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JR九州「ゆふいんの森」は、福岡・博多駅と大分・由布院駅、別府駅を結ぶ特急列車です。
落ち着いたグリーンの車体、レトロな客室内、心のこもったおもてなし等、JR九州の列車の中でも特に人気が高いのですが、気軽に乗れる値段設定も魅力のひとつのような気がします。
今回はJR九州の「特急ゆふいんの森号」での旅を、ご紹介いたします。
※2021年の旅行記です。
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JR九州のD&S
JR九州には、デザインと物語のある列車で九州を楽しむという、D&S (デザイン&ストーリー) 列車というものがあります。
「特急ゆふいんの森号」は、そのD&Sの一つです。大変人気のある列車、かつ全車指定席なので、旅程が決まったら早めに予約したほうがいいようです。特に、運転室越しの車窓が楽しめる、再前方と最後尾のそれぞれ4席はすぐに埋まってしまうそうです。
列車のタイプ
「特急ゆふいんの森号」のデビューは1989 (平成元) 年。
JR九州が誇る観光列車の先駆け的存在です。
「特急ゆふいん森号」の車両は、2つタイプの列車が存在します。
種類
・ゆふいんの森Ⅰ世:1989年~
・ゆふいんの森Ⅲ世:1999年~
新旧車体ともヨーロッパの列車を彷彿とさせる雰囲気ですが、Ⅰ世は、内装に木材を多用することで「レトロ・クラシック」のテイストが色濃く出ています。
ゆふいんの森Ⅲ号は、豪華列車「ななつ星in九州」や「或る列車」なども手がけた水戸岡鋭治さん (工業デザイナー) がデザインした列車だそうで、ウッド調を踏襲しつつ、よりモダンでスタイリッシュな雰囲気をかもし出しています。
なお、Ⅰ世は(ネットニュースによると)2031年に新造車両に入れ替えになるとか。


上の写真の左が新しいⅢ世、そして右が30年以上走っているⅠ世です。見た目の大きな違いは、金色のラインが入っているかどうかです。
サービスのの違いは、Ⅲ世はワゴンサービス (車内販売) があり、Ⅰ世は、手配りでした。
予約方法
予約は、JR九州の予約サイトで行います。
事前に、新会員登録やクレジットカードを登録しておくと便利です。
事前準備
・JR九州のネット予約サイトで新規会員登録&ログイン
・Web会員ページ→マイページ→「クレジットカード登録・変更」で事前にクレジットカードを登録
事前予約サービスが出来る日は、薄い水色のマスの部分 で、午前10時に更新されます。
事前予約申込の段階では「コンビニ・ATM」「駅・窓口」払いの選択はできず、クレジットカードの決済のみです。決済ページでクレカの情報入力に手間取ると遅れを取るので、事前に登録しておくといいですね。
みんなの九州きっぷ

2021年に利用したとき、私は指定席が6回まで利用できる「みんなの九州きっぷ」をネットで購入して、福岡に入った日にJR博多駅のみどりの窓口で予約しました。
ゆふいんの森Ⅰ世
ゆふいんの森Ⅰ世に乗ったのは、博多駅です。博多駅から久留米駅、日田駅を経由して、由布院駅まで2時間ちょっとの列車の旅を楽しむことができます。
コロナ以前だと、車内でのお弁当も楽しみの一つだったでのすが、このときは、お弁当の販売は予約のみとなっていました。
メニュー

今回、気が付いたのが遅くて申込期日を過ぎていまいました。なので、早めに予約することをおすすめします。
車内のようす

かなり久しぶりの「ゆふいんの森」です。

最後尾の車両でした。落ち着きのある、とても綺麗な車内です。
貸し切り!?と思ったほど、しばらくはどなたもいらっしゃいませんでした。
出発前には人が増えましたが、それでも、この車両では私を入れて8人くらいでした。

Ⅲ世のおすすめの場所、木のサロンスペースです。

出発してすぐは誰もいない状態だったので、しばらくこちらでのんびりすることにしました。


お弁当は予約制ですが、カフェには、おつまみやスィーツ、ゆふいんの森グッズは、予約なしで購入できました。

乗車前に駅のホームでお蕎麦を食べ、お腹いっぱいなので、「ゆずみつスカッシュ」だけいただくことにしました。
ゆずみつスカッシュ
由布院の老舗旅館「玉の湯」の中にある「ティールーム ニコル」の直伝レシピで作られています。大分県日田市から届く柚子みつを使用した、すっきりとした味わいが特徴です。


サロンには、客室乗務員の皆さんが作られた観光ファイル等がありました。折り鶴弁当が食べたかったなぁ。
観光ファイルには、行きたいお店が紹介されていたので、i-phoneのメモ機能 (書類をスキャン) を使って保存させてもらいました。こうすれば、ガイドブックを持たなくても情報を保存しておけますね。

サロンで一人でいると、門司車掌区の乗務員の方が声をかけてくださり、記念乗車証やステッカーもいただきました(^^)
乗客とお話しするのも乗務員さんのお仕事の一つということで、いろいろお話ししてくださいました。
初めてですか?と質問されたので『ほぼ30年ぶりなのですよ』と答えると、『今乗られているのが、30年前に乗られた列車ですよ』と教えてくれました。
伺わないと知らないで降りてしまったことなので、教えていただいて、ほんとうに感謝しています。

記憶をたどると、30年前は、3人でボックスシートに座ってお弁当を食べた気がします。こちらは、3名利用の場合でも、1席は空席扱いにしてもらえるそうです。
当時、お弁当や飲み物を注文すると、客室乗務員の方が座席まで運んできてくれました。ただ、かなり揺れる車内です。床がフローリング、かつパンプスなので、サービスは本当に大変そうでした。
乗務員の方とのお話しは楽しかったのですが、すこし混んできましたの、座席に戻ります。
車窓からの風景

ゆふいんの森は、「平成29年7月九州北部豪雨」の影響で約1年間、小倉・大分経由で運行されていましたが、久大本線が復旧し、高原リゾート列車の醍醐味を再び味わえるようになりました。
新旧ともに、「ゆふいんの森」は、窓と座席を高い位置に設けた「ハイデッカー構造」のため、高い視点からのダイナミックな風景を楽しめるのが魅力です。
観光名所では、アナウンスが流れます。この日は、次の日に一人立ちする乗務員の方が乗られていて、アナウンスをされていました。
『アナウンスはいかがでしたか?』と尋ねられたので、『とても聞きやすかったです』とお答えしました。一生懸命に練習されたのでしょうね。丁寧で分かりやすいアナウンスでした。

最前部と最後部には展望席もあります。座席はうまっていますが、通路からも180℃広がる大パノラマを見ることができます。
運転台が客室よりも低い位置に置かれているので、車窓の景色だけでなく運転席の様子もよく見えるのです。

ちなみに、トンネルに入ると、車内では電気が点きますので、また違った雰囲気となります。

上の写真は天ヶ瀬温泉付近です。地元のあまがせ276GO (にいななろくごー) の皆さんが手を振ってくれていました。
活動は、天瀬を訪れる観光客や列車の利用客におもてなしの心を伝えようと、駅周辺の住民らが2009年から始め、同グループ (市民グループ・あまがせ276GO)が活動を引き継いだ。
ほとんど毎日午前9時~午後5時、駅に到着した「ゆふいんの森」や「ゆふ」を笑顔で出迎え。出発する際には大きな声で「行ってらっしゃい」と手を振っている。
上の活動は、JR九州社長賞も授与されたそうです。
このあと(博多から由布院に向かう場合)、天ヶ瀬駅を出たら右側 (D列側) には、2段落としの滝・慈恩 (じおん) の滝が見えてきます。
この滝は、滝の周りを1周する遊歩道があり、流れ落ちる姿を裏側から見ることもできるので、天ケ瀬駅で下車して観光するのもいいかもしれません。
復旧も進んでいるので、次回は、こちらの温泉宿に泊まろうと思っています(こちらも15年ぶりくらい)。

豊後森 (ぶんごもり) 駅のすぐ横、博多から向かう場合は右手 (D列側) に「豊後森機関庫」が見えてきました。
かつて、久大線の重要な中継ポイントとして栄え、機関車の車庫が置かれていました。
蒸気機関車が姿を消しこの車庫も廃止されましたが、現在でも、機関車を車庫に導く転車台(扇形の機関庫)が残されています。
こちらは、国の登録有形文化財、近代化産業遺産にも認定されています。
ゆふいんの森Ⅲ世


途中で、ゆふいんの森Ⅲ世とすれ違いました。
次の日に乗って分かったのですが、ゆふいんの森Ⅲ世はⅠ世が通り過ぎるのを停車して待っていました。
由布院駅

定刻に由布院駅に到着しました。列車は、この先別府まで進みます。
最後にお見送りをしていると、車内でお世話になった乗務員さんが、去り行く列車の窓から手を振ってくれました。
写真を撮っていたはずが、なくて・・・、ちょっと残念。でも、記憶にはしっかり刻まれました。
ゆふいんの森Ⅲ世

次の日は熊本へ行くため、久留米までゆふいんの森に乗ります。
今度は、ゆふいんの森Ⅲ世。出発時刻の30分くらい前に、列車が入ってきました。このゆふいんの森Ⅲ世は、博多からやって来て、ここ由布院で折り返しになります。
乗客が全員降りた後、清掃するのですぐには入れませんが、結構長い間列車を眺めることができました。

予約は4号車なのですが、5号車から入ってみます。

ゆふいんの森Ⅲ世の4号車は、(前回の乗車で)「一番新しい車両」だと教えてもらい、楽しみにしていました。
他の車両とは違い、植物をモチーフにした座席が並んでいます。
この車両は、2015 (平成27) 年に増結されました。他と違ってエンジンを載せていないので、室内がとても静かなのも特徴だそうです。

フローリングの床は変わりませんが、座席の細部までオシャレです。


他の車両の座席と違って、テーブルは肘掛けの部分に収納されています。

テーブルを出してみました。湯布院の金鱗湖のそばで買ったクロワッサンとコーヒーが、この日のランチです。

ところで、他の車両の荷物入れは蓋つきですが、こちらは棚スタイル。大昔の機内でハットラックと言わていたタイプです。
飛行機のハットラックは、荷物を入れるものではなく、文字通りハット (帽子) を置いておくためのものだったそうです。離着陸時に移動しなかったのかしら?

こちらは荷物置き場のようですね。

ボックスシートもありました。

オープン前のカフェ。今回は持ち込みをしたので利用しませんでした。
展望室

先頭車両のようすです。木の荷物入れが素敵ですね。
この車両が一番混んでいました。と言っても10人くらいでしたが。土日は人出が戻ってきたようですが、外国からのツアー客がいなかったので、静かに列車の旅を楽しめました。
オリジナルキャンディ

ゆふいんの森のロゴマークが入ったオリジナルパッケージのキャンディをいただきました。無着色で体に優しいキャンディです。
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さいごに
九州は、地域に個性があり、旅することが楽しくなります。さらに、D&Sのような列車で訪問すると、途中のワクワク感も増しました。
列車だけ、観光地だけ、宿だけ・・・ではなく、全てが繋がっていると、旅が2倍にも3倍にも楽しくなります!ゆふいんの森号は、その先駆者であり、代表的な列車だと思います。
移動手段として便利なだけでなく、乗ることそのものが忘れられないイベントになるD&S列車の旅。
30年以上も前にデビューしたとは思えないきれいなゆふいんの森Ⅰ号、そして、まるで森の中にいるかのような雰囲気のゆふいんの森Ⅲ号。とても思い出深い列車の旅となりました。
最後までご覧いただきありがとうございます。