旅とアロマ

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【薬膳】 理論と秋の薬膳料理

毎週日曜日は、大学の授業。先日、薬膳の授業を受けました。理論を学び、実習を通して、何となくわかった(つもり)の薬膳料理。私自身、勉強中なので、復習を兼ねてまとめてみました。前半は、超簡単にまとめる事で、記憶の定着を狙います。後半は、以前にいただいた薬膳料理を読み解きたいと思います。

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薬膳とは 

薬膳とは、中医学をベースとして作られる、健康維持・病気の予防改善のための食事です。中医学とは、中国の伝統医学のことで、西洋医学が局部治療するのに対し、中医学は人の体を「全体のバランス」でとらえます。体質や季節を考慮して、食材を組み合わせ料理することで、体のバランスを整えていきます。

なぜ薬膳を始めたか?

疲れが取れにくくなってきた・・・病気ではないけど何となくだるい、そんな体と上手に付き合うため、食を見直すことにしました。様々な体調管理の方法の中から薬膳を選んだのは、以下の理由があったからです。

  1. 食材選び・調理方法に「制限」がない(=我慢しない)
  2. 高価・特殊な食材選びが不要(=スーパーで買える)
  3. 5色の食材を意識する(=難しくない)
  4. 美味しかった(=家族にすすめることができる)

一番の決め手は4番‼︎ 美味しかったからです。

大学では、世の中にある様々な健康管理の方法を学びましたが、「主食は玄米だけ」といった制限が多い方法(好みの味ではありませんでした)や、「朝に陽の光にあてておいた海外産の水を飲む」といったなんか怪しい方法もありました。その中、実践されている先生も魅力的で、そのお料理は美味しくて「食の持つ力を生かす」という考えに興味を持ちました。

参考にさせていただいたのはこちらの本です 

薬膳の基本

薬膳の基本となる考え方に陰陽五行説というものがあります。自然界のものすべてを陰と陽に分け、かつ「木・火・土・金・水」の五行のいずれかに属しているという考え方です。

ー 陰と陽

「陰」と「陽」は、全く交じり合わないモノではなく「陰」がなければ「陽」が存在しないというように、お互いの依存関係を示しています。この依存関係を「陰陽互根(いんようごこん)」といい、常に変化しながら、互いを自分の存在のよりどころとしています。

薬膳では、季節の境目に体調を崩しやすいと考えるため、1年の流れも陰陽で見ます。春分の4月頃に「陽」が増え始め、夏至で最も盛んになります。秋分を境に「陰」が増えていき、冬至に満ちるとされます。やがて春分にかけ「陰」が減り、再び「陽」が増えていくと考えます。そのため、その時期に足りないものを食材で補います。

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上の図は、食材をおおまかに分けたものです。 

陰のイメージ
  • カリウムが多い
  • 早く煮え、すぐ柔らかくなる食材
  • 地上よりまっすぐ上にのびる作物
  • 熱い気候と土地でとれるモノ
  • 静的・冷たいモノ
  • 季節は秋・冬、一日でいうと夜
陽のイメージ
  • 暖める
  • ナトリウムが多い
  • 煮るのに時間がかかり、硬いもの
  • 地下で垂直にのびるのもの
  • 寒い気候と土地でとれるもの
  • 動的、温かい(熱い)モノ
  • 季節は春・夏、一日で言うと昼間

こう見ていくと、夏(陽)には「陰」の食材を用いることが多く、秋から冬にかけての「陰」の時期には、「陽」の食材を自然と使っている気がしました。

陰陽は、ひとつの野菜の中にもあります。大根や人参の場合、葉の部分は陰で、根の部分は陽となります。その両方を食べて、陰陽の調和を取る事ができます。

5つの分類

薬膳で基本となるもう一つの考えは「五行(ごぎょう)」です。五行*1とは、自然界の物質を「木・火・土・金・水」*2の5つの性質に分け、それらが循環しながら互い助け合ったり、打ち消し合ったりしながらバランスをとっているという考え方です。各要素を簡単にイメージすると、以下のようになります。

  • 「木」:枝や葉が伸びるように柔軟さや広がりの意味をもつ
  • 「火」:燃え盛る炎のごとく、明るく、気持ちや状態が盛んな様子
  • 「土」:豊潤・豊満、あらゆる事象の中心。植物の成長から収穫までも含む
  • 「金」:常に変化し、「水」を生む*3
  • 「水」:潤し、下方に流れる性質と寒冷期に凍って個体になる。体を冷やす作用や、蓄える(蔵)意味をもつ 

相性(そうせい)

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五行における「相性(そうせい)」とは、相手を生じさせる関係を示します。

例えば、「木」を燃やして「火」がおこり、燃え尽きて「土」となる。「土」の中から「金(属)」が生じ、「金」は溶けると「水」になる。そして「水」を吸って「木」は育つ。隣り合うものに勝っていき、一周することで同じ強さだということが分かります。

相剋(そうこく)

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相剋の「剋」には「勝つ」という意味があり、ある物事がほかの物事を、制約したり抑制したりする関係を表します。例えば、金(斧・ノコギリなどの金属)は木を切り倒します(金剋木といいます)が、火は金(属)を溶かす(火剋金)というようにです。

ー 五行説

五行説では、上で示した「相生」と「相剋」の力を合わせることで、5つの要素は安定して世界がうまく循環して調和すると考えます。

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中医学による臓器の概念は、西洋医学の臓器とは異なり、その概念はより複雑です。中医学の五臓は「肝」「心」「脾」「肺」「腎」で、例えば、「心」は心臓だけでなく、脳の働きも担っているもっと抽象的なものを示しています。

さらに、「気」「血」「水(津液/しんえき)」などを生成・貯蔵して生命機能を担う働きがあります。

  • 気:生命活動を維持するエネルギー
  • 血:血液
  • 水(津液):胃液や涙など、体内の水分で、潤いを与える

さらに、それぞれに対応する季節や色、味などがあり、お互いに関係しあっているという特徴があります。

ー 五性

 

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食べ物の性質を5つに分類したのが「五性」です。五性は、その食材や食品がどのように体に作用するかを表わしており、体の余分な熱を取り興奮を静める「寒と涼」、体を温め気や血の流れをよくする「熱と温」、そして温めも冷ましもしない「平性」に分かれています。

大根は、体の熱を冷ます「寒・涼」に属しますが、加熱したり、温性のしょうが等と合わせることでその性質は「温」に変わり、「気」が停滞しがちな冬によい食材になります。一方、大根サラダなどで生食すると「夏向き」の食材となりますが、冷え性の方は夏場でも摂り過ぎにご注意ください。

その他、五味、五臓、帰経(きけい)などがありますが、複雑になるので、次回にしたいと思います。

秋の薬膳料理 

秋は、空気が乾燥する時期です。中医学では、秋の邪気を「燥邪(そうじゃ)」と呼び、この乾燥の影響を最も受けやすいのが、五行説にある「肺」です。肺は、皮膚や大腸の働きとも関係が深いため、肺が渇くと空咳が出やすくなったり、乾燥肌になったり、便秘などの不調を招くと言われています。

秋は、夏の間にたまった疲れをとりながら、食べ物の力を借りて、体の中からも潤すことが大切です。

「水」を補う(体を潤す)食材

梨、ユリ根、サトイモ、大根、レンコン、山芋、銀杏、百合根、タラ、ラッキョウ、白キクラゲ、柿、ブドウ、栗、ゴボウ、シイタケ、サツマイモ、落花生、白ごま、豆乳、豆腐、いか、豚肉、はちみつ、サンマ、鴨肉 など

さらに、「気」を補い、胃腸の機能を高めることで、秋から冬に流行りやすい風邪やインフルエンザなどに負けない、免疫力の高い体づくりを目指します。

「気」を補う食材

サトイモ、さつま芋、山芋、牛肉、鶏肉、いわし、さんま、さば、米、きのこ類、くるみ、栗、なつめ など

よく見ると、白い野菜、また秋野菜がたくさん含まれています。個人の体質に合わせ、これらを組み合わせてながら調理します。

白い食材で体を潤す

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「水」を補う大根とレンコン、「水と気」を補うサトイモを使った煮物。白い野菜を中心に、肺を潤す一品です。野菜を出汁で煮て、別に炒めた豚キムチを加えて、さらに煮れば出来上がり。

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夏の滋養強壮に食べられる参鶏湯。「気」を補う、鶏肉やなつめで、免疫向上が期待できます。もち米も「気」を補う作用が強く、胃を温めて消化吸収を高めるので、慢性疲労や冷え性、下痢の改善に効果的だそうです。また、参鶏湯と言えば「高麗人参(こうらいにんじん)」という(しょうやく)を使います。「気」を補って元気を高める効果だけでなく、体に潤いを補って、熱や渇きによる消耗をいやしてくれます。

材料を集めるのが難しいときは、お手軽に使えます 

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おともはマッコリ。薬効は分からなかったのですが、「白」いモノつながりで、いただきました。乳酸菌が入っているので、腸を整えるのにはいいのでしょうね。

まとめ

「明日の自分の体は今日食べたものでできている」ということで、食べるものに注目してみました。家族に異なる体質の人がいる場合は、季節に合わせた料理をメインにして、体質に合わせたスープや副菜を用意すればいいそうです。

乾燥しやすいこの時期、潤いを与える白い食材に注目してみました。制限するのではなく、考えながら食べるようにすると、楽しみながら続けることができそうです。

 

 

最後までご覧いただきありがとうございます。

 

 

*1:「五行」の「行」には「めぐる」という意味があります。

*2:「もっかどごんすい」と覚えます。

*3:もとは武器で、改革や大切なものを守る堅実さも意味する。