チュニジアの空を一番感じた砂丘での朝日鑑賞。そして海に近い町から内陸部の遺跡が今回の観光のメインです。
砂漠の夜明けとスターウォーズ
ツアー3日目、朝5時に集合してジャメル砂丘へ向かいます。このツアーの添乗員さんは、今までに出会った添乗員さんの中で一番気配り上手の方でした。
ツアーの参加者が一番楽しめるようにいろいろ工夫してくれました。
この日のメインは「砂漠での朝日鑑賞」。少し離れた場所なので行くのに時間がかかりましたが、朝日が見られなくては意味がない!と少し早目に出発することとなりました。
こういうときはスムーズにいくもので、着いたとき、月もきれいに見ることができました(^^)
12月のチュニジア、朝は寒いです。その中待つこと30分・・・
反対側の空が少しずつ明るくなってきました。何も遮るものがない砂漠の朝日、ちょっと凍えそうになりながら見た景色は最高でした。
スターウォーズ
チュニジアはスターウォーズの撮影が行われたところです。こちらは、竪穴式住居。
そして、砂漠にはスターウォーズの元ロケ地がありました。野ざらしですが(笑)
円形競技場(世界遺産)
エルジェムの円形競技場は、ローマ、ベローナのものに次いで3番目の規模です。
アーチを三重に積み上げた建築が3世紀(日本は弥生時代)に造られたことを考えると、その建築技術の高さに驚かされます。
しかも、3階部分まで現存しているのは、ローマのコロッセオとこの競技場のみだそうで、とても保存状態が良かったです。
ちょっと休憩
円形球戯場では、チュニジアンの小学生たちに会いました。挨拶をしたら取り囲まれ、人気者になり(日本人は珍しいのかしら?)全員と握手することになってしまいました(笑)
チュニジアでは小学校3年からフランス語を習い、その後第三外国語を勉強するそうです。だから、彼らは普通に英語、フランス語を喋ってました。こちらもすごい!
寒いですが日差しは強いチュニジア。ビタミンC補給は大切です。2ディナール(80円位)でした。とてもおいしかったです。
ス―ス
お昼はUna storiaというレストランでいただきました。
記憶に残る限り1番美味しかった、カレー風味のフリット。ス―スは地中海のリゾート地でもあるので、お料理も美味しいようです。
メディナ(旧市街)
メディナ(旧市街)は、アグラブ朝時代には国の主要港としてシチリア島遠征の拠点となった町で、1988年に世界遺産に登録されました。
リバド(8世紀の要塞)に上って、グランドモスクを見てみました。遠征の拠点だったとは思えないほど、のんびりした町でした。
ナブールで休憩
次の遺跡に行き途中に途中立ち寄った「ナーブル」という町は、オレンジと陶器が有名で、町の中心部に大きな陶器でできたオレンジのモニュメントがありました。
ザクロジュース
工房を併設しているお店で、陶器のお土産を買って、(オレンジの町なのに)ザクロジュースを飲みました。ザクロスジュースは、タイのものに比べるとちょっと苦みを感じるけど、美味しかったです。
チュニジアのアロマ
チュニジアといえば ビターオレンジの精油が有名です。 もともと中国が原産地ですが、7世紀ごろヨーロッパに伝えられ、その後、当時フランスの保護領であったチュニジアに栽培と生産の中心が移りました。チュニジアの気候と 肥沃な土壌がビターオレンジの栽培に適していたことと、安価な労働力があったからだそうです。
花の収穫は4月中旬からの3週間ほどで、その頃ナブールがあるキャップ・ボン Cap-Bon地方一帯が甘い香りに包まれるそうです。行ったのが12月だったので花は楽しめませんでしたが、ナブールの町で精油を買ってきました。
ビターオレンジは、花だけでなく、実、葉、枝からもさまざまな芳香成分が抽出される貴重な木。 花を蒸留することでネロリ精油が、葉と小枝からはプチグレン精油が、果実からはビターオレンジ精油が採れます。ネロリ精油は水蒸気蒸留法によって抽出されますが、フラワーウォーターからは、さらに溶剤を使ってオレンジ花水アブソリュートと呼ばれる香料を抽出することも。https://www.treeoflife.co.jp/
農園では、ワンシーズンで18~25トンの花が収穫され、軽く水分を飛ばすためにひと晩倉庫で大切に寝かされます。 広い倉庫の床一面に敷き詰められたビターオレンジの花の眺めは圧巻でしょうね(^^)
ケルクアン
ケルクアンは、古代ポエニ時代の都市遺跡(紀元前4~3世紀)で、北東チュニジアのボン岬の近くにあります。神殿、公衆浴場、ガラス職人の家などが400m四方にコンパクトにまとめられています。
フェニキア人の遺跡はほとんど壊されたそうですが、ここだけはポエニ時代のまま残されているそうです。
遺跡は地中海に面しているので、お天気がいい日はシチリア島が見えるそうです。海辺にあるので、天候が悪いと早めに閉まって見学できないこともあるそうで、お天気を確認しながらの観光となりました。
この日は、すごい風が吹いていて飛ばされそうでしたが、添乗員さんの機転で無事観光することができました。
赤土の部分がお風呂です。この時代、家にお風呂があったなんて、ビックリです。
ドゥッガ遺跡
チュニスからバスで1時間半で到着しました。
168年に建築された劇場は今も使われていて、チュニジアに残っているローマ都市遺跡の中で最も保存状態がいいそうです。
神殿には、ジュピター、ジュノー、ミネルバの3神が飾られていました。
この時代に水洗トイレがあったそうです。穴のある所に座りますが、壁があったかどうかは分かりません。こんなバカなことをしているのは私だけで、添乗員さんに付き合ってもらいました(笑)。
ここは標高160 mで、まだ発掘されていない都市跡があるらしいです。上の写真(右)は、唯一残っているローマ時代以前の塔だそうです。広大な遺跡に、ローマ人の住宅跡だけでなく、浴場跡や売春宿跡なども残っていて、遺跡フリークにはたまらない、とても見ごたえのある場所でした。
ツアーの食事
ドゥッガを堪能した後は、ホテル・トゥッガでイノシシ料理をいただきました。地元の名物だそうですが、ほとんどの方が残されていました。
よく煮込まれた豚肉料理って感じで美味しかったのですが、ちょっと硬かったからかしら?
夜はレストランで、シーフードのトマト煮込みをいただきました。チュニジアの料理はトマト煮込みが多いです。
イタリアやスペインのトマト料理に比べたら、ちょっとさっぱりしていて、長旅で疲れた身体には優しい味でした。
そして、一番気になっていたのは「チュニジアワイン」。チュニジアは、ワインも安くで美味しいのです。途中スーパーにも寄ってくれて、ワインもたくさん買ってきました。
チュニジアのお土産に最適です。
チュニス市内
チュニス市内の大聖堂。青空をバックに荘厳な雰囲気でした。町中には、街路樹で彩られた「ハビブ・ブルギバ通り」があり、その両側にはコロニアルスタイルの建物が並んでいます。アフリカというよりヨーロッパの街並みのようでした。
ホテル
ツアーの最後は、チュニス近郊のリゾート地、ガマルトにある「ルパラス」というデラックスホテル。お部屋に入ると洗面台にバラの花が飾られていたり、とっても癒されるホテルでした。
せっかくの良いホテルなのに滞在時間が短いのがツアーの難点です。
カルタゴ遺跡
早朝、朝もやが広がっていました。カルタゴにあるビュルサの丘からの景色は、この世のものとは思えない美しさ ♪
カルタゴは、紀元前にフェニキア人が新しい文明を起こした場所です。ここを中心に発展していったため、フェニキア語で「新しい街」という意味の「カルタゴ」となったそうです。
フェニキア人の都として栄えましたが、3度のポエニ戦争で古代ローマに滅ぼされてしまいました。大理石で造られたローマ神殿跡や日干しレンガの住居跡など、当時の栄華が甦るかのようでした。
アントニヌスの共同浴場
ローマ時代(2世紀) の浴場跡で、アントニヌス・ピウス浴場とも言われています。海沿いにあり景色は最高ですが、露天風呂はなかったらしいです。
行きのフライトでテルマエ・ロマエを見たので、余計に楽しみだった共同浴場。映画のワンシーンを思い出しながら楽しむことができました。
シディ・ブ・サイド
雲一つない青空、そして白い壁と青い窓・・・、ここには私がイメージしていたチュニジアの世界が広がっていました。旅行のパンフレットで見たままの美しい景色です。
このシディ・ブ・サイドの歴史は、紀元前8世紀頃のカルタゴ文明の始まりまで遡ります。ここは北東部海岸の防衛に適しており、最初は監視党と灯台が作られたそうです。
このような青と白に統一されたのは20世紀以降、世界初の景観保護の政令によるもので、ここは現在、チュニジアの高級別荘地となっています。
坂道の両サイドに青と白で飾られた家が並んでいました。
路地の部分だけドアが開いています。
カフェ・デ・シャバーン
シディ・ブ・サイドのメインストリートをゆっくり上っていくと、右手に海が見える小さな広場があり、その下に「カフェ・シディ・シャバーン-Cafe Sidi Chabaane-」がありました。
一番見たかったチュニジアの景色です。このカフェから見る空と地中海の眺めは最高でした!
ここでは、ミントティー(テイ・ナネア)をいただきました。これは甘くてあたたかい紅茶の中に生のペパーミントを入れたものです。
一緒に入っている松の実は不飽和脂肪酸が多く、血中コレステロールを調整する作用があるそうです。また、亜鉛と鉄の両方が多く含まれているので、貧血予防・改善の効果が期待できます。さらに、ビタミンEも含まれていて、美肌にも嬉しい飲みものです。
エミレーツ航空で帰国
チュニジアのエミレーツ航空航空のラウンジは、寂しい感じですが、お酒も用意されていました。出発が遅れたので、出たり入ったりして十分堪能できました。
ドバイから日本までは再びA380、総二階建ての機材です。偶然にもアルゼンチンのサッカー選手の皆さんが搭乗されていたので、彼らに囲まれて12時間過ごすという夢のようなフライトになりました。
エミレーツ航空はお食事も美味しいので毎回楽しみです。ワインも結構いいモノが取り揃えられているし、外地(ドバイ)発でも和食が美味しかったです。
さいごに
保存状態のいい遺跡に砂漠、遮るものがない空と大自然、青と白の世界、そして美味しいワイン!とチュニジアには楽しいことがいっぱいありました。
なので、「おすすめの国は?」と聞かれたときに「チュニジア」と答えていたのですが、けっこう引かれました。でも、楽しいのになぁ。
安全上の問題でしばらくツアーは中止されていたのですが、再開されたので参加してきました。どこにも行けなくなった今、行ってよかったです。
チュニジア旅行記にお付き合いくださり、ありがとうございました。