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【コロナ最新情報】 20万本以上の論文をAIが読み解く!死亡者数を抑える特別な要因とは⁉

2020-11-17

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先日、NHKスペシャルで「「新型コロナ 全論文解読~AIで迫る いま知りたいこと~」を見ました。

急増している新型コロナウィルス感染者数。私たちができるのは「マスク」や「換気」、「手指の消毒」といったことですが、冬もこのままの感染対策で大丈夫?そんな疑問に答えてくれる番組でした。

これからの生活や旅先での行動のヒントとなれば幸いです。

 

新型コロナ 全論文解読

NHKスペシャル「新型コロナ 全論文解読~AIで迫る いま知りたいこと~」は、文字通り、AI(人工知能)で新型コロナウィルスに関する世界中の論文を解析して、コロナの最新情報を紹介してくれる番組でした。

新型コロナウィルスに関する論文は20万本以上もあり、時間をかけても、人間がそのすべてに目を通すことは無理です。なので、AIを使って、注目されているキーワードを抜き出し、新型コロナウィルス対策のトレンドを探ったのでした。

出演者

【司会】爆笑問題、桑子真帆アナウンサー

【出演者】

  • 大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授:宮坂昌之 博士
  • 国立感染症研究所:長谷川秀樹 博士
  • 沖縄県立中部病院:高山義浩医師
  • イェール大学:岩崎明子教授(リモート出演)

番組は、単なる研究報告というものではなく、宮坂博士を「免疫学のレジェンド」、長谷川博士を「ワクチン開発のトップランナー」、高山先生を「臨床最前線のファイター」として、研究結果に対して専門家としてのコメントが加えられていました。さらに、取り上げた話題の論文の著者である岩崎先生のお話が聞けたのも面白い趣向でした。

構成

番組は、4つのテーマに沿って構成されていました。

  1. この冬日本の感染者が急増する?
  2. 収束はいつ?決定打は?
  3. 風邪とは大違い! 新型コロナ“真の脅威”
  4. 見えた“究極”のウイルス対策

上記のテーマを、岩崎先生を始めとする海外の研究者(論文の著者)の方々が説明したり、前述の専門家の方々が補足解説したりしています。

4つのテーマの中で、私が特に注目したのは、「1.この冬日本の感染者が急増する?」です。その中で、特に気になった部分をご紹介したいと思います。

 

冬場の感染拡大(私感)

相変わらず、毎日感染者数の増加だけに注目されていますが、その背景についてはあまり報道されません。

6月ごろまでは外出する人が少なく、スーパーなど、入る前や出る際には、スタッフがいなくても全員が手指の消毒をしていました。しかし、最近よく行くスーパーでは、自主的に手指の消毒をしてから入る人をあまり見かけません。私の周りだけかもしれませんが・・・。

通っているジムも徐々に収容人数を増やしてきました。しかし、マスクをしないプールエリアで高齢者の方々が長時間話し込んでいます。ジム側は「マナーを重視する」との見解ですが、コロナ禍でのマスクなしでの近距離、長時間の会話は、マナーではないと思うのですが・・・。

また、仕事柄観光地に行くことが多いのですが、最近、スタッフのいない場所でソーシャルディスタンスを守る人が少なくなってきたと感じています。

 

黄色い枠や線を守っていても、気が付くと、自分の後ろにぴったりくっつく人がいます。しかも、喋りながら・・・。その場合は、自分がさらに距離をとりながら動くしかないのですが、動くとさらについてきます。

 

momoka
momoka
そんなときは(トラブルにならない程度に)全身で「来るな!」オーラをだすしかないのが、残念な今日この頃です。

 

エレベーター内でも会話は止まりません。マスクをしていても飛沫が完璧に遮断されるわけではありません。なぜ、エレベーターに乗っているほんの数十秒の間、喋るのを止めることができないのか、不思議です。これが意識の違いなのでしょうね。

原則を守る人、あまり気にしない人・・・、マスクを顎までずらして大きな声でしゃべる人・・・。生活の場でも観光地でも、いろいろな意識の人が混在しています。

そんな人々の意識の違いについてはあまり注目されないのですが、新型コロナウィルスの感染拡大が長期化して、明らかに対策への意識が大きく2つに分かれている気がします(あくまでも私の周りで見る状況での個人的な見解ですが)。

なので、何か一つの事象を感染拡大の原因として話を進めない、この番組はとても興味深かったです。

 

momoka
momoka
それでは、まず「冬場」に関する最新情報をみていきたいと思います。

 

冬場に関する論文

世界中で「冬場」に関する論文は350本以上もあり、全論文AIは、その中から「感染拡大」について書かれた論文によく出てくるキーワードを選び出していました。キーワードと言ってもかなりの数でが、そのトップ5は以下です。

冬場の感染拡大のリスク

  1. 気温
  2. 湿度
  3. ビタミン
  4. 年齢
  5. 地域

気温と湿度はなんとなく分かるものの、多くの論文で、ビタミンDが免疫力を維持することに注目しているとは知りませんでした。

ビタミンDのはたらき

ビタミンDには、「免疫機能を調節する」働きもあります。体内に侵入したウイルスや細菌などに対して、過剰な免疫反応を抑制し、必要な免疫機能を促進します。このため、かぜやインフルエンザ、気管支炎や肺炎などの感染症の発症・悪化の予防にも関与することが分かってきました。ビタミンDとは?

 

人がビタミンDを得るには2つの方法があります。日光を浴びて紫外線にビタミンDをつくってもらう方法と、食べ物から摂る方法です。

冬場日照時間が短くなると体内でのビタミンDの生成も減り、感染拡大リスクが高くなるそうです。なので、冬場は、ビタミンDが含まれている食材を積極的に摂ることで補えます。

 

ビタミンDが含まれる食材

  • 魚類…サケ、サンマ、イワシ、カツオ、マグロ、カジキ、ブリ、サバなど
  • きのこ類…キクラゲ、干し椎茸など また、さつま揚げ、卵黄など

(参照) ビタミンDを多く含む食材

 

ビタミンDは油脂に溶けやすい脂溶性のため、動物性食品のほうが吸収しやすいそうです。また、きのこ類は炒め物や揚げ物など、油を使った料理にすると吸収率がアップするそうです。

 

気温と温度

また、全論文AIが導き出したトップ2は「気温」と「湿度」です。気温と湿度が下がると、ウィルスの生存時間が長くなります。

番組では、プラスチックに付着したウィルスの生存時間を夏と秋の温度と湿度で比べた結果を示していました。

気温35℃、湿度60%の夏場だと、ウィルスの生存時間は2時間です。一方、気温24度、湿度20%になると、ウィルスの生存時間は15時間にもなります。

そのため、低温と乾燥の環境下では、新型コロナウィルスの感染拡大のリスクが高まると考えられているのです。

生存時間が長くなるなら、洗って流してしまおう!やはり、手洗いや手指の消毒が、冬でも自分の身を守るためにも大切なようです。

ところで、番組では、ここである問いかけをしていました。

日本を含む東アジアの国では、欧米などに比べて明らかに新型コロナウィルスによる死亡者数が少ない。

ここからは、その疑問の答えとなる可能性がある「感染者が増加しても死亡者数を抑え込める『特別な要因』」についてみていきたいと思います。

 

死亡者数を抑え込む特別な要因!?

新型コロナウィルスのかかった人の重症化率は国によって違いますが、日本は比較的低い方です。なので、たとえ感染者数が増加しても死亡者の数を抑える「特別な要因」があるのでは?と考えられています。

中でも、日本の低い死亡者数と関係があるのは、「交差免疫」というキーワードでした。

交差免疫は交差反応とも言われています。

交差免疫

「普通の風邪」によって獲得された免疫が、新型コロナウイルスにも効果を発揮するかもしれない──。そんな研究結果が、このほど公表された。ある病原体に対して起きる免疫反応が、別の似た病原体でも起こりうる「交差反応」と呼ばれる現象だ。wired

全論文AIによると、多くの論文が普通の風邪を引き起こす「季節風コロナウィルス」の 交差免疫 に注目しています。

番組では、実際に新型コロナウィルスに感染した患者で確認した研究(交差免疫・反応の効果)を紹介していました。

季節風コロナウィルスにかかった経験がない人が重症化した割合は28.1%。一方、かかったことがある人が重症化した割合は、なんと4.8%だったのです。

つまり、季節風コロナウィルスの免疫を持っていれば、新型コロナウィルスとの戦いを有利に進めることができるという可能性を示したのでした。

季節風コロナウィルスは主に東アジアで流行していました。

新型コロナウィルスの重症化の割合は国によって違いますが、その理由として、季節風コロナウィルスによる「交差免疫の強さ」が原因ではないかと考えられているそうです。

日本人の交差免疫

さらに、日本で新型コロナウィルスに感染した50人の血液検査をしたところ、なんと75%もの人が、新型コロナウィルスに対する「交差免疫」を持っていたことが分かりました。

東京大学先端科学技術センターの児玉龍彦名誉教授によると「日本の場合、交差免疫があるとすると感染の広がりが多人数にならないし、排出するウィルス量が多くない、かかっても軽症から中等症までに終わっている人が多い」ということだそうです。

マスクをすると免疫を獲得できる

日本人の死亡者数を抑える可能性のある原因は、「交差免疫」だけでないようです。

全論文AIの解読によると、マスクと免疫の関係を明らかにした興味深い論文が見つかりました。

あるアメリカの病院で、新型コロナウィルスに感染した軽症の入院患者に特別な隔離を行わず、病院のスタッフにどれほど感染が広がるかを調べました。

研究に協力した37人は、常にマスクを着用していました。3週間後13人が感染しましたが、症状が出たのは1人だけでした。

 

無症状感染者の割合

図1.無症状感染者の割合

これまでの集団感染の調査では、マスクをしていないで感染者が無症状ですむ割合は20%だと報告されていました(図1左)。しかし、全員マスクをしていたこの実験では、無症状だった人が92.3%にも及んだのです。

さらに、この無症状感染者の全員がいつの間にか、新型コロナウィルスに対する免疫力を獲得していたというのです。

その理由として、マスク着用 → 吸い込むウィルスの量が少ない → 軽症 → 少しだけ抗体を作る、といった微量感染の循環が示されていました。

その後も微量感染が繰り返され、免疫細胞は少しずつ訓練され、作り出される抗体が増えていく・・・。「こうして、知らぬ間に免疫力を獲得できたと考えられる」と番組では紹介していました。

冬の感染

上で示した研究成果を受け、この冬、日本で感染者や死亡者の数はどうなるのか?という問いに対して、全論文AIは以下のような回答を導き出しました。

 

低温と乾燥などのマイナス要因を、交差免疫とマスクといった防御の要因がどれだけ働くかが、この冬の対策のカギである。

 

ただし、免疫のレジェンド宮坂教授によると、「交差免疫」が新型コロナウィルスの重症化を止めているというのはまだ可能性の段階であって、科学的には証明されているものではないそうです。ただ、ぜひそうであって欲しいと思われるテーマのようなので、今後のさらなる研究が待たれます。

さらに、宮坂教授は、マスクの効果に関しても補足していました。

考えられるマスクの効果

  1. 免疫力を高める
  2. 吸い込むウィルスの量を減らす

マスクの効果が上記の1なのか、2なのかは、まだよく分かっていないそうです。

でも、やはりマスクを着用することが大切なようです。もし「マスクを着けると免疫力を高めることができる!」なんていう証明がされたなら、これほど簡単で安価な対策方法はないと思います(番組では、マスクの性質に関しては言及していませんでした)。

とりあえず、引き続き、手持ちのマスクで「感染しない・させない」を続けたいと思います。

 

AIが示す「注目の技術」

番組では、他にもいろんな情報を提供していましたが、気になった「注目の技術」をご紹介したいと思います。

感染症予防に関する論文の中から全論文AIが抽出した「注目の技術」の急上昇ワードのトップ5は、以下です。

  1. 消毒技術
  2. 紫外線
  3. 不活化
  4. 蒸発
  5. 加湿器

加湿器

イエール大学医学部・岩崎明子教授によると、ウィルスなどを含んだ異物がのどの線毛 (せんもう) によって押し戻される割合は、湿度50%の状態の方が、湿度10%(乾燥)より、高かったという結果が得られたそうです。

つまり、適度な湿度は、異物をのどから押し出しやすい状態を作るということです。

加湿器の効果は、スーパーコンピューター富岳での湿度と飛沫の実験でも示されています(よくニュース番組でも紹介されている飛沫実験です)。

さらに、岩崎明子教授によると、湿度40~60度の状態が、線毛の働きがいいようです。

ただし、注意点もあります。

注意点

  • 加湿しすぎるとカビが発生して、別の問題が起こる。
  • 加湿している部屋では(ウィルスが床に落ちるので)床やテーブルをよく拭き掃除したほうがいい。

 

注意点の2つ目の拭き掃除は、高山先生が追加でコメントされていました。

 

momoka
momoka
何か一つに頼るのではなく、合わせ技がコロナ対策には大切なようです。適度な加湿と拭き掃除!

 

新技術

さらに、実際に導入されている新技術の紹介もありました。

まず、新型コロナウィルスの感染に効果があるとして注目されている、222nm (ナノメートル) の紫外線。222nmの紫外線は、これまで使われていた紫外線と違い、人体皮膚への安全性(9割も無害化)と、殺菌効果の両立を立証した論文があるそうです。

この222nmの紫外線は、加賀市が全国の自治体に先駆けて加賀市医療センターに導入されています。飛沫感染や接触感染のリスクが高いとされている受付カウンターや再来受付機・精算機周辺、ならびに発熱・救急待合などに設置されているそうです。

その他には、低濃度のオゾンガスの発生器が装着されているタクシーなどもあるそうです。

新しい技術をうまく活用していくと、新型コロナウィルスに対して強い社会を築くことができますが、番組では、宮坂教授や高山先生から、「新規技術に頼りすぎず、3密予防、手洗い、マスクといった基本が大切」といった言葉も聞かれました。

 

momoka
momoka
基本の大切さは、ジムやスーパー、旅先で感じた点です。周辺対策が万全でも、結局は、人々の意識も大切なのだと、番組を見て改めて感じました。

 

さいごに

今回は、新型コロナウィルスに関する論文をAIが分析した、新型コロナウィルスの最新情報をご紹介しました。

この番組の面白かったところは、研究結果をただ紹介するのではなく、専門家の方々によるコメントがあったことです。

論文で発表されたことは、検体数が少ないものや、研究の初期段階のものも中にはあります。なので、新発見!と先走ってしまっては、間違った情報を拡散してしまう危険があるかもしれません。

なので、あくまでも可能性(しかし、そうであってほしい!)として、見ておくといいようです。

新型コロナウィルスの感染拡大が始まって、もうすぐ2回目の冬を迎えようとしています。

1年前に比べると、いろんなことが分かってきていますし、いろんな経験もしてきました。なので、表面的な数字に踊らされないで、落ち着いて自分が何をしないといけないかを考えられるようになったと思います。

ところで、同じ番組を見ても、友人と私では全く違ったところに注目していました。

彼女には持病があるので「長く症状が続く患者の8割は女性、その平均年齢は44歳」という部分が気になったようです。私は、旅先での対策に常に意識があるので、マスクの効果などが気になったのだと思います。

 

momoka
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皆さまはいかがでしょうか?

 

現在(2020年11月17日)番組の一部は公式サイトでも見られるようなので、リンクをはっておきます。皆さまにとっての必要な情報提供となれば幸いです。

新型コロナ 全論文解読 〜AIで迫る いま知りたいこと〜

 

人間なので緊張状態は長く続きませんし、「緩み」は誰でもに起こることです。ただ、マスクや手洗いの励行は、少し意識すれば続けることができます。冬を迎えるにあたっては、「感染しない・させない」を念頭に、引き続きマスク・手洗い・換気を励行し、さらに、加湿器・拭き掃除を加えていきたいと思います。

最後までご覧いただきありがとうございます。

※イラストは、いらすとやさんからお借りしました。

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