トラブルが盛りだくさんの5日間のツアーでした。最後のトラブルは「預けた荷物の破損」です。 損傷した荷物は、バゲージ・クレーム・エリアを離れたあとでも対応してもらえるのか?今回、事後処理した方法をまとめてみました。
荷物の破損
貨物室へ荷物を預けた場合、バゲージ・クレーム・エリア (荷物引き取り所) のターンテーブルから取ったら、スーツケースに破損がないか?すぐに確認することが大切です。
もし破損を発見したら、バゲージクレーム・エリアにいる航空会社のスタッフに声がけして担当者に引き継いでもらい、荷物の状況を確認してもらいます。
その際、旅客情報と手荷物の情報(ブランド名、購入金額、使用回数、購入時期)、破損の詳細を記入した「手荷物損害賠償請求書」*1を作ってもらいます。
この時、搭乗券やバゲージクレーム・タグ(手荷物引き取り証)が必要になります。
でも、今回は、ターンテーブルで引き取った時の確認を失念しており、国際線に乗り継ぐ保安検査場を通過時に気づきました。
- 発生場所:バンクーバー空港(国内線)
- 航空会社:エアカナダ(AC)
カナダは手荷物の紛失や破損が多いと聞いていたので、今まであまり預けたことがなかったのですが、今回は荷物が多くなったため、カルガリー空港(YYC)からバンクーバー空港(YVR)まで預けたら・・・
(゚Д゚;)
Rimowa のルフトハンザバージョンです。でした・・・。ルフトのロゴがなくなって、そこから亀裂が入っています。どう乱暴に扱ったら、ロゴが剥がれるのか分かりませんが、なくなっています(泣)。
長い間、一緒に旅してきた分身のようなRimowa。製造中止になってしまった2輪のタイプが気に入って大切に使っていましたが、痛々しい姿になってしまいました。
空港内で手荷物の破損に気付いた場合は、空港を離れる前にエア・カナダまたはエア・カナダ エクスプレスのバゲージ・サービス カウンターの係員までお知らせください。空港を離れた後で手荷物の破損に気付いた場合は、破損した手荷物と航空券、手荷物タグをお持ちになって空港に戻り係員までお知らせいただくことを強くお勧めします。エア・カナダ – 手荷物の遅延
気づいた後「空港を離れる前に何とかしなくては!」と思って、そばにあったエアカナダのラウンジで状況を話したのですが「ゲートの係員も部署が違うので対応できない」ということでした。エアカナダ(AC)の場合、出国後のAC係員は対応してくれません。

後日修理を依頼できるか?
日本からバンクーバーへANAで到着したとき、ツアーの中の一人が「荷物が壊れていたことに後で気づいた」と添乗員さんに申し出ていましたが、「引き取ってすぐに『破損申請』しないとだめです。」と言われて何もして貰えませんでした。私も、その時までは「その場で申告しないと対処してもらえない」と思っていました。しかし、ACの公式サイトを見てみると、
手荷物の破損にお気づきの際は、国内線の場合は24時間以内、国際線の場合は7日以内にエア・カナダ手荷物サービス係員までご連絡ください。https://www.aircanada.com/jp/ja/aco/home/fly/customer-support/frequently-asked-questions.html
国内線は24時間以内!?
公式HPによると、破損した手荷物は、以下のふたつの条件どちらかに該当していて、破損証明がACに提出された場合、修理が認められる場合があるそうです。
- 破損に気付いてすぐ
- 手荷物受取後、24時間(国内線)または7日(国際線)以内に書面にて提出
私は、後者の「24時間以内」に該当しますので、破損証明をもらうことにしました。
修理に必要なもの(重要)
航空会社に修理してもらうときに必要なものは、以下の3つです。
手荷物タグが付いた状態の手荷物の写真
荷物タグはすぐに捨ててしまいがちなのですが、この時以来、家まで付けて帰ってきます。
破損箇所の写真
搭乗券
この3つはすぐに写真をとり、現物も残しておきました。
Web申請方法
エアカナダの公式サイトから申請方法を探しました。
「手荷物の遅延または破損」→「手荷物の破損」→「お問い合わせ」→「Let Us Know」で見つかりました。エアカナダの場合、国際線と国内線の違いはなく、同じ申請方法で大丈夫なようです。
accc-prod.microsoftcrmportals.com
上記サイトから、以下の手順で行いました。
step
1問題の状況
プルダウンメニューで「Baggage Issues」と「Damaged Bag」を選びます。
step
2旅客情報
英語で個人情報を記入します。
step
3フライト情報
次は、フライト情報を記入します。それぞれ、記入が終わったら「Next」で、次に進めます。
step
4破損の状況
損傷した荷物の購入時期や価格等を入れます。大体で大丈夫です。ちなみに10年以上使っているものの損傷は認めてもらえない場合があるそうです。
step
5確認画面
確認画面が出ますので、OKなら「Next」を押します。
step
6題名とメッセージ
題名を付けてメッセージを書きます。メッセージは空欄でも大丈夫でした。そして、破損個所の写真や搭乗券、荷物のタグが付いた写真を添付して送りました。
エアカナダからの返信
すぐに、自動返信メールが送られてきました。2営業日以内に返信が来るようです。ケース番号が記入されていますので、保存しておきました。この先、無償の修理が認められると、日本のエアカナダ指定修理工場へ送って修理が始まります。結構時間がかかりそう・・・。
帰国後
今回、バンクーバーの空港ラウンジでWeb申請して、後はエアカナダからの返信を待つだけでした。ただ、ANAで羽田空港(HND)に着いたとき、エアカナダ機がいるのを見つけました。

と淡い思いを抱き、HNDのバゲージクレーム・エリアにいらしたANAの地上係員に状況を説明して、ACのスタッフに連絡する方法を聞きました。とても親切な方で、エアカナダのバックオフィスまで電話をかけてくれたのですが、応答がありませんでした。
なので、ANAの係員の方にお礼を言って、出発階にあるACのカウンターに行ってみました。運よくカウンターはまだ開いていたので、状況を説明しました。
しかし、少し難航しました。その理由は以下の2つです。
- 帰国便がエアカナダでなかった
- 既に本社のほうに申告している
帰国便がエアカナダ便だと、当然ですが、日本で対応してもらえたようです(ちなみに、カルガリー空港から羽田空港までスルーバゲージにしていたら、ANAで対応してもらえたのですが・・・)。
次の旅程も決まっていて、スーツケースもすぐに使いたかったので「本社の方への申し出をキャンセルする」と再度お願いしてみると、カウンターにいたエアカナダの委託の方が、再びバックオフィスに電話して確認してくれました。
すると、今回は特別に日本で対応、修理してもらえることになりました。キャンセルはその場で自動返信のメールに送り返すだけでOKでした。後日「キャンセル了解」のメールが送られてきました。
日本での対応
ここからは、日本到着時に損傷を見つけ、空港スタッフに申し出たときと同じような対応になります。エアカナダのスタッフが損傷個所を確認(今回は写真を見せました)したあと、以下の2点を聞かれました。
- 購入日
- 購入価格
その後、書類を作成してくれました。少し古いタイプのものだったのですが、全額エアカナダ負担で修理してもらえることになりました。よかった。
その時に頂いたのは、以下の3点です。
- 手荷物修理のご案内(修理についての案内・連絡先等)
- 手荷物損害賠償請求書(複写)
- 宅急便の着払い伝票
上記のうち、空港で作成してもらった「手荷物損害賠償請求書」はスーツケースに入れて、鍵をかけずに集荷業者の方に頼んでほしいということでした。
ACの免責
カナダ国内の旅行の場合、手荷物の紛失や破損、遅延にかかる補償金額は、事前に高額申請がなされ申請額に伴う追加料金が支払われていない限り、1名につき1500カナダドルを上限とするそうです。また、期限以内に申し出ない場合や、破損が手荷物の不適切な梱包、重量超過に起因する場合、通常使用による損傷である場合は、修理対象となりません。
他のエアライン
他のエアラインはどうなのか?いくつかの会社の対応(国際線)調べてみました。
エアライン | 申請期限 |
JAL | 受取から7日以内 |
ANA | 受取翌日から7日以内 |
タイ航空 | 不明 |
カタール航空 | 受取から7日以内 |
エミレーツ航空 | 受取から7日以内 |
BA | 受取から7日以内 |
どのエアラインも、手荷物の破損に気づいた場合は、空港(バゲージクレーム・エリア)を離れる前に航空会社スタッフへ知らせることが第一の対処方法です。しかし、タイ航空(記載見つからず)以外は、後日に連絡しても、それぞれの運送約款の規定に則り補償してくれるようです。
荷物の運搬に支障がある状態のみ航空会社の責任で修理してもらえると覚えていたので、今回の亀裂はその対象だと思いました。
しかし、手荷物のカバー・着脱式キャスター・ストラップ・フック・名札・ベルトなど突起した付属品の欠損、軽微な破損(擦り傷・切り傷・へこみ・汚れ)は免責となります。なので、ルフトのロゴは直りません。
ちなみに、自分で保険会社に連絡して修理する場合も「損傷個所の写真」は撮り、利用したエアラインに申請して「手荷物損害賠償請求書」をもらっておく必要があります。
修理に出す
今回は、特別に日本で対応してもらえ、早めに修理に出すことができました。
空港カウンターやゲートにはしっかりした(はさみなしで切れる)テープがあるので、バンクーバーのANAの搭乗ゲートでテープを頂き、破損個所を覆い、機内持ち込みにしました。
自力で直すことも想定して、銀座にあるリモアのお店にメール(損傷個所の写真添付)して修理について尋ねてみました。費用は10,000円位だそうです。いつもはすぐに捨ててしまうバゲージクレーム・タグですが、今回は捨てないで持っていたことも功を奏しました。ツアーだったのですが、自分で対処したので、いい経験になりました。
修理完了
2週間後にスーツケースが段ボール箱に入って届きました。3週間位かかるといわれていたのですが、だいぶ早く届きました。きれ~いに亀裂は直っています。ロゴがなくなった後の部分は、目立たないように処理されていましたが、よく見ると少し凹んでいます。
凹んでいる部分に、この前に頂いた「B737・さくらジンベエ」のステッカーを貼ってみました。リモアJTAバージョンです(笑)。ルフトのロゴが無くなったルフト・バージョンRIMOWA、世界に一つのバージョンとなりましたので大切に使います。
2輪にこだわる理由 ~余談~
余談ですが、古いリモアを大切にする理由は、使い勝手の良さです。右の2輪・元ルフトモデル(53×36×20㎝)の後継バッグとして、左の4輪・限定ボサノヴァ(55×38×24.5㎝)を買っていたのですが、やっぱり元ルフトモデルを使ってしまっていました。
2つの大きな違いは、車輪の数だけでなく、(写真の白い矢印で示した)蓋の部分の厚さが違うことです。縦型で持つとき、(そんなに華奢なタイプではありませんが)この厚さの違いで、持った感じが全然異なるのです。右だと片手で軽々持てます。この蓋の薄さが2輪リモアの特徴でしたが、生産中止になってしまったので、これからはもっと大切にしていきます!
まとめ
家に帰って荷物の破損を見つけた場合、発生日時より24時間(国内線)もしくは、7日(国際線)以内であれば、Webや電話などで申請できることが分かりました。しかし、一番スムーズなのは、空港で見つけてその場で書類を作ってもらうことです。
今回は特別に日本で対応してもらいましたが、本来ならもっと時間がかかっていたと思います。イレギュラー対応をして下さったエアカナダの日本地区スタッフさんに感謝するとともに、いい経験になりました。
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最後までご覧いただきありがとうございました。
*1:航空会社によって名称は違います。