運航乗務員の勤務時間が気になっていたのです。この時点で、ラウンジには欠航のお知らせは入っていないいようでした。しかし、何があるか分かりませんので、次便以降の空席だけ確認してもらいました。JALの公式サイトで運行状況を確認しましたが、最新の情報はすぐには出ませんでした。

被雷の影響を受けた904便はどうなるのか?

以下、時系列に見ていきたいと思います。


  • 12:00

    ラウンジでは、欠航するかどうかは不明でしたが、こんなメールが届いていました。そのうち、公式サイトの「欠航・遅延情報」も以下のように変わりました。


  • 12:45

    ラウンジスタッフに再確認すると、904便の旅客はすべて次便 (906便) に振り替えとなり、906便は30分の遅延設定と案内されました。この時点で、906便の出発予定時刻になっていますが、振り替え作業に時間がかかっているようです。

  • 13:00

    ラウンジ内に、904便の欠航、全員906便に振り替えのアナウンスが入りました。何人か呼び出しがかかっていましたので、振り替えをご存じない方がいらっしゃったようです。

結果、雷を受けた影響により、904便は欠航になってしまいました。

904便でクラスJ やファーストクラスに予約していた方は、ダウングレード(払い戻し)になった方も多かったようです。スタッフの方が、「ラウンジには情報が入ってこない」と仰っていました。上級会員がたくさんいるのにね。

私は、もう一本遅い 910便 (14:05発) に振り替えてもらいました。906便 (12:45発予定) は満席ちかい客況が予想されたからです。幸い、910便の普通席には160席ほどの空席があり、ゆったり密にならずに帰ることができました。私自身、このときは余裕がありましたが、乗り継ぎがある場合はかなり焦っていいたかもしれません。

旅先では何があるか分かりませんね。
momoka

振替906便はどうなったか?

本来なら、906便の出発は12時15分ですが、新しい出発時刻は12時45分。しかし、910便 (14:05) の搭乗時、まだ906便はターミナルにいました。その後、結局1時間39分の遅れで出発したようです。

たとえ満席でなくても、1機分の旅客の座席をアサインし直し、預け入れ荷物を移動させ、離陸時のバランス計算をし直し・・・と、追加の作業はたくさんあるので、大幅遅延は仕方がないですね。でも、本来906便だったお客様にとっては迷惑な話ですが・・・。

まとめ

今回は、乗るはずだった飛行機が被雷の影響で欠航となり、振り替えられた便で帰ってきました。何百回と飛行機に乗っていますが、実際に被雷した経験は1回のみ、乗る予定だった飛行機に影響が出たのも今回が初めてでした。

航行中(多くは離陸・着陸中)雷を受けると、その飛行機は着陸後に「長時間の整備作業に入り、被害が大きく修復に時間がかかると判断されると機材が変わります。基地の空港(日本だと羽田や成田など)だと代替の飛行機がある場合は、飛行機自体が変わり(ship changeと言います)だけで済むこともあります。

しかし、那覇空港のような地方の空港では代わりの飛行機がないので、次便への振り替えとなりました。次便への振り替え作業には時間がかかりますので、乗り継ぎがある場合は、早めに次便への振り替えを申し出た方がいいようです。

ちょっとびっくりしましたが、いい勉強になりました。最後までご覧いただき、ありがとうございます。

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