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聖徳太子が空を飛んで富士山へ!5G と AR で鑑賞する「国宝・聖徳太子絵伝 」

日本で最も長い歴史を持つ東京国立博物館が、最先端の技術とコラボすると、文化財の鑑賞はどう変わるのか?そんなテーマを持ったプロジェクトを体験してきました。「5Gで文化財 国宝『聖徳太子伝』ARでたどる聖徳太子の生涯」。今話題の5GとARを使えば何ができるのか、ご紹介します。

 

5Gとは?

5G(ファイブジー)とは、5Th Generation (第五世代) の略語で、現状より進化した次世代の移動通信システムです。

ちなみに、1G~4Gは以下のようなものです。

  • 1G:1980年代のアナログ携帯電話
  • 2G:1990年頃~、通信がデジタルに移行してインターネットの接続開始
  • 3G:2000年頃~、通信の高速化、モバイル機器でのインターネット接続が一般化
  • 4G:2010年頃~、LTE (高速化技術) とスマートフォンの普及

2020年の春から本格的に始まろうとしている5Gは、以下のような特徴をもっています。

  1. 高速で大容量の通信
  2. 信頼性の高い低遅延の通信
  3. 多数の機器に同時に接続可能

さらに詳しく見ていきます。

高速・大容量

5Gと言えば、一番に「高速」が頭に浮かびます。4Gでは2時間の動画をダウンロードするのに30秒前後かかるところ、5Gではわずか数秒でダウンロードできるようになるそうです。これにより大容量のデータを必要とする3D映像のダウンロードも容易になります。

低遅延

低遅延化による可能性として、医療や産業面での利用が思い浮かびます。例えば、医師と患者の距離が離れていても、ロボットなどを使って高度な医療を受けられる時代が来るかもしれません。このときに5Gがあれば、通信上での遅延というリスクを減らせます。自動運転にも使えるかもしれません。

多数接続

スマホやパソコンだけでなく、家の中にある家電と通信できるようになります。つまり、家庭にある多くのデジタル家電や冷蔵庫などの白物家電までもがネットワークにつながるのです。

例えば、朝起きたら自動でカーテンが開き、コーヒーを淹れ、ご飯を作ってくれる。また、家に戻ると部屋が快適な温度になっていて、お風呂にもすぐ入れる・・・。未来を描いた映画のような生活が実現するかもしれません。

2020年の春から、次々と商業的なサービスが開始されるようです。新しい「iPhone12」も、5G対応です。

 

ARとは?

AR (Augmented Reality:オーギュメンテッド・リアリティ)とは、拡張現実、もしくは拡張現実感と訳されます。実際の景色に文字や画像などの情報を加える技術です。

VRはカメラで撮影された動画・画像をコンピューターが創ったデジタル空間、仮想世界に没入するリアリティーを実現するものに対し、ARは実際の景色にコンピューターで創った文字や画像を重ね合わせ、現実の世界を拡張、補完するものなんです。ARの代表作として大ヒットした「Pokémon GO」や、写真を加工するアプリ「スノー SNOW」がありますね。

この技術を活用すると、街並みの景色を見たときに、それぞれの建物の名前や、建物内に入っているお店の情報を見ることができるなどの用途にも活用できます。自動車の運転中に幹線道路からは見えづらいコンビニや公園などの場所をサインで教えてくれたり、ドローンの映像に建物の名前を追加表示することなど、便利に利用できると考えられています。VRとAR

 

momoka
こんな5Gと、 AR (拡張現実) を使って、国宝 聖徳太子絵伝を鑑賞してきました。

 

聖徳太子絵伝

「聖徳太子絵伝」は、もと法隆寺東院の絵殿 (えでん) を飾っていた障子絵です。1069 (延久1) 年、摂津国 (現在の大阪府) の絵師・秦致貞 (はたのちてい) によって描かれ、かつて奈良・法隆寺の東院伽藍に位置する絵伝の内壁にはめこまれていました。

10 面からなる大画面には、法隆寺のある斑鳩の地を中心に、飛鳥や難波(現在の大阪府)、さらに中国・衡山までを見渡す雄大な景観が描かれています。

そして、そこには「黒駒で空を飛んで富士山へ」や「憲法17条をつくる」「難波に四天王寺を建立する」など、などの太子にまつわる58のエピソードが描かれています。

現在は東京国立博物館が所蔵しており、大変貴重な作品ですが、長い年月を経て画面はいたんでしまい、展示ケース越しでは細かい描写を鑑賞することができません。また、作品保存の観点から、年に1ヶ月ほどの限られた期間しか見ることができませんでした。

 

聖徳太子絵伝の詳細はこちらをどうぞ >>> 聖徳太子絵伝

 

そんな「聖徳太子絵伝」を5Gの高速大容量通信技術やAR技術を組み合わせることで、まるで描かれた時の作品を見るかのような鑑賞体験を可能にしました。

その体験には、上の写真に写っている、AR用の眼鏡 (魔法のグラス) と、5Gスマートフォン (魔法のルーペ) を使います。

https://artsticker.app/

魔法のグラスは「ARグラスと5Gスマートフォンを合体させたもの」、魔法のルーペは「見たい部分をスマートフォン上で拡大して、説明を聞きながら見ることができるもの」といった感じのものでした。

この2つを使って、国宝「聖徳太子絵伝」の世界に入ります。

 

魔法のグラス

魔法のグラス(ARグラス)は、現実世界にデジタル情報を重ね合わせて表示できるものです。

会場に設置されている原寸大の「絵伝」複製画パネルの前で「魔法のグラス」をかけると、目の前に小さな画面が現れます。そして、聖徳太子の生涯をたどる代表的な10のエピソードについて、一つ一つ、アニメーションや音声ガイダンスで鑑賞することができます。

全10面の絵伝のうち、1・2面には太子の幼少期の事蹟が描かれ、その後、飛鳥、斑鳩、難波、そして中国の衡山 (こうざん) へと実際の地理と近い並びで太子の生涯が展開されています。

 

黒駒 (くろこま)で空を飛んで富士山へ

「魔法のグラス」をかけて、会場の原寸大複製画パネルに表示される「番号」を見ます。すると、目の前に、その番号にそったアニメーションや説明が流れてきました。つまり、自分の視線だけで操作できるのです!

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例えば甲斐の国 (現在の山梨県) から献上された馬に乗り、富士山上空を飛んで東の国へ向かう太子を描いた「黒駒で空を飛んで富士山へ」では、馬に乗って西から東へ駆けていく太子の姿を見ることができます。

音が出ますのでお気を付けください。

アニメーションに使われているイラストは、東京国立博物館の研究員が監修し、分かりやすい形で作画したものです。現実の絵画では消えてしまっている馬の後ろに乗っている人が、アニメーションでは再現されていました。

このシーンはテレビのCMでも流されたので、ご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

魔法のルーぺ

魔法のルーペ (5Gスマートフォン) を複製画パネルにかざすと、スマートフォン画面に高精細画像がパネルとぴったり重なって表示されます。

58のエピソードから鑑賞したい番号を選択すると、1面あたり18億画素の高精細・大容量画像を拡大縮小しながら鑑賞できます。

同時に、ナレーションだけでなく、文字での解説も表示されます。美術館のオーディオガイダンスのようなものですが、手元で画像を拡大させて見ることができるので、より一層理解が深まりました。

5Gにより、肉眼では見ることができない細かな部分まで鑑賞することができます。ついのめり込んでしまい、30分あった鑑賞時間(体験時間は約40分)があっという間に過ぎてしまいました。

※体験は、完全入れ替え制です。

みどころのPDFはこちら

 

コンテンツ体験の日時と予約

コンテンツを体験するには、東京国立博物館の入場予約と、②コンテンツ自体の予約が必要です。

  • 開催日:2020年9月29日(火) ~ 2020年10月25日(日)
  • 時間:10:00~17:00(金・土は20:00まで)
  • 会場 法隆寺宝物館
  • 休館日:月曜日
  • 料金コンテンツ体験は無料です。ただし、東京国立博物館(総合文化展または特別展)の観覧料が必要です。

*総合文化展の観覧料金は、一般1,000円、大学生500円です。

 

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体験できるのは、敷地内にある「法隆寺宝物館」なので、敷地に入るためのチケットが必要なのです。

 

最新情報は、東京国立博物館・イベント でお確かめください。

 

事前予約制の仕方

オンラインによる日時指定券の予約方法です。スマホ、PCの両方で行えます。

 

step
1
ArtStickerで予約

まずは、「5Gで文化財 国宝『聖徳太子絵伝』」について、ArtSticker に登録してから予約します。

 

参加人数(1回8枚まで申し込み可能)を選び、「次へ」をタップします。

コンテンツ体験の事前予約は、毎週金曜日正午12:00に翌週入館分の予約受付を開始予定です。

例)9月29日(火)~10月4日(日)入館分は9月25日(金)正午12:00に受付開始

「体験には有線イヤホン(3.5mmオーディオジャック)が必要になります」と書かれていましたが、マストではありません。私は、会場で貸りました。

平日の最終回16時からの体験の場合、総合文化展の予約は、15:30~より前の予約が必要です。

 

 

チケットの申込が完了すると、上のような画面になります。登録したメールアドレスにもQRコードにアクセスできるメールが送られてきます。

 

QRコードを表示させる場合は、上の部分にある「お知らせ」をタップします。

予約サイトはこちら >>> 5Gで文化財 国宝「聖徳太子絵伝」

 

step
2
東京国立博物館の予約

次に、東京国立博物館の予約をします。購入しておけば、当日はQRコードを見せるだけで入場できます。

オンラインチケットはこちら >>> 東京国立博物館

 

momoka
当日は、①東京国立博物館、②聖徳太子絵伝、の順に見せることになります。

 

東京国立博物館への行き方

  • JR上野公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分
  • 東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、東京メトロ千代田線根津駅、
  • 京成電鉄京成線上野駅より徒歩15分

まずは、東京国立博物館の敷地へ入ります。入口で、東京国立博物館 (総合文化展または特別展) の入場チケット (QRコード) を見せます。

敷地へ入る前に、手首での検温と手指の消毒があります。

「聖徳太子絵伝」の体験も、当日でも予約はできるようですが、平日でも「空きなし」でした。なので、事前予約をおすすめします。

少し早くに着いたので、敷地内を歩いていました。都内にこんなに広くて、人がいない場所があるとはびっくり!です。

当日は、予約時刻の10分前までに、法隆寺宝物館中2階特設会場へ集合します。

「法隆寺宝物殿」です。こんなきれいな建物だとは思いませんでした。静かで、ここも参加者とスタッフ以外誰もいませんでした。

 

さいごに

テレビCMで見て、行く日程を決めて、予約ができるようになったらすぐに予約しました。

5Gと聞くと高速通信しか思い浮かばず、LINEとゲーム、そしてネット検索しかしない私にとっては、縁がないものだと思っていました。でも、ARグラスをかけて5Gを使うと、視線だけで何かができることを体験でき、その可能性に驚きました。

肉眼ではほとんど見ることができない古い絵画でも、近未来の技術で、楽しめる!同時に、ナレーションなどで解説してもらえるので、その作品の理解が深まります。ただ見るだけの鑑賞から、もっと掘り込んで理解できる作品鑑賞に変わるので、とても楽しい体験となりました。

欲を言えば、魔法のグラスをもっと長い時間使ってみたかったです。

聖徳太子絵伝で近未来体験したあとは、がっつり過去に戻りました。東京国立博物館は、1,000円でこんなに楽しめるのか!?といったほど常設展の展示物は充実していましたので、また近いうちに行ってみたいと思います。

 

最後までご覧いただきありがとうございます。

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