2023年のJALステイタス維持を目指して、修行を始めました。
費用対効果を考えると、主に利用する路線は「羽田」ー「那覇」です。
そうすると、今年一年最もお世話になるのは、A350-900という大型の飛行機になりそうです。
今回は、JALのA350 の機材や機内について、ちょっとオタク目線でご紹介いたします。
A350-900

A350-900(以下、A350)は、ヨーロッパの航空機メーカー、エアバス社が手掛ける旅客機です。
全長66.8m、全幅64.75m。
2022年現在、JALでは、ボーイング777-300に次ぐ大きさを持つ旅客機です。
海外の航空会社が国際線に導入するなか、JALのA350は(今のところ)国内線だけに就航しています。
初号機

ところで、飛行機には、導入された順に独自の番号(機番)が付いています。
上の写真の飛行機の機番は "JA01XJ" 、"01”なので、JALにおけるA350の初号機です。
ちなみに、2号機は "JA02XJ"、3号機は "JA03XJ" と、順に数字の部分が増えていきます。
初号機は、2019年6月14日、フランスから羽田空港に到着して、そのほぼ3ケ月の9月1日に初フライト(福岡行きJL317便)となりました。
初号機には、JALの鶴丸と「A350」と書かれた赤い文字が浮かんでいます。
A350は、この導入初号機から3号機までは、このような特別塗装機となっています。
なので、A350の初~3号機までは、機番を見なくても、外観に書かれている「A350」の文字の色で区別することができるのです。
- 初号機:JALのシンボルカラーであり「挑戦」を表わす「レッド」
- 2号機:「革新」を表わす「シルバー」
- 3号機:地球環境に配慮し持続的な成長を目指す「エコ」の「グリーン」
最新鋭機も魅力的ですが、初号機という響きにも惹かれます。
この日の "JA01XJ" は、修学旅行生の搭乗があったので、ほぼ満席での出発です。
4号機

4号機の JA04XJ は、特別塗装機「嵐ジェット」の6代目となりました。
運行期間は、2019年11月~2021年1月。
機首に向かって(機体の)右側には、9年前の初代嵐ジェットに描かれた「嵐」が大きくなって再塗装されています。
写真にある左側には、2019年現在の5人が描かれており、嵐の過去と現在を比較できる機体となっていました。
ちなみに、現在の4号機は、普通の塗装に戻りました。
6号機

A350の6号機は、特別塗装機「みんなのJAL2020ジェット」3号機となりました。
東京オリンピック塗装の金の鶴丸が話題となりましたね。
15号機

JA15X !
20022年2月17日に到着したばかりの、新しい飛行機です。
JALのA350で、初めてのワンワールド塗装機となりました。新しい飛行機の内部は、新車のような香りがします。
A350の特徴
ところで、A350にはいくつかの特徴がありますが、特に目立つのは外観、そして燃費のよさです。
外観に関しては、B777-200と比べてみましょう。
外観

上の写真は、現在国内線に導入されている、B777-200(国際線機材)。トリプルセブンと呼ばれている飛行機です。

そして、こちらがA350。
見た目の大きな違いは、コックピットの窓が黒く囲まれていることと、翼の先にある「ウイングレット」が、曲線状に上に反り返るタイプとなっていることです。
窓の黒塗りは、プロ野球選手がデイゲームの際に目の下を黒く塗っているのと同じ理由で、まぶしさを軽減させるためだそうです。
A350は、ちょっとタヌキ顔のかわいい顔をしています。
タヌキ顔の上(写真の左上)に絆創膏が貼ってあるように見えるのは、コックピットの非常時の脱出口です。
B777はコックピットの窓が開くので、この脱出口はありません。
燃費
A350の燃費は、前世代機より25%も優れているそうです。
燃費が良い理由の一つとして、軽くて高い強度を持つ炭素繊維の採用があります。
A350の場合、日本の帝人株式会社が開発した「テナックス™熱可塑性樹脂積層板(TPCL)」が採用されており、燃費改善に一役かっています。
テナックス™TPCLは熱可塑性ポリマーでコートされた数枚の炭素繊維の布の層で作られた含浸硬化シートです。
テナックス™カーボンファイバーと高性能ポリマーマトリックスシステムに基づいたテナックス™TPCLは優れた機械的, 化学的, 熱的特性を示します。
Teijin Carbon
このTPCLは、A350の構造用コネクターとしてブラケットとクリップが使用されています。
従来のスチールの部品と比べて、その重さは4分の1程度になるそうです。
1機当たり数千個単位で使用しているため、機体の軽量化に影響を与えており、燃費効率の改善に繋がっています。
JALの試算では、国内線で1機飛ばすと年間で約2億円のコスト削減ができるとか(2022年2月現在)。
現在15機導入されているので、30億円のコスト削減に繋がりますね。
機内座席配置
JALのA350は、ファーストクラス、クラスJ、そして普通席の3つのクラスで構成されています

13号機までの標準席数は369。
クラスJが多めの座席配置です。

14号機と15語号機は、普通席が増え、391席となっています。
これは現在運航中のJALの国内線仕様機のなかで、いちばん多くの旅客を運ぶことができます。

「日本の空に新しい快適を」をキャッチフレーズに導入されたA350は、(従来の飛行機に比べて)機内の湿度が高く、さらに新開発エンジンにより機内が静かだと言われています。
しかし、エンジンのそばは、やはりうるさかったです。
非常口のドア

大型機のドア(非常口)は、通常、客室乗務員が内側から操作することはありません。
ただし、緊急脱出時には操作しなくてはならず、その際、ドアに付いている窓から機外の状況をチェックします(もちろん、この窓を通して、地上係員とのジェスチャーによるやり取りも行われます)。
エアバスの非常口の窓は、ボーイングの大型機の窓と比べると、小さめです。

A350では、半分から下が拡大鏡のようになっていました。
拡大鏡があることで、機外が見えやすくなっているみたいですね。
次は、A350(国内線)の内部をさらにみていきましょう。
ファーストクラス
内装は英タンジェリン(tangerine)社が監修しており、日本の伝統美を意識したデザインとなっています。
前方入り口部分にはJALの鶴丸ロゴがあり、そのすぐそばがファーストクラスです。
ファーストクラスは、2席ずつの配列となっています。
一番前の窓側の座席は個室感覚があるのですが、マガジンラックが隣の方と共有となっています。

濃いグレーを基調にして、ワインレッドの差し色が美しい座席。
ひじ掛けの部分に、メニューカードとアルコール除菌シートがセットされていました。
テンピュールのクッションも用意されています。
以前は、毛布も座席にセットされていたのですが、コロナ禍では、リクエストベースに変わりました。
大型モニター

JALのA350は、胴体下部、そして垂直尾翼の2か所にカメラがついています。
鳥の目のようにリアルタイムで機外の映像が見れるバードアイカメラ。
このカメラが映し出す機外の景色は、座席の前方にある国内線最大級の15.6インチモニターで楽しむことができます。
この日はもやがかかっていたのですが、1時の方向に富士山が見えました。
垂直尾翼からの映像は、飛行機と一体となって飛び上がる感じがあり、普段とはちょっと違った風景も楽しめます。
食事と飲み物

2月の羽田発の朝食。
朝食ですが、ボリュームもあります!
朝から焼酎のロックとともに、美味しくいただきました(^^)
ファーストクラスの辛口搭乗記は、こちらをどうぞ。
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【搭乗記】コロナ禍のJAL国内線・ファーストクラス ~お味噌汁が熱々の便はサービスが良い?!~
コロナ禍での、JAL国内線・ファーストクラスの搭乗記です。
続きを見る
クラスJ

クラスJの座席配列は、2-4-2 です。
こちらの座席も、落ち着いた色合いです。

一番人気は、各客室一番前の席のようです。
足が延ばせるだけでなく、窓側の座席は、ファーストクラス同様に少し個室感覚になります。
急な機材変更
ところで、ある日、Seat Alerts という空席を確認できるアプリを見ていると、なぜか前方だけにアサインが偏っていました。
後方がガラガラです。

現在、JALのA350のクラスJには、2種類の座席配置があります。
- X-11:5~11番
- X-12:5~19番
どの飛行機がどの路線を飛ぶかは、前日までに決まります。
しかし、何らかの理由で、当日、使用する飛行機が変わることがあります。
その場合、指定していた座席が変わってしまうこともあります。
この日は、「X-12」から「X-11」に急に変わったため、クラスJの後方がガラガラとなってしまったのでした。
なので、ガラガラの後方を選び直しました。

この日はアップグレードの方も少なく、隣が空席のゆったり空間で2時間寛ぐことができました(^^)
普通席

普通席は、3-3-3の配列で、比較的ゆっくりしています。

一番前の席、もしくは非常口座席やバルクヘッド前の座席は、足元が広くて、さらに寛げます。
個人用画面は小さくなりますが、ほぼ目の高さにあるので、疲れずに映画を見ることができました。

機内のお手洗いは、前方に1つ、クラスJに2つ(うち1つはユニバーサルデザイン)、最後方に3つあります。
ボーイングの飛行機だと、普通席の真ん中あたり(ちょうど翼のあたり)にもお手洗いがあるのですが、A350にはありません。
普通席だと一番後ろまで行かなくてはならないので、これだけがちょっと不便です。
余談ですが、ジャンプシート(客室乗務員席)のシートベルトがはみ出ているのが気になります(笑)
さいごに
今回は、JALのA350について(ちょっとオタク目線で)お届けしました。
いかがでしたでしょうか(オタクという言葉はまだ生きているのかしら?)。
個人的には、映画を見ながら飛行機の旅を楽しめる点が一番気に入っています。

今年も、A350に乗ってたくさん行くであろう那覇空港。
3月3月は、ゲートの一部が飾られており、担当スタッフの方がピンクのジャケットやブラウスを着ていました。
那覇はまん延防止等重点措置が解除されたとはいえ、まだまだ大きなイベントはないようです。
でも、こういった心遣いは嬉しいですね。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。