Japan 栃木

まるで博物館! ザ・リッツカールトン日光 宿泊記① ”アートツアー”

2023-06-10

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「旅とアロマ」にお越しくださり、ありがとうございます。

夫の永年勤続をお祝いするため、日光にあるザ・リッツカールトン日光に宿泊しました。リピーターも多く、1度泊まるとまた泊まりたくなるホテルとして有名なホテルですが、どんな体験が待っているのでしょうか。

第一弾は、ザ・リッツカールトン日光のアートツアーを中心に、館内のようすをご紹介いたします。

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ザ・リッツカールトン日光

ザ・リッツカールトン日光は、中禅寺湖畔に、2020年に開業しました。

中禅寺湖畔が、明治時代中頃より西洋人の外交官や高官によって避暑地として親しまれてきた独特の文化を発展させてきたことを受け、西洋と日本の建築デザインが調和した「奥日光の自然と調和する邸宅」をデザインコンセプトに建てられたホテルです。一歩敷地に入ると、この地が持つ、自然の美しさにゆったりと浸ることのできる空間が広がっています。

全94室と比較的少ない客室数ですが、日光中禅寺湖や男体山を臨める部屋もあり、レストランやバーラウンジ、温泉、フィットネスなどを備えたラグジュアリーリゾートです。 

詳細

・アクセス: JR日光駅もしくは東武日光駅から東武バス(約40分)
      タクシー(約30分)

・チェックイン: 15:00~
・チェックアウト: 12:00

今回は、東武日光駅からバスで移動しました。

ホテルのすぐそばに降車用のバス停があるので、便利です。なお、帰るとき(乗車)のバス停は、徒歩3分ほど歩いた場所にある「㉖中禅寺温泉」です。

エントランス

隠れ家のような扉を入ると、建物に繋がる小径がありました。森の中の隠れ家のような佇まいは、自然との調和が美しい!ちょうど、新緑の季節でしたが、秋には紅葉、さらに冬には雪景色が楽しめるのでしょうね。

日光国立公園内の中禅寺湖湖畔に立っているザ・リッツカールトン日光は、外装からして一味違います。

窓まわりの四角い枠は、地元を象徴する木材であるスギが用いられています。壁面も一見スギ下見板張り (*) に見えますが、実際は、銅板に硫化いぶし処理を施し、下見板張り風に葺いたものです。かつて中禅寺湖畔にあった木造別荘の下見板張りを手掛かりとしつつ、耐久性を高めるため(足尾銅山のある精銅所が近い立地であることから)銅板を用いているそうです。

*下見板張り:建物の外壁に長い板材を横に用いて、板の下端がその下の板の上端に少し重なるように張ること。

終日⛅の予想でしたが、ときどき青空が見えました。

東京に比べると2,3℃低い体感温度。日光の天気は変わりやすいと聞いていたのですが、この日はいい方向に変わってくれました。なお、この辺りの天気予報は、中禅寺湖で調べるといいようです。

上の写真は、ロビーのあるメイン棟(白い建物)とリバーサイドガーデンビューの建物です。

敷地が国立公園内のため、建物の高さは20mに抑えられており、ザ・リッツカールトン日光は、鉄筋コンクリート造・4階建てで3棟で構成されています。既存の樹木を保存、移設するなどして約100本残したそうで、建物は既存樹木を縫うように置かれているため、まるで森の中のホテルのようでした。

ホテルのエントランス。派手さはありませんが、石造りの高級感ある佇まいです。

スタッフの方が、私たちの姿が見えるとすぐに駆け寄ってくれ、チェックインの案内をしてくれました。

≪男体山の火山≫

ところで、ザ・リッツカールトン日光の館内には、3つの男体山(アート作品)があります。

一つ目はこちら、エントランスにある ≪男体山の火山≫ です。数トンもあるこの作品は、エントランスを飾るのにふさわしいものですが、アートツアーで説明を受けないと見逃してしまったかもしれません。

アライバル・ロビー

巨大な一枚扉が開き、館内へ案内されました。

石造りのファサード(建物を正面から見たときの外観)が印象的なエントランスから、静寂な別世界へ繋がるアプローチへ。その奥には、アライバル・ロビーが広がっています。

栗の木を使用した特注のレセプションデスクや、 120 年ものあいだ同地でホテル業を営んでいた日光レークサイドホテルのアートパネルを再利用し作り上げたハンドクラフトのシェルフなど、新しいホテルですが、歴史と木とのぬくもりを感じました。

こちらは、奥日光が、避暑地として別荘が建てられてきた歴史を踏まえたデザインだそうです。

2つめの男体山と、大名行列の絵(作者不明)。

大名行列の絵は、ザ・リッツカールトン日光の前身・日光レークサイドホテルから引き継いだものだそうです。

よく見ると、一人ひとり表情が違います。

笑っている人もいれば、ムスッとしている人もいます。あれっ!喧嘩してる?なんだか声が聞こえてきそうでした。

チェックイン

ちょうどチェックインをするゲストが重なっていた時間帯だったので、こちらのバーカウンターへ案内されました。柚子のウェルカムドリンクをいただきながらの手続きします。

すごく丁寧に対応してもらえ、夕食時の苦手な食材を尋ねられ、パジャマや追加のアメニティーもお願いできました。しかし、何一つ申し伝えされておらず(スタッフはきちんとメモをしていたのに)、もう一度電話をして頼むことになり、それが唯一残念ポイントでした。しかし、そんなことどうでもいいと感じるほどの素晴らしい滞在が待っていたのです。

Lakehouse

ザ・リッツカールトン日光には、和食と洋食の2つのレストランがあります。

こちらの "Lakehouse (レークハウス) " は、洋食レストランです。

コースやアラカルトの料理だけでなく、ホテルの味を気軽に楽しめる「Grab & Go」のメニューも用意されており、レークハウスシュークリームが人気だそうです。

ロビーがあるメインの建物とは渡り廊下で結ばれており、館内からは、この大きなドアから進みます。

なお、Lakehouseは、中禅寺湖側の道路からも入れるため、宿泊客以外でも気軽にランチなどで利用できます。

レストランは、ボートハウスをイメージしたインテリアで統一されてます。

中にお客様がいる場合、エントランス付近だけでの説明となります。

2階のレストラン受付の壁には、中禅寺湖を魚釣りの浮きでイメージしたアート作品がありました。赤やオレンジの浮きは紅葉を表し、青い浮きは中禅寺湖を表しています。浮きの青さが単色でないのは、湖の水深を表しているそうです。

一か所だけ、金色の浮きがあります。

これは、ザ・リッツカールトン日光の位置を示しているものです。

照明を支えているアーチ状のデザインは釣り竿を、壁は釣り網をイメージしたものだそうです。

ライトの傘の内側には、魚が描かれていました。

夜に見ると、また雰囲気が変わるのでしょうね。

階段の壁には、地元で見られる植物や動物、昆虫などが飾られていました。

館内からレークハウスまでの道中は、まるで離れに向かうかのような特別感があります。庭園を見渡す通路を抜け、中禅寺湖のある方向へ向かっていきます。

「ボートハウス」をテーマにした店内は、中禅寺湖に生息する魚や釣り竿、日光の植生をイメージした照明に彩られ、まるでアートギャラリーのような雰囲気でした。窓からは中禅寺湖を望むことができ、素晴らしい景観も魅力です。

ザ・ロビーラウンジ

続いてザ・ロビーラウンジへ。

木のぬくもりを感じながら、大きな窓から庭園や中禅寺湖を眺めることができる場所です。こちらでは、アフタヌーンティーをいただくこともできます。

この場所に飾られていたのは、春原直人氏の ≪鳴厳(めいげん)≫ という作品です。中禅寺湖を一周歩いた際にインスピレーションを得たそうで、日光東照宮にある「鳴き龍」をイメージしているそうです。

日光東照宮で聞いた龍の鳴き声が蘇ってきました。

アフタヌーンティーのお茶の用意は、この絵画の前で行われており、とても風情がありました。

一見水彩画のようですが、岩絵の具(主に鉱石を砕いてつくられた粒子状の絵具)で描かれているので、そばで見ると凹凸があるのですよ。

次の早朝、ラウンジに朝日が差し込む中、絵画の印象もまた違ってきました。

本当に、贅沢な時間を過ごすことができ、いい思い出になった場所です。

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THE JAPANESE RESTAUTRANT

続いて、和食のレストランTHE JAPANESE RESTRAUNT by The Ritz-Carlton, NIkkoへ。

エントランスからレストランに続く通路には、栃木県の伝統工芸・鹿沼組子をモチーフにした装飾になっています。

鹿沼組子は、通常は木で作られるそうですが、リッツカールトンのラグジュアリーなイメージを大切にするため、あえて金属にしたそうです。でも、教えてもらわなければ木のようにも見えました。

光と影が美しく印象的な通路ですが、夜にはさらに美しく幻想的になります(そのようすはまた次回以降に)。

レストランの受付には、浅見貴子(あざみたかこ)氏の水墨画が飾られていました。

ホテルの駐車場にある木をモチーフに描かれています。

墨の濃淡は、表と裏から描くことで表現されています。和紙の裏側から描くことで、紙の表面ににじんだ痕跡となっている面白い手法です。

ザ・リッツカールトン日光のためだけのオリジナルの作品。そばには、益子焼きを現代風にアレンジした作品も飾られています。

室内に居ながらにして日光の自然を感じ取ることができる空間。レストランへ案内されるときに通る場所ですが、素通りするのにはもったいない場所でした。

また、そばには、日光の伝統工芸・益子焼(ましこやき)の焼き物が飾られていました。

益子焼は、1979(昭和54)年に、国の伝統工芸品に指定されています。

益子焼は、土の質感が伝わる素朴さとぽってりとしたフォルムが特徴の焼き物で、国の伝統工芸品にも指定されています。益子焼については、正直、知識が全くなかったので、これを機会にいろいろ勉強してみました。まだまだ、知らないことはいっぱいありますね。

レストラン内にお客様がいらっしゃったので、(このときは)内部を見学することはできませんでしたが、伝統工芸品の宝庫のような場所だそうです。

「ヒッカキ」と呼ばれる手法で彫られた伝統工芸品。レストラン内のようすは、朝食編でご紹介したいと思います。

廊下

田中慎太朗
≪波の門≫

フロントのそばの長い廊下にも、作品が飾られています。

この板は一色で赤く塗られているように見えますが、よく見ると、実は自然の色に近いグレーや緑など何層にも色が塗られています。赤も一種類ではありません。作品の上部に見える垂れた線は、人の琴線(きんせん)を表しています。琴線とは心の奥に秘められた、感動し共鳴する微妙な心情を指します。

作者がお亡くなりになっているので真意を伺うことはできないのですが、壁がない状態だと中禅寺湖が見られるので、スタッフの皆さんは、中禅寺湖への門だとも考えているそうです。

公式サイトよりお借りしました。

ザ・リッツカールトン日光の公式サイトの写真に、≪波の門≫ の写真がありました。この写真を見て、中禅寺湖への門という意味が分かりました。壁をなくすと、その先にはあるのは、中禅寺湖ですものね。

鉄の作品

留守玲
≪CONTEX W≫

長い廊下の端にあるのは、奥日光の樹木をテーマに鉄で作った作品です。

一見、木製の作品に見えますが、近づいてみると鉄でした。鉄の棒や鉄板を細い炎で熔断、熔接することで制作されています。背景に自然があるので、あえて木を使わなかったそうです。

廊下の反対側にも、同様の作品があります。

中庭には、白い花のツツジが咲いていました。

ゴヨウツツジかしら?

ゴヨウツツジは、ツツジ科の落葉樹で、春から初夏にかけて、純白の花を咲かせ、植え付けて何年もすると5m以上になるそうです。ツツジの仲間ですが、一般的なツツジの葉と違い、5枚の葉が車輪状に生えていることから、五葉(ゴヨウ)ツツジと呼ばれています。

見ごろを過ぎていましたが、地面に白い花が落ちているようすも美しかったです。

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ザ・バー

こちらは、ウイスキーの豊富さが魅力的なバーです。

現在、ウィスキーの流通量が(人気のため)減っていると聞いていたのですが、ここに来ると、日本全国のウィスキーを堪能できるようです。響や山崎といった有名なものから、北海道の余市や厚岸のウイスキーもありました。もちろん、海外のお酒も充実しています。

南条嘉毅(なんじょうよしたか)
≪日光またたび湯≫

バーカウンターの隣に飾られていたのは、猫が温泉に入っているとても可愛らしい作品です。

ザ・リッツカールトン日光では、リッツカールトングループ初めての温泉が併設されています。露天風呂では源泉かけ流しを楽しめ、湯元温泉からお湯を引いています。そんなザ・リッツカールトン日光にピッタリな絵画だと思いました。

絵画には、とても面白い仕掛けがありました。

この絵の左側の部分は、濃い茶色の絵の具で塗られているのではありません。湯元温泉の「土」を使っているそうです。こういった手法も、このホテルにふさわしい絵画ですね。

館内のどの作品も素敵ですが、個人的に、この ≪日光またたび湯≫ が一番好きです。絵画を見て、つい、口元がほころんでしまいました。

なお、バーカウンターの後ろのボトルは、夜にはが美しくライトアップされます。その姿もまた壮観でした。

SPA

写真は、公式サイトよりお借りました。

ザ・リッツ・カールトン日光にはスパ施設があり、スパトリートメントの他、日光の源泉を取り込んだ温泉施設や、フィットネスセンターを備えています。

なお、3つ目の男体山は、SPAの休憩室のそばに飾られていました。行かれた際に、探してみてくださいね。

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さいごに

館内に飾られた作品や、自然に溶け込むように建てられたザ・リッツカールトン日光のようすについてご紹介いたしました。

ザ・リッツカールトン日光には、有償・無償のアクティビティがあり、お子さまのアクティビティも充実しています。以前泊まられた方のブログには「星空ツアー(無償)」があったのですが、このときはありませんでした。なので、今回は、無償の館内アートツアー(45分)を予約しました。

あっという間の45分。知らなければ素通りしてしまったところでした。、お話を伺いながらしっかり学ぶことができたので、滞在がより充実しました。今回はアートツアーに参加しましたが、他にもいろいろありますので、早めにホテルに行っていろいろ体験するのも面白いですね。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

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