
ANAもJALも、マイルや航空券などの購入に利用できる電子クーポン(ANA SKY コイン・eJAL ポイント)の有効期限を延長してくれています。
しかし、喜んでいたら、有効期限が2022年3月末のANAマイルがかなりあることに気づきました。
2回目の特典航空券・世界一周の旅を目論んで(ポイ活もしながら)貯めたマイルです。
なので、有効期限前に放出してしまおう!と計画を立てたら、日本の特典航空券にも PFC (Passenger Facility Charge:国内線旅客施設使用料の代行徴収が開始されると知りました。
PFCは、8月に発表されていたものですが、見逃していました。
ただ、ANAとJALとでは、少し徴収方法が違います。
今回は、マイルの有効期限の延長と、2021年10月31日から始まる国内線特典航空券のPFC徴収について、ANAとJALを比較してみました。
オマケ情報として、JALの国内線・特典航空券つながりのBAもご紹介しています。
ANAマイル等の有効期限延長
ANAとJALのマイルや電子クーポンの有効期限の特別措置。
有効期限の延長は同じですが、ANAとJALとでは、特別措置の内容が違います。
ANAの場合は、純粋な有効期限の延長です。
当初 2021年9月末までだった有効期限が、さらに延長されて、2022年3月31日 となりました。
マイルやANA SKY コインは2021年9月30日(木)で一度失効します。ただし、2022年3月31日(木)までの有効期限として、同数のマイル・ANA SKY コインが2021年10月下旬に積算・付与されます。
これで、2022年の3月末までに使い道を考えればいいことになりました。
事前登録期間中に(1度)登録が必要です。
- ご自身の参加登録状況については、参加登録のご確認方法 をご確認ください。
さらに!

ANAマイルやANA SKY コインは、2023年3月末までと、さらに1年延長となります(2022年2月14日更新)。
本当にありがたい措置です!
詳しくはこちらをご覧ください >>> マイル・ANA SKY コイン有効期限延長
JALマイル等の有効期限延長
一方、JALの場合は、ちょっと複雑です。
しかも、ANAより延長される有効期限が短いのが難点です。

JALの場合、有効期限を迎える「マイル」と「e JALポイント」は、新たな有効期限の「e JALポイント」になります。
1マイルは、1.5 e JALポイント換算されます(小数点以下は切り上げ)。
有効期限を有効期限を迎えた「e JALポイント」は、同数の e JALポイント として積算されます。
事前登録期間内に登録が必要です。
有効期限をむかえたマイルおよび e JALポイントは一旦失効しますが、事前登録した翌月下旬頃に、以下の有効期限で積算されます。
保有のマイル・e JALポイント有効期限 | 事前登録期限 | 新たなe JALポイント有効期限 |
---|---|---|
2022年3月末~2022年9月末 | 2022年9月30日(金)日本時間23:59まで | 2022年10月末 |
さらに詳しく
- なお、2022年2月28日までに事前登録して、2022年2月末に有効期限を迎えるマイル・e JALポイントをお持ちの方については、3月中旬頃に新たに10月末有効期限のe JALポイントとして積算されます。
- 現在保有の e JALポイントの有効期限が、この取り扱いにより積算される「新たなe JALポイント有効期限」より⻑い場合は、既に持っているe JALポイントの有効期限が優先されます。
分かりにくい・・・
さらに延長
さらに、その e JALポイントの有効期限を延長する方法があります。
通常の e JALポイントの有効期限は、特典交換を行った日の1年後の同月末です。なので、追加での特典交換によって有効期限の更新が可能です。
例えば、2022年3月1日に、追加で、5,000マイルを e JAL ポイントに交換すると、保有する全ての e JAL ポイント の有効期限が、1年後の 2023年の3月末に延長されます。
つまり、有効期限を迎えるマイルを持っている場合は、ギリギリに e JALポイントに変えた方が、特別措置より長い有効期限となるのです。
- 出所:e JALポイント特典

特典航空券のPFC
ところで、今まで、ANAやJALのマイルを使って自社の特典航空券を発券する場合、手数料などはかかりませんでした。
実質無料で、特典航空券を発券することができました。
しかし、2021年10月31日、海外の航空会社のマイレージサービス同様に、 PFC (Passenger Facility Charge:国内線旅客施設使用料)の代行徴収が始まりました。
PFC
PFCとは、旅客施設の維持・整備を使途とした空港使用料です。
この料金は、旅客が対象空港発着便の航空券を購入の際、航空運賃とともに支払い、航空会社が空港管理会社へ納入するものです。
各空港の管理会社は、当該料金を、出発・到着ロビー等さまざまな施設を整備するための費用等に充当しています。
PFCが設定されているのは、航空会社の公式サイトによると、国内 10 の空港です(2022年1月現在)。
ANAもJALもPFC徴収の開始時期は同じですが、2社の徴収方法には違いがありました。
ANAのPFC
ANAは、特典航空券の旅程にPFC対象空港を発着する便を含む場合、必要マイル数の減算の際に、クレジットカードで支払います。
発着空港 | 大人(12歳~) | 小人(3歳~11歳) |
---|---|---|
新千歳空港 | 270円 | 140円 |
仙台空港 | 230円 | 120円 |
羽田空港 | 290円 | 140円 |
成田空港 | 450円 | 220円 |
中部空港 | 440円 | 220円 |
伊丹空港 | 260円 | 130円 |
関西空港・ 第1ターミナル | 440円 | 220円 |
福岡空港 | 110円*1 | 50円*1 |
北九州空港 | 100円 | 50円 |
那覇空港 | 120円 | 60円 |
上記は消費税込みの金額です。
満3歳未満であっても座席を保有(航空券を購入)する場合は、小人料金を適用します。
対象航空券
- 国内線特典航空券*(いっしょにマイル割運賃のマイレージ利用旅客を含む)
- 国際線特典航空券に含まれる日本国内区間*
(*) ANA便名のコードシェア便をご利用の場合も対象です。
2021年8月28日までに発券した「国内線特典航空券」は、発券後に予約を変更しても、PFCは追徴されません。
ただし、国際線特典航空券に含まれる日本国内区間:発券後に、2021年8月29日以降に予約を変更した場合、PFCを追徴されます。
出所:特典航空券における国内線旅客施設使用料(PFC)の適用開始について(2021年10月31日搭乗分より)
JALのPFC
一方、JALの場合は、PFC対象空港発着路線を利用する際、出発・到着空港それぞれに対し、以下のマイル数が追加されます。
2021年7月現在 単位:マイル
発着空港 | 追加マイル数 |
---|---|
新千歳空港* | 270 |
仙台空港 | 230 |
羽田空港 | 290 |
成田空港 | 290 |
中部空港 | 440 |
伊丹空港 | 260 |
関西空港 | 260 |
福岡空港 | 100 |
北九州空港 | 100 |
那覇空港 | 120 |
* 新千歳-女満別はシステム上の都合により追加マイル数の対象外です。
羽田-伊丹の必要マイル数 (1区間)
- 2021年10月30日申し込み分まで:6,000マイル(A区間)
- 2021年10月31日申し込み分から:6,550マイル(A区間+羽田290マイル+伊丹260マイル)
出所:国内線特典航空券における国内線旅客施設使用料(PFC)
ところで、通常、JALカードなどを利用して貯まるマイルは、200円で1マイル です(ショッピングマイルや、JALカードnaviを除く)
JALカードのショッピングマイルに参加している場合、対象店舗で利用すると、100円=1マイルのこともあります。
私事ですが、2021年度で獲得した1マイルの最も低い単価は、搭乗マイルの「1円=4.3円」でした。これは、1,000マイル貯めるのに4,300円かかったことになります。
さらに、羽田 - 伊丹 (片道)にかかるPFC / 550マイルは、2,365円 (=4.3円で1マイルの場合) 以上もかけて貯めたマイルということになります!

JAL国内線における1マイルの価値は「約3.5~6円」と聞いたことがあるのですが、それを「1マイル=1円」で放出せよとは( ゚Д゚)
マイルはおまけで貰ったものだから、出費はないと考えるといいのでしょうか・・・。
いつでも特典航空券
11月1日より、「混雑する時期でもマイルで予約が取れるよう、国内線特典航空券を使いやすくしてほしい」という旅客の声に対応するため、JALグループ国内線特典航空券の新サービス「いつでも特典航空券」を導入しました。
年末年始やゴールデンウィーク、夏休みなどの混雑する時期で、通常の特典航空券で予約できる席に空席がない場合でも、通常よりも多くのマイルを使うことで、特典航空券を発券できる機会が増えるとしています。
申し込み開始日
2021年11月1日(月) 09:30(日本時間)~
※2021年11月2日(火)搭乗分より予約可能
必要マイル数(普通席片道)
区間 | いつでも特典航空券必要マイル数 |
---|---|
A区間 | 2区間:26,000 1区間:13,000 |
B区間 | 2区間:48,000 1区間:24,000 |
C区間 | 2区間:80,000 1区間:40,000 |
- クラス J 席は、上記普通席の必要マイル数に1区間・1名様ごとに4,000マイルを追加したマイル数が必要です。
- 各区間の路線については、対象路線 をご覧ください。
- 上記で示した、発着空港別の追加マイル(PFC)も必要です。
フジドリームエアラインズ(FDA)や天草エアライン(AMX)とのコードシェア便が利用できるのは、嬉しいかな。
- 詳しくは、こちら、をご覧ください。
BAも改悪( ノД`)
ところで、BA (ブリティッシュエアウェイズ) のマイレージサービスは、JALの国内線、もしくは650mile以内の近距離国際線の特典航空券予が、JALよりも少ないマイル数で発券できるので、人気のプログラムでした。
コロナ禍以前、国際線の航空券を海外発券にする場合、韓国発着にすると費用を抑えられました。
なので、650mile 以内の海外である韓国(プサン)まではBAでJALの特典航空券を発券していました。
BAのマイレージサービスの単位はAviosといいます(他社のマイルと同じ意味です)。
当時は、日本から650mileの距離以内の路線だと、4,500Aviosで発券できたのです(2019年5月からは6,000Avios に変更)。
そのときのようすは、こちらでどうぞ。
-
【韓国】JALビジネスクラス搭乗記 ~BAの特典航空券で釜山まで~
特典航空券でプサンに行ってきました。
続きを見る
しかしながら、2021年7月21日から必要マイル数(BAではAvios)が大幅にアップし、おトク感はかなり減ってしまいました。
現在、必要なAvios数は以下です。
区間距離(mile) | 必要Avios数 |
---|---|
1-650 | 7,500 |
651-1150 | 10,000 |
1151-2000 | 11,000 |
2001-3000 | 13,000 |
試しに、HND-ITMのJAL特典航空券を見てみました(以下、2021年9月28日閲覧)。

羽田ー伊丹(大阪)の往復を、本家JALで特典航空券を発券した場合、12,000マイルで発券できます。
一方、BAで発券すると、15,000Avios も必要となってしまいました。以前と全く違います。
ただし、PFCは、ANAと同様に1,100円で済みますが・・・。
次に、羽田ー福岡の往復を見てみました。

ちなみに、HND-FUKUなら、JALと同じ15,000Aviosで発券でき、PFCも800円で済みます。
また、BAの場合、利用対象者の範囲が広いので友人を誘って行くこともできます。
10月31日以降、15,000マイルで行ける区間は、BAのAvios発券の方がいいかもしれません(探せば他にもあるかもしれません)。
ANAとJAL・BAのマイレージサービス
ANAとJAL、そしてJALの特典航空券を発券できるBAのマイレージサービスを比較してみました。
ANA | JAL | BA | |
---|---|---|---|
利用対象者 | 会員の配偶者・ 同性パートナー ・2親等以内 | 会員の2親等以内、 義兄弟姉妹の配偶者 | 家族や友人 |
マイル有効期限 | 3年* | 3年* | 3年以内の 増減により延長可 |
予約開始日 | 330日前 | 330日前 | 330日前 |
予約終了日 | 搭乗日前日 | 搭乗日前日 | 搭乗日3日前 |
PFCの支払方法 | クレジットカード | マイル | クレジットカード |
マイル数・往復 (HND-ITM) | 12,000 | 12,000 | 15,000 |
(HND-SPK) | 15,000 | 15,000 | 15,000 |
片道発券 | 可 | 可 | 可 |
( * ) 貯めたマイルは、利用になった月から数えて36ヵ月後の月末まで有効です(ANAダイヤモンド・JGP/JMBダイヤモンド会員を除く)。
ANAの場合は「トクたびマイル」、JALの場合は「どこかにマイル」といったマイルの減額プログラムがあるので、上記よりかなり少ないマイル数で発券できる場合もあります。
BAの場合、友人を誘って行くことができるプログラムなので、実質誰でも利用できるというメリットがあります。
Aviosの有効期限は36カ月(3年)ですが、増減により延長されます。
また、1暦年につき最大27,000 Aviosを他のクラブメンバーに譲渡することができます。Aviosの譲渡により、Aviosの譲渡を行う側と受け取る側の双方に対して、36か月の有効期限がリセットされます。
- 出所:Avios の有効期限
ただし、変更する場合は、電話のみと面倒な部分もありますが・・・
-
BAで発券したJAL特典航空券の「変更承認」が結構大変だったのよ~
BAで発券したJAL特典航空券の変更承認は、BAのコールセンターに電話しなくてはなりません。
続きを見る
さいごに
ANAとJALのマイルなどの有効期限延長や、PFC、特典航空券(おまけのBA)についてまとめてみました。
有効期限が延長されたマイルをそのまま使えるANAのマイレージサービスがいいのか?割増しで e JAL ポイントをもらって航空券を買って、またマイルを貯められる方がいいのか?
利用する方の状況によって、どちらが良いかは異なると思います。
さらに、これから特典航空券を使おう!と思った矢先のPFC徴収は、利用者にとってがっかりニュースです。
しかも、JALのPFC徴収はマイル・・・。
厳しい航空業界で、おまけにもらえるマイル、それを使っての特典航空券・・・改悪は仕方がないことかもしれませんが、ちょっと残念です。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。