flower Japan Kochi

北川村「モネの庭」マルモッタンの睡蓮と花に癒される旅 ~高知県にあるモネの世界~

2021-05-29

高知県北川村にある、モネの庭マルモッタンは、光の画家クロード・モネが愛したフランス・ジヴェルニーの庭と、地中海の風景を北川村の自然の中で再現した庭園です。

モネの庭と名前が付く場所は、世界に2つしかありません。単なる模倣ではなく、北川村の自然を生かしたモネの世界を日本にいて見る体感できる場所です。

今回は、この北川村「モネの庭」マルモッタンをご紹介したいと思います。

モネの庭

この庭は、モネがこよなく愛したフランス・ジヴェルニーの庭をモデルに創られています。

色とりどりの睡蓮とゆらめく水面、太鼓橋や藤棚、バラのアーチ、混ざり合う光と花の色…

庭を散策すると、彼が描いていた風景をかいまみることができます。

水鏡に映る木々や草花の美しい様子は、北川村のまぶしい光と青い山海を背景に四季折々の自然模様を描きだし、草木の成長とともにその姿を変えていきます。

モネの庭とは

 

北川村「モネの庭」マルモッタンは、単なる模倣ではありません。本家「モネの庭」の公認を受けるほどその完成度は高く、高知の自然とうまく融合させています。

ジヴェルニーにあるモネの庭までスタッフや村民が何度も足を運び、苗の移植などの地道な取り組みよってつくられ、2020年4月19日には、開園20周年を迎えました。

世界に2つしかない場所と言えば、ムーミンワールドを思い出します。北川村「モネの庭」マルモッタンもそこと同じように、うまく翻訳されているのです。

また、北川村「モネの庭」マルモッタンでは、極力、農薬など使わず、人のチカラで病虫害から花・木を守ることで次世代に悪影響を残さないように努めています。

園内は花の庭、水の庭、ボルディゲイ (旧・光の庭) に分かれており、まるでモネの絵画の中を歩くかのように楽しむことができます。

一般的な見学にかかる時間は、1時間半~3時間くらいだそうです。

詳細

  • 開園時間:9:00~17:00(最終入園 16:30)
  • 休園日: 6月~10月の第1水曜日/12月1日~2月末日

最寄りの駅・くろしお鉄道の奈半利 (なはり) 駅から、バスでやって来ました(アクセスについては次回ご紹介したいと思います)。

くろしお鉄道・ごめん・なはり線1日観光乗車券を持っていると、入場料金 (現金のみ) が100円引きになります。

2012年より Hugues R.Gall(ウッグ・ガル)氏(クロードモネ財団・理事長)のご厚意により、この入園券の半券が、フランス・ジヴェルニーの「モネの庭」の入園券としても使えるようになりました。

フランスと日本の共通入場券ってすごくないですか!?

北川村「モネの庭」マルモッタンは、チケット売り場の前に駐車場が広がっています。この駐車場を挟んで「水の庭」「ボルディゲラの庭」と「花の庭」に分かれています。

 

momoka
まずは、睡蓮(すいれん)の花が見られる「水の庭」から歩いてみます。

 

水の庭

モネと言えば、睡蓮 (すいれん)。

北川村「モネの庭」モルマッタンにも水の庭があり、色とりどりの睡蓮の花が浮かんでいます。

太鼓橋や藤棚・柳に竹、浮世絵の影響を受けたモネの日本を感じる庭は晩年彼をひきつけて止まないものでした。

光と、それによる水の反映、時間により移り行く色彩。その風景は多くの作品として生まれました。

モネの絵画の中でも代表作となった「睡蓮」。

そのスイレンが色とりどりと咲く池でモネの描いた風景に出逢ってみてはいかがでしょう。

モネの庭

睡蓮が浮かぶ池の上に、小さな橋が架かっていました。そこから見る景色は・・・

息を呑みました。

一瞬、ジヴェルニーにいるかと錯覚するくらいの景色でした。

「水の庭」の見頃は、4月下旬から10月下旬。モネが愛した青い睡蓮の見頃は、通常6月下旬から10月下旬です。

しかし、今年は梅雨に早く入ってしまったため、青い睡蓮がいつ咲くのかは、まだ分からないようです。

ここで咲いている睡蓮のほとんどは、連作「睡蓮」の舞台となったジヴェルニーのモネの庭から株分けされたものだそうです。

橋の上は藤棚になっています。

モネの庭は、モネの世界を忠実に再現しているので、絵画と同じような場所があります。

この仕掛けも、とても楽しかったです。

睡蓮の花は水に浮いており、午後には閉じてしまいます。なので、花を見る際には、午前中に行くことをおすすめします。

8月中旬、多い時には、全部で300輪ほどの花で水面が彩られるそうです。8月になったら、また見に行ってみたいと思います。

池の周りの道は整備されていて、ぐるっと一周できます。

池の周囲には、柳や桜(ソメイヨシノ)といった、日本でもなじみ深い樹木を中心に色鮮やかな草花たちが配されており、その途中には、バラのアーチがありました。

日本の自然と西欧文化の融合といった感じですが、全く違和感はありません。

反対に、印象派クロード・モネならではの感性の庭という印象を受け、モネの絵画に迷い込んだ気分になりました。

反対方向から太鼓橋方面を見たところです。

また別の角度からは、バラのアーチと睡蓮を見ることができます。

少し離れた所に、ボートがありました。

どこから見ても、絵画のような世界が広がっています。

週一回は、池の掃除をするようで、ちょうどその日にあたりました。

しばらく見ていましたが、とても大変そうです。

でも、この作業があるからこそ、奇麗な池が保たれているのでしょうね。

池の庭のそばから、丘に上るための遊歩道がありました。ここだけ見たら、海外の森を歩いている感じです。

この日の気温は20℃くらいと表示されていましたが、湿気が多い日だったので、緩やかな登り坂を歩いていると結構汗ばみました。

 

でも、途中、かわいい花を見ながら歩くので、きつくはありません。却って、楽しくて仕方がありませんでした。

 

ボルディゲラの庭

「ボルディゲラの庭」は光り輝くモネの作品から発想した、世界で1つの庭です。

2008年、北川村「モネの庭」マルモッタンでは、モネがボルディゲラの旅に材を取った作品とその地中海の世界をテーマにした世界でもはじめての「光の庭」を出現させました。

しかし、12年という長い年月により、地中海の乾いた世界観が薄れてきたことに伴い、2020年、20周年記念事業として、その輝きを取り戻すために「光の庭」を全面リニューアルしました。

モネの作品、ボルディゲラ、地中海の世界をもう一度見つめ直すことにより、「光の庭」は美しい地中海の光と植栽とモネの作品を感じることのできる「ボルディゲラの庭」として生まれ変わりました。

ボルディゲラの庭

この場所は、フランスのジヴェルニーのモネの庭にはありません。

モネの後半の画家人生に大きな影響を与えた、地中海に面した町・ボルディゲラの風景を表現したそうです。

高台にはカフェのようなものもありました(現在、営業しているかどうかは不明)。

北川村の起伏に富んだ地形を利用して、ヤシやオリーブなど地中海を彷彿される植栽が見られました。

水の庭とは全く違った趣の場所です。

ただ、石や樹木だけで構成されているのではなく、かわいい花も咲いています。

 

丘へ続く遊歩道

 

さらに小道を登ると、「自然の森」の中を行く遊歩道があります。その先には、見晴らしのいい風の丘展望台、片道30分ほどの散策コースです。

高知の自然そのままの姿が息づく遊歩道、途中、ゆず畑がありました。

果実から採られた精油は、いつも使っていますが、花は初めて見ました。

ユズ

  • 科名ミカン科
  • 属名:ミカン属

ミカン科の木にはアゲハ蝶が寄ってくると聞いたことがあるのですが、この日も、アゲハ蝶がユズの木の周りを飛んでいました。

いつか、このモネの庭から採れたユズの精油ができたらいいなぁ・・・と思いながら眺めていました。近づくことができないので、香りはお預けです。

 

 

風の丘展望台

風の丘展望台に来たとき、汗が吹き出しました。

なので、しばし休憩。開放的な場所で一人(貸し切り状態^^)海からの心地よい風を受けながら休んでいました。

お天気がいいと、青い海をバックに、ふもとの町が一望できそうです。

行きと帰り、違った道を歩いて下りました。道は整備されているので、雨の日でも歩けそうです。

 

花の庭

なんとかもっていた空模様も、ここで限界・・・お昼過ぎに雨が降ってきました。

少しうつむき加減になった、雨に濡れたバラの花も、また違った趣がありきれいでした。

カフェやお土産もの屋さん等の建物の前に、花の庭が広がっています。この光景、ちょっとジヴェルニーの花の庭に似ている気がしました。

ところで、現在、世界には30,000品種ものバラがあります。

しかし、バラの野生種は、もともと世界に100~150種類しかありませんでした。この200年の間、人間の手によって交配などが繰り返され、多くの品種が作り出されたのです。

今のバラ(モダンローズ)は、自然に変化したものではなく、時代とともに人の手が加えられた結果生まれたバラなのです。

そのバラの繁栄には、8つの原種がヨーロッパで注目され、交配に使われました。そのうち3種は、日本のバラだそうです。

 

ノイバラ

wikipedia/ノイバラ

原種の一つ、ノイバラ(野茨、学名:Rosa multiflora)です。

ノイバラは、バラ科の落葉性のつる性低木で、ノバラ (野薔薇) とも呼ばれています。

沖縄以外の日本各地の山野に多く自生し、枝に鋭いトゲがあるためこの名前が付いたようです。

ノイバラの特長は、多数の白色の花を枝の端に房状につけます。白色の若干乱れた形の5弁花で野趣があり、花びらは先端が浅いハート形の凹んだ丸形です。そして、やさしい芳香があります。

花が終わったあとには赤い果実がなり、その果実は、利尿や便秘の治療に薬用されています。

参考:wikipedia/ノイバラ

 

ところで、1867年、パリ万国博覧会を機に、ジャポニズムとして、日本のあらゆる文化(工芸、着物、浮世絵、植物)が熱狂的に受け入れられてきました。

その頃「ノイバラ」の種も持ち込まれたそうです。

最初のモダンロースの品種「ラ・フランス」が世に出た8年後の1875年、全く異なる特徴を持つ「パケレット」という花が生まれました。この「パケレット」は、日本のノイバラの種が元になっているそうです。

ノイバラから生まれた初めてのモダンローズは、大輪ではない小さな花、そして密集というモダンローズの新しい系統を生み出しました。

京成バラ園にて撮影

上の花は、ノイバラを元に、日本で生まれた「天の川」です。

日本のバラの特長を受け継いでおり、日本の美を表すのにぴったりだと言われています。ちなみに、1963年のドイツハンブルグ国際コンクールで銅賞を受賞しました。

 

momoka
北川村「モネの庭」マルモッタンと、このノイバラはどんな関係があるのでしょう?

 

ヒントは、バラのアーチです。

答えは「バラのアーチが生まれたきっかけとなった」です。

19世紀末のヨーロッパでは、新しいバラの楽しみ方が生まれました。それが、立体的なローズガーデン、大きなバラのアーチです。

ノイバラが持つしっかりした棘、高くまで伸びるツル、それらのお陰で立体的なアーチができるようになったのです。

つまり、ノイバラがなければ、バラのアーチはできなかったのです。

花の庭の入り口にあったアーチには、ノイバラらしいバラが見られました。

足元から頭の上までバラに包まれた空間を歩くことができるのは、万葉の時代から日本に咲くノイバラのお陰なのです。

 

さいごに

世界に2しかない、モネの庭。

JALの機内誌の特集で見かけて、いつか行きたいと思っていたのですが、ちょうどバラの季節に行くとこができました。

今の時季ならアジサイが咲いているかもしれません。

ところで、5月28日の夜、TBSの番組『日立 世界ふしぎ発見!』で、モネの庭の誕生秘話を紹介していました。

ジヴェルニーで咲かすことができなかった青い睡蓮の花を咲かす約束。見事に咲かすことができましたね。いつか、本物を見てみたいです。

本家フランスのジヴェルニーのモネの家と庭のようすも、どうぞ。

花咲き乱れる庭園でモネの世界に浸る旅 ~フランス・ジヴェルニー~

フランスの郊外の町・ジヴェルニーにあるモネの家と庭園への旅行記です。

続きを見る

 

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

 

-flower, Japan, Kochi
-,