日本の航空会社のラウンジには、オリジナルのアロマが漂っています。
今回は、国内線で体験できるANAの国際線機材と、空港ラウンジの香りをご紹介したいと思います。
※以前アップした記事に、新しい情報を加えて、書き直しました。
国内線運用の国際線機材
現在、ANA国内線の一部に、国際線仕様の飛行機が導入されています。
投入されているのは、国際線の中距離路線で活躍するB787-8『ドリームライナー』としてもおなじみの機体です。
時刻表上では「78M」と表記されています。
遅ればせながら、先日、やっとこの飛行機にに乗ることができました。
機内に入ると、まず普通席シートの色が通常の国内線仕様機とは違います。
そして、普通席にも、全席個人用画面がついていました。
コロナ禍、希望者には、アルコール除菌シートをいただけます。
JALの場合、ギャレー(飛行機のキッチン)に置かれていて自由に取ることができます。
一方、ANAの場合は、客室乗務員の方が持ち回りで配っていました。
この日の普通席は、10%くらいの搭乗率で、足元が広い座席でゆっくりすることができました。
次の日は、半分ぐらいの搭乗率でしたが、隣は空席でした。
最近は、純粋の国内線機材でも個人用画面がついた飛行機もあるので、飲み物をいただいて寛いでいると、あまり国際線機材に乗っているという感覚はありませんでした。

ただ、以前、国際線のビジネスクラスに乗った時にたくさん頂いた、ANAオリジナルのアロマカードで、国際線の飛行機に乗っている気分を高めました(笑)。
ANAオリジナルのアロマは、最初はウッディな香りが強いのですが、時間が経つにつれレモンに似た爽やかな香りが前にでてきて、頭がすっきりする感じです。
アロマ

ところで、アロマとは、植物が、虫や有害物質などの危険から身を守るために放出している芳香成分を意味します。
この芳香成分を濃縮して集めたものが、精油 (エッセンシャルオイル) と言われるものです。
日本の航空会社の空港ラウンジには、どこか懐かしく感じられる香りが漂っています。
ただ、ANAとJALの空港ラウンジに取り入れられている香りは、ちょっと印象が違うようですが、どちらも木の香りが含まれているようです。
ANAオリジナル・アロマ
ANAの香りは、リラックスするというよりは、旅立つ前の爽快な気持ちを引き立ててくれるクールな香りです。
ANAアロマの精油
- 和歌山県高野山の高野槇(こうやまき)
- 奈良県の吉野大峰山からは吉野檜(よしのひのき)
- ミント(海外産)
- ローズマリー(海外産)
- その他
全ては公表されていませんが、合計12種類のオリジナル・ブレンドとなっていました。
そのなかに、ちょっと珍しい「こうやまき」を見つけました。
高野槇(こうやまき)

世界遺産に登録されている、和歌山県の真言宗の総本山、高野山の周辺に多く生育していることから「コウヤマキ」と名付けられました。
高野山では、霊木とされています。東京スカイツリーのデザインの原点とも言われています。
日本特産の常緑樹で、別名・本槇 (ほんまき) とも呼ばれています。寒さに弱く、冬にははが茶色になります。
- 学名・科名:Sciadopitys verticillata コウヤマキ科
- 抽出部位:枝・葉
- 成分:α-ピネン、リモネン、ミルセン、β-カリオフィレン、セドロール、セドレンなど
アロマの期待される効能
コウヤマキの香りは、好き嫌いの少ない(とされている)ウッディー系、森の香りです。
主な成分を調べてみました。
成分 | 効能(作用) |
αピネン | 強壮作用 |
リモネン | 肝臓強壮・腎臓刺激・蠕動運動促進 |
セドロール | リンパ強壮・静脈強壮・うっ滞除去 |
セドレン | リンパ強壮、静脈強壮・うっ滞除去 |
出所:NARD JAPANナード・アロマテラピー協会・テキストより
精油の主成分にある「α-ピネン」には、強壮作用があるので、血行促進と合わせて肉体面の疲労回復を促す働きも期待できます。
さらに、「αピネン」と「リモネン」は、モノテルペン炭化水素という芳香成分類に属し、どちらも抗ウィルスや抗菌作用があると言われています。
また、コウヤマキには、ヒノキと同様の森林効果があると言われています。
森林効果
森林効果とは、森林を歩くことで、元気すぎる人は落ち着きを取り戻し、元気がない人は気分を高めてくれる、つまり、体をニュートラルな状態にしてくれる効果です。
コウヤマキは、広い空間でほんのり香らせたり、他の精油と混ぜて使う際には問題がありません。
注意事項
しかし、自分で香りを再現してみよう!と思って調合する際には、注意事項も頭に入れておかなければいけない精油です。
- 妊娠中・授乳中の方、小さいお子さんへの使用は避けましょう。
- 高濃度での使用は皮膚を刺激する場合があるため肌の弱い方は使用に注意が必要です。
コウヤマキを使った香りのブレンドは、あまり見かけたことがありません。なので、とても惹かれます。
また、コウヤマキ以外の海外産のミントやローズマリーは、効能が違う複数の種類があるので、特定できませんでしたが、香りから判断するに、スッキリさせる効果がより強くなるようにブレンドされているのではないかと思いました。

ANAの香りを体験できる場所
ANAオリジナル・アロマは、いろいろな場所でも体験できます。以下、一部抜粋してみました。
チェックインカウンター:
- 羽田SUITE・羽田プレミアム(国内線)
- 成田SUITE(国際線)
空港内ANAラウンジ:
- 14カ所(国内線)
- 羽田・成田・関西(国際線)
アロマカード配布(国際線ファースト、ビジネスクラス)
出所:https://www.ana.co.jp/ja/jp/serviceinfo/share/aroma/

【国際線】機内持ち込み時の注意

ところで、国際線に乗るときの注意事項の一つに、機内へ持ち込むことができる「液体類」の制限があります。
キャリアオイルや精油は液体類になので、機内に持ち込むときは100ml以下になるように注意してください。
さいごに
最近では、デパートや会社のエントランスでもオリジナルのアロマを香らせる場所も増えてきました。
なんとなくいい香りには、様々な期待される効能が隠されています。
ANAオリジナルアロマは、旅のワクワク感を高めてくれる香りのようです。
おかげで、楽しい旅になりました。
*このページの内容は、大学での授業を基に構成しています。病気などに効果があることを保証する訳ではないことをご了承下さい。
ANAが就航している庄内地方のホテルで、ホテルオリジナルの香りを漂わせている場所がありました。
そのホテルの滞在記は、こちらも合わせてどうぞ。
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