旅とアロマ

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五感で楽しむ旅とアロマ

帰国時にデモに遭遇したらどうする? ~バルセロナでの体験~

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バルセロナから帰国しました。旅自体は本当に楽しかった(今後記事をアップする予定です)のですが、ちょっとピンチなこともありました。それは、バルセロナでデモに遭遇したことです。初めてではないのですが、空港に影響があるような大きなデモは初めてです。なので、体験したことや注意したことをまとめてみました。

たびレジ登録

今回、旅に出る前にいろいろ調べていたら「バルセロナの治安の悪化」という情報を得たため、「たびレジ」に登録して出かけました。「たびレジ」とは、外務省からの最新の安全情報を日本語で受信できるサービスです。すると、すぐに「デモの予定」や「デモの現状」に関するメールが毎日のように届きました。

15日(火)15:30現在,バルセロナ市で1か所,バルセロナ県及びジローナ県内の道路3か所で,デモ隊による道路封鎖が実施されています。
  • 地下鉄L5線サンツ駅は閉鎖されています。
  • スペイン広場付近を運行するバスに影響が出ています。
  • 一部の独立派がSNSで,今夜のデモへの参加を呼びかけています。
これら以外にも突発的にデモが発生する可能性もありますので,各自で,テレビ,インターネット等で情報収集をして下さい。

文字だけで見るとピンと来ないので、実際にどうだったかをお知らせしたいと思います。

当日何が起こったか

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上のメールにあったサンツ駅は、レンフェ(スペイン国鉄)や発着し、地下鉄に乗り継げるバルセロナの主要駅です。この日の11時ごろ、近郊の町からAVE(高速鉄道)でサンツ駅に入りました。列車の遅延などはなく、駅も一見通常のように思えました。

-地下鉄・サンツ駅閉鎖

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上の写真はサンツ駅の建物を背に見た景色です。本来なら、AVEからサンツ駅の建物内から地下鉄へ乗り継ぎができるのですが、この日は地下鉄のホームが繋がる階段が閉鎖されていました。

そのため、サンツ駅の建物から一旦外へ出て250mくらい歩いたところにある別の入り口からアクセスしました。このときはまだ地下鉄も運行されていました。また、サンツ駅には係員があちこちにいるので、分からないことはすぐに質問できます(英語可)。

この状態が、メールの「地下鉄L5線サンツ駅は閉鎖されています。」の現状でした。

-スペイン広場のバスに影響

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スペイン広場はサンツ駅から徒歩15分くらいにある場所です。空港バスの発着だけでなく、地下鉄の駅もあります。バルセロナの中心地(カタルーニャ広場)と空港の中間くらいのところにありますが、空港バスの一番空港寄りの停留所があります。

デモが予定されていない日の朝6時過ぎにサンツ駅まで2人で歩いたのですが、特に危険だとは感じませんでした。ただ、何かあると人が集まり、危険度が高まるようです。

「スペイン広場付近を運行するバスに影響が出ています。」と情報を得たら、空港バスの運行を確認する必要があります。

カタルーニャ広場

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ちなみに、空港バスの始発・終点はカタルーニャ広場です。この日は、カタルーニャ広場に関しては特に警告が出ていませんでしたが、広場には多くのデモ参加者が集まっていました。

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この日のデモは暴力的なモノではなく、周囲には観光客も多く、周辺のお店も通常営業していました。ただし、この日はバスが停まっておらず、広場の周りには車が入れないようになっていました。

「スペイン広場付近を運行するバスに影響が出ています。」と情報を得たら、他のバス停もチェックする必要があると思いました。

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上の写真は次の日の早朝の様子です。前日の喧騒がウソのように静まり、バスも朝5時半から運行していると、ホテルのスタッフに教えてもらいました。

-今夜のデモへの参加

15日の夜、大規模デモが発生していることをテレビのニュースで知りました。市内のあちこちで道は閉鎖され、空港へのアクセスも遮断されたようです。ニュース番組には、途中バスから降りて、歩いて空港へ向かうエミレーツ航空の乗務員の姿が映っていました。


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バルセロナに到着したときに利用した空港のタクシー乗り場への通路です。

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このタクシー乗り場で、独立支持派の市民と警察が衝突したようです。ニュースの映像では、空港の建物の一角を包囲する警察を突破しようとする人や、警察が警棒で抗議者を殴ったり、催涙ガスで追い払おうとする様子が確認できました。

香港のデモのような激しいもので、スペインの空港当局(AENA)によると、この大規模なデモの影響で108便が欠航となってしまったそうです。飛行機に乗れなかった人は、市内へも行くことができず、空港で一晩過ごしたそうです。

デモの原因は独立運動

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スペイン - Wikipedia

スペインには17の自治州があります。その中には「バスク」や「カタルーニャ」といった独自の歴史・伝統・習慣・言語、そして民族アイデンティティ持った自治州があります。今回行ったバルセロナは後者の「カタルーニャ」の州都で、独立運動がデモの発端です。

カタルーニャの歴史

カタルーニャ州は、スペイン北東部の地中海岸に位置しています。交通の要衝として古代から栄え、中世にはアラゴン王国として地中海の覇権を握りました。1479年、アラゴン王国は、カスティリヤ王国*1と合同してスペイン王国が成立します。

1979年、カタルーニャ州はスペイン国家内で自治州の地位を得ました。2006年には、カタルーニャ自治憲章が制定されましたが、2007年に違憲であると提訴を受け、2010年に違憲判決が下されました。

この判決を受けて独立運動の機運が高まり、同2010年にはバルセロナで、カタルーニャ独立運動の歴史において最大規模と言われているデモ(参加者100万人)が行われました。 2017年6月には、プチデモン州首相(当時) が「10月1日に独立の是非を問う住民投票を実施して、過半数が賛成であれば48時間以内に独立宣言を行う」と発表しました。結果、賛成投票者は90%(投票率は43%)となりましたが、大規模な独立反対のデモが行われたことなどもあり、プチデモン首相は「独立宣言に署名はするものの保留」としてスペイン中央政府との対話を望むとの意思表明をしました。

しかし、中央政府は対話には応じず、同年10月16日には独立運動の指揮を執る支持団体のリーダーが逮捕されてしまいます。さらに10月21日、プチデモン州首相が解任され*2、州会議の解散と自治権の停止が発表されました。その後、中央政府は独立派の首相を含む州政府のトップを「反逆罪」として告訴し、11月2日には、副州首相をはじめとする州議会のトップが有罪判決を受けて拘束されてしまいました。

今回のデモは、その拘束されていた同州政府幹部らの刑が確定したことによるものです。スペインの最高裁判所は14日、2017年に北東部カタルーニャ州の独立を問う国民投票を強行したとして、同州政府幹部ら9人に対し9年から13年の禁錮刑、3人に不従順の罪で罰金刑を言い渡しました。 

デモの情報収集

このような状況下では情報収集が一番大切だと実感しました。2人とも搭乗予定の航空会社のアプリをダウンロードしていたので、そこから便の発着を確認できます。空港は閉鎖されていなかったので、とりあえず飛行機さえ到着していれば帰国できます。

空港へのアクセス

空港へのアクセス。その情報を得るには以下の方法を利用しました。

  1. たびレジ
  2. ツィッター
  3. 現地テレビ・ニュース
  4. ホテルのスタッフに尋ねる

1.たびレジ

たびレジには「参考ウェブサイト」として以下の公式サイトのアドレスがありました。
(1)道路情報関連
ア カタルーニャ州全域:http://mct.gencat.cat/
イ バルセロナ市:https://com-shi-va.barcelona.cat/ca/transit
(2)公共交通機関関連
ア 地下鉄,バス,路面電車
・バルセロナ市交通局:https://twitter.com/tmbinfo
イ 鉄道
・FGC:https://twitter.com/FGC
・Rodalies de Catalunya:https://twitter.com/rodalies
・Renfe:https://twitter.com/Renfe

一番知りたかった「バルセロナ市交通局」のアクセスしてみました。

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スペイン語オンリー!他のサイトも同様でした。これは、あまり役に立ちそうにありません(読めても、状況が理解できませんでした)。

Twitter

日本語での情報を得るのが一番かな?と思って「#バルセロナデモ」で検索したのですが、みなさん同様に、先の見えない不安を抱えたまま過ごされている様子が分かっただけでした。ちょうど、日本では台風の影響を受けており、yahooニュースも、スペインのデモなんて情報発信している場合ではありませんし・・・。

現地テレビのニュース

幸い、2人ともスペイン語が分かったので、テレビのライブ映像で現状だけは知ることができました。ただ、結構夜遅くまで暴徒化したデモ参加者の様子が映し出されているだけで、今後のことなどは分かりませんでした。

ホテルでの情報

ホテルスタッフに相談しようとロビーに降りた時、ちょうど日本人旅行者が到着したので、友人が外の状況を尋ねてくれました。すると

空港はカオスでしたよ。3時間待って、やっと地下鉄が動いたので乗ることができましたよ~。

とのことでした。ロンドンから着かれて、デモに遭遇してしまったようです。

ホテルのスタッフも親切で、いろいろ検索してくれ、明日の朝早くに情報を再確認することを提案してくれました。私たちの便は夕方発だったのですが、とりあえず、朝に確認した後、どのように動くか決めて早めに休むことにしました。

結果どうなったか

次の朝早く、ホテルのスタッフに確認すると「空港バスも朝5時半から運行していて、全て通常」とのことでした。心配する私たちを落ち着かせてくれようとする心配り(言葉選び)もありました。

今後また突然何が起こるか分かりません。まずは、アクセスが可能な間に、空港へ行っておくことにしました。

空港に着くと、前日の喧騒がウソのように(便変更などの人はたくさん列を作っていたり、床に寝ている人はいましたが)通常の空港の状態にに戻っていました。

バルセロナのその後

スペインのお住まいの(勝手に)ブログ友だちの yukitaさん情報によると、デモは続いているようです。現在、空港閉鎖までには至っていなようなのですが、今後も情報だけは確認しておきたいと思います。

次回のために

次回のために、旅の準備で絶対することは以下の2点です。

  1. ホテル選び
  2. たびレジ
  3. 航空会社のアプリをダウンロード

ホテル選び

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今回泊まったのは、Casa Camperという、小さなブティックホテルです。トリップアドバイザーの評価も高いのですが、「悪い」評価がほとんどないことで選びました。

口コミ通り快適で最高のホテルでした。それ以上に良かったのは、非常時のアシストです。いろいろ調べてくれ、力になってくれたことが一番大きかったです。また、どのスタッフも親切で、落ち着いて話してくれるので、こちらも安心することができました。

①「悪い」という評価がないか、少ない。

② wifiが利用できる。

上の2点は、本当に大切だと実感しました。

 

また、「たびレジ」に登録しておくと、こちらかからも情報を得ることができます。さらに、「航空会社のアプリ」をダウンロードしておくと、空港が閉鎖したときや搭乗便が到着できないときなど、個別の情報を入手できます。

本当は、これから行かれる方が不安だけを感じてしまったら、申し訳ないな・・・とも考えたのですが、私の経験がどなたかのお役に立つかもしれない(ないかもしれない!?)のでご紹介することにしました。

情報を入手(危険予知)して楽しい旅になりますように!

最後までご覧いただきありがとうございます。

 

*1:カスティリヤ王国はレコンキスタ(国土回復運動)を推進した国で、1492年にはグラナダのナスル朝を滅ぼしてレコンキスタを完了させます。

*2:逮捕状が出ているプチデモン首相は「スペインには司法の独立性がなく公正な裁判をうけられない」とEU議会に判断を求めるためベルギーに移動しています。