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世界的建築家の坂 茂氏が設計を手掛けたホテル! ”SUIDEN TERRASSE” 宿泊記

2022-09-14

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SUIDEN TERRASSE(スイデンテラス)は、「晴耕雨読の時を過ごす、田んぼに浮かぶホテル」をコンセプトにしたホテルです。世界的建築家・坂 茂(ばん しげる)氏が、初めて設計を手掛けたことでも話題になりました。

今回は、田んぼに囲まれた癒しのホテル「SUIDEN TERRASSE」の館内のようすとアクセスを宿泊記をご紹介いたします。

※2022年の旅行記です。

※この記事はプロモーションを含みます。

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SUIDEN TERRASSE

SUIDEN TERRASSE は、2018年、山形県の庄内地方にオープンしました。

庄内地方は、山と海に囲まれた広大な平野が広がる自然豊かな場所です。東に出羽三山、南にブナ原生林の地・朝日連峰の山々、北に出羽富士と称される鳥海山、西は日本海に面しています。出羽三山から庄内平野、そして日本海へ続く美しい水に育まれた場所でもあり、それを象徴する水田からホテルの着想を得たそうです。

世界的建築家・坂 茂氏が設計を手掛け、どこに身を置いても田んぼの気配を感じられるようデザインされたSUIDEN TERRASSE。この土地ならではの文脈を紐解き、「空間」「食」「本」「農」「癒」「地域」6つのキーワードで、特別な時間を提供します。

【公式】スイデンテラス

外観

条件が揃うと、まるでウユニ塩湖のような景色が見られる SUIDEN TERRASSE。

この日は、そこまで幻想的な風景ではありませんでしたが、それでもワクワクしました。

長い木の通路を通ってエントランスに向かいます。

こちらのドアを通って中へ。

エントランス付近には、誰もいませんでした。

こちらの長い階段を上ってフロントへ。

もちろん、階段のすぐそばには、エレベーターもありますので、荷物があっても平気です。

余談ですが、この木の階段を見て、出雲大社の昔の神殿の姿を思い出してしまいました。

日本最古の神社「出雲大社」には、大昔、その本殿が今の2倍の16丈(48m)の高さの位置にあったという説があるそうです。

上の写真は、平安時代の出雲大社本殿の模型です(古代出雲歴史博物館にて)。似ていませんか?

ちょっと、厳かな気持ちで上ってみました。

チェックイン

通常のチェックイン・チェックアウトの時間は、以下です。

詳細

・チェックイン 15:30 〜 24:00
・チェックアウト 06:00 ~ 10:00

このときは、旅行予約サイト一休.com のダイヤモンド会員特典があったので、アーリーチェックインとレイトチェックアウトが可能でした。

ダイヤモンド会員の特典

・アーリーチェックイン 14:00
・レイトチェックアウト 11:00

フロントには2人しかスタッフがおらず、通常のチェックインの時間前後はかなり待っている人が多かったので、空いている時間帯にチェックインできたのは、ありがたかったです。

館内のようす

フロントの反対側には、テラスがあるレストランがあります。

事前に調べたとき、周辺に食事できるところは少なかったので、今回は朝夕2食付きのプランにしました。最長21時間、ホテルに籠ろうと思います。

圧巻だったのは、この木の天井。

SUIDEN TERRASSE の共用棟の天井は、まるで折り紙のようなデザインでした。

90㎜厚のカラマツ集成材による木質折版(波型に折り曲げられた状態)が屋根となり、2階外周の鉄骨フレームと、1階のRC架構(かこう)と組み合わせて全体を組み上げているそうです。

カラマツ

ところで、カラマツ材は硬くて丈夫ですが、螺旋状に繊維が育つため乾燥後に割れや狂いが出やすく、板材としては使いにくい材料であると言われていました。しかし、2010年代に入り、「コアドライ」と呼ばれる乾燥技術を用いることにより、従来問題とされていた乾燥後の割れ・狂い等を大幅に減少させることができるようになり、建築用構造材への適用が有望視されるようになったそうです。

こちらのカラマツ材が「コアドライ」かどうかは分かりませんが、カラマツ・・・気になります(笑)。

ちなにみ、国立競技場の大屋根のトラス(三角形を単位として組まれた構造形式)にもカラマツとスギの2種類の集成材を用いているそうです。

共有棟のライブラリー

さらに、共有棟の長い廊下は、誰でもが利用できるライブラリーにもなっています。

10のテーマに分けられた本や写真集は、どれも手に取ってみたいものばかりでした。

コンセプトの「晴耕雨読(せいこううどく)の時を過ごす」そのままに、雨の日は、ここにある蔵書から好きな本を選んで読んで過ごせそうです。

ライブラリーの反対側には、地元の品をそろえたショップがありました。

地元の逸品という言葉に弱く全部欲しくなってしまいそうだったので、今回は軽く見るだけに・・・

その先には、夕日を見ることができるテラスが設置されています。

ちなにみ、ライブラリーや、ショップ、レストランがある共用棟は、パブリックスペースとして、宿泊の方だけでなく地域にお住まいの方にも開放されているそうです。

客室棟

こちらから客室棟です。

この廊下は夕刻以降ライトアップされ、朝夕夜で違った雰囲気を味わうことができます。

SUIDEN TERRASSE は、全119室。羽黒山(HAGUROSAN)、月山(GASSAN)、湯殿山(YUDONOSAN)、 出羽三山の名を冠する3つの客室棟から成っています。

それぞれの頭文字と数字からなる部屋番号。

今回アサインされた部屋番号には「H」が付いていましたので、羽黒山ですね、廊下の先にも大きな窓があり、まるで絵画のような景色が広がっていました。ドアも木製で、まだ新しいので木のいい香りがします。

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田園ビュー テラス付ダブルルーム

部屋の鍵は、カードではなく木札が付いたものでした。

木札の部分は電子ロックに対応できるようになっていて、月白の湯(サウナあり)への入室時に利用します。部屋はオートロックではありませんので、入退室時には鍵をかけるのをお忘れなく!

ダブルのシングル利用を予約していたのですが、田園ビューのお部屋にアップグレードしていただきました。

  • 広さ:22㎡
  • 定員:大人1〜2名
  • キングベット W180㎝

華美ではない、シンプルな美しさを追求した、木造ならではの温もりのある部屋です。

テーブルの上には、ペットボトルのお水が2本置かれていました。

出羽三山の水。『山形の霊峰出羽三山に降り積もった雪が地層深く浸透し、長い年月をかけて良質の天然水になった』ものだそうです。

ところで、部屋には時計も電話もありません。

あるのは "i-Pad" 。こちらでフロントへの連絡を行えます。

都内のラグジュアリーホテルなどでも "i-Pad" を利用するところがあるので、『おお!すごい!!」と思ったのですが、機能はほどんどなく、使ったのはアラームだけでした(2022年時点)。

もったいない・・・。

これからいろいろ機能が増えるのかしら?

レストランのメニューや温泉の混み具合などが見られたらいいのに、と思いました。

ベッドボードには、坂 茂氏を象徴する「紙管」が使われていました。

このように、坂 氏の作品を直に体験できるのも、SUIDEN TERRASSEの魅力のひとつです。

ところで、ゲストの口コミでは『部屋は狭い』と書かれたものが多かったのですが、1人だったので、ゆっくりできました。

ただ、2人だとソファが壁側(テレビの横)にしかないので、居場所に困るかもしれません。

テラスへのドアには網戸があります。

水の近くということは、虫も多くやって来ます。幸い虫の被害には合いませんでしたが、扉の開閉には注意が必要です。

なお、SUIDEN TERRASSEの敷地内には稲は植わっていません。お隣の水田の借景となります。

稲穂が美しい季節になりました。

水田を借景とした普段の生活の中にあるホテルなので、景色を見ていると、自転車で通っていく人や歩く人と目が合ってしまうのが難点です(笑)。しかし、この景色の中にずっといると、あまり気にならなくなってきました。

備品・アメニティ

部屋着は、セパレートタイプ。

以前は、ワンピースタイプだったようですが、変わっていました。こちらは、レストラン以外で着用できます。晩夏だったので問題はなかったのですが、もしかしたら冬は寒いかもしれません。

温泉へは部屋のタオルを持って行きますが、それ用に袋もありました。

部屋には空気清浄機もありましたが、テラスへのドアを開放できるので、使いませんでした。

これらの備品は木の扉で隠すことができます。

使わないときは扉を閉めておくと、部屋がとてもスッキリしました。

空の冷蔵庫と金庫も、木の扉の中に隠れていました。

ちなみに、USB端子は、すごく見つけづらい場所にありました。

水回り

洗面台の左右に浴室とお手洗いがあります。

洗面台とお手洗いの床もフローリングでした。

タオル掛けやイスなどは、すべて木製です。

水回りも、木のぬくもりを生かしたシンプルで居心地のよい空間です。

浴室は使いませんでしたが、広めの浴槽が付いており、快適に入浴できそうです。シャンプーなどもオーガニック系のような気がしますが、表示なかったのでよく分かりません。温泉に置いてあったのと同じものが、部屋にもありました。

基礎化粧品は、チェックイン時にいただけます。

『おいくつ必要ですか?』と言われたので、2ついただきました。至れり尽くせりです。

その他のアメニティとしては、歯ブラシなど必要最低限のものがありました。恒例のドライヤーチェック。(写真を撮り忘れてしまいましたが)普通の使い勝手がいいものでした。

館内で見る 坂 茂氏 のデザイン

ところで、宿泊者専用にもライブラリーがあり、「紙管」を模した木の椅子がありました。

これも、知っていればじっくり体験、知らなければ『面白いなあ』で素通りしてしまうでしょうね。坂 茂氏のお名前を存じ上げていても、SUIDEN TERRASSEに泊まるまで、「紙管」について知りませんでした。館内のあちこちで「紙管」のデザインを目にしたので、『これはなんなのだろう?』と思っていたくらいです。

いろいろ調べたあとは、じっくり堪能してきました。

https://www.yamagata-design.com/press-room/stsauna

SUIDEN TERRASSE に新設された、本格的なフィンランド式のサウナのデザインも坂茂氏によるもの。

座る部分が「紙管」を模した木のデザインでした。

タオルの上にサウナマットを敷いて座るので、座り心地は普通の木の椅子と同じですが、丸みがあるので手を置くと優しい触り心地でした。

さらに、廊下から見えるように設置されたコートヤードには、興味深いデザインがありました。

こちらは、2016年に発生した熊本地震によって倒壊した家屋の瓦を使用したものだそうです。被災地を訪れた坂氏が、『瓦はきれいな状態で残っており、ブルドーザーで轢かれてしまうのはもったいない』と考え、活用したとか。

言われないと瓦だとは分からず、面白いデザインだな・・・で通り過ぎるところでした。

ネットで調べていたので、じっくり見てきました。

人道的な目的に使われるシェルターの開発に多くの時間を費やしてきた 坂 茂氏。その作品や考え方をもっと知りたくなり、帰ってきて本を買って読んでみました。ある意味、坂 茂氏の作品を堪能できる博物館のような SUIDEN TERRASSE の館内。

次回行ったときは、もっと楽しめそうです。

アクセス

アクセスは、正直言って、あまりよくありません。

JR鶴岡駅からは、徒歩(約15分)かタクシー利用となります。

お天気が良かったので、歩いてみました。

徒歩

JR鶴岡駅の駅舎を背に、右の方向へ歩いて行きます(バス乗り場と反対方向)。

APAホテル等ホテル群があるので、その前を歩いて行きます。

目指すは「鶴岡サイエンスパーク」

「鶴岡サイエンスパーク」の看板が見えたら左に曲がり、さらにキッズドームソライというドーム状の建物を左に見ながら進みます。

JR鶴岡駅からは徒歩15分くらいでしたので、荷物が少ないと、なんとか歩ける距離だと思います。

お天気が悪い日や荷物が多い日には、タクシーでの移動をおすすめします。

庄内空港から

庄内空港からは、バスが利用できます。

バス停「サイエンスパーク」で降りれば、SUIDEN TERRASSE は目の前です(2022年撮影)。

2022年9月現在

空港からの路線バスは飛行機の発着に合わせているので、東京から来る場合、このアクセス方法も便利だと思いました。

ちなみに、庄内空港を発着しているのは、ANAです。

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さいごに

周りの景色を借景ととした斬新な外観。

SUIDEN TERRASSE はその外観が注目されていますが、「映え」だけを求めてやって来ると、天候によってはガッカリする場合があるかもしれません。しかし、内部(施設やサービス)は、外観以上のインパクトがありました。

坂氏のデザインだけでなく、天井をはじめ、館内に使われている「木」のぬくもりにも癒されました。

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

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