旅とアロマ

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五感で楽しむ旅とアロマテラピー

秩父の森を歩く 〜後半〜

秩父の森を歩くフィールドワークは、講師の方々の熱い思いが伝わってきた1日でした。後半は、私の研究(地域活性)の視点で秩父の森を見てみたいと思います。

ブナ

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ブナ科ブナ属の落葉広葉樹です。ブナ科の実はドングリ。大きな木ほどその実は小さく、鳥が遠くへ運んでくれます。ブナは日本全国で見ることができますが、日本海側と太平洋側で葉の大きさが違うそうです。太平洋側の葉の方が小さいのが特徴です。ブナの葉の形は卵型からやや菱形で、縁は波打っています。

緑のダム

落ち葉が堆積したブナの森は、歩くとフカフカしています。落ち葉で自然のスポンジができているからです。そのスポンジは、雪や雨水をたっぷり抱える緑のダムとなっています。この緑のダムは、ろ過装置となって透明で無垢な水を湧き出し、森に恵みを与えています。また、鉄砲水や地滑りなど自然災害を防ぐ役割も果たしています。

ブナの受難時代から現在

ブナの漢字は、木へんに無し「橅」。狂いが大きくて腐りやすいため材として役に立たないと、前後、大量に伐採され、建築用材として活用できるスギやヒノキの苗木が植えられました。

1993年、白神山地が世界最大のブナ原生林として世界自然遺産に登録され、自然保護のシンボルとして世界的に注目され、再びブナの森が見直されるようになりました。

ブナは豊かな生態系を生み出す母のような存在で、その大きなブナの巨姿から「母なる木=マザーツリー」と呼ばれています。

母なる木の周りにはいろいろな動物や昆虫、菌類が集まってきます。木々もしかり。自分が生きやすい場所で成長を続け、その調和がその地域の森を作り出します。

キハダ

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ブナの木を見た後はキハダ。水辺よりは離れた場所に生育していました。ミカン科キハダ属の落葉性高木、樹皮の最外層には、厚い淡黄色のコルク質が発達していて寒い地方ほど厚くなっていくそうです。

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コルクの内側には皮部があり、これも厚く、鮮やかな黄色(上の写真)をしています。最も地上部の生育が盛んな梅雨期に樹皮をはぎます。

理由は、根から水分を吸い、枝から葉部に多量に水が送られる時期は、コルクと内皮もはがれやすいからだそうです。コルク層を取り除いた内皮は日干しにして乾燥させます。 

その幹の内皮が鮮やかな黄色をしていて、特徴的な苦味をもつアルカロイドのベルベリンや苦味成分のリモノイドを多く含んでいます。夏に樹皮を剝いで乾燥させたものが、日本薬局方にも収載されている医薬品の「オウバク(黄柏)」です。 http://www.nichiyaku.ac.jp/m/kihadaproject/index.html?pid=25054

 

キハダは、清熱や抗菌作用を示すことから、胃ぐすり、下痢止め、二日酔い防止に用いたり、血圧を下げる漢方薬に配合されています。

キハダの苦味は、ベルベリン以外にもカンキツ系成分独特の苦み成分であるリモノイドに由来しています。リモノイドには昆虫忌避作用があり、駆虫成分としてミカン科系植物に多く含まれています。

黄色い木片を少量を口に入れてみましたが「良薬は口に苦し」の言葉通り、やっぱりにが~い。

 

キハダを主とした医薬品

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行きのバスの中で見た「百草」の原料がキハダでした。これは、御嶽山の修験者が秘伝の製法を編み出し、200年以上にわたって大切に継承されてきた胃腸薬だそうです。 

秩父の森の恵み

キハダが秩父で注目されたきっかけは、カエデの調査に入った山で多くのキハダが自生していることに気づいたからだそうです。秩父地域の林業振興を目指して、秩父樹液生産協同組合と日本薬科大学が共同してキハダプロジェクトをスタートさせました。

キハダサイダー

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そのプロジェクトで作られた ちちぶもりのめぐみ 森のサイダーを、森を出た後に頂きました!「平成の名水百選」にも選ばれた「毘沙門水」を使用しているので自然のカルシウムやミネラルたっぷりです。

飲んだ感想

キハダの苦みを想像していましたが、同じくミカン科のカボスのさわやかさが相まって、苦みを全く感じませんでした。おいし~。皆さん、ゴクゴク飲んでいましたよ。

キハダソープ

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同じくキハダを使った キハダ ボディソープ もこちらで売られていました。保湿効果が高く、ニキビ肌にも効果があるそうです。

先生の深い秩父愛と熱いお話に心動かされたのでしょうか。漢方をうまく生活に取り入れようとする学生たちのニーズに合致した製品は、今回のメンバーにとっても好評で、文字通り飛ぶように売れていました。 

 

 

手作り工房 あんだんべ

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大学側のはからいで、キハダサイダーとともにおやつにパンも用意してくれました。パン焼き機を導入した本格的な焼き立てパンが山でいただけるなんて、ビックリ。

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シュガーバター・味噌マヨロール、あと一つは忘れました(笑)の3種類が用意されていました。お味噌も手作り。

お昼を食べたばかりでしたが、美味しいものはドンドン入りますね。場所は、入川渓谷夕暮れキャンプ場です。手作りパンの体験もできるそうです。

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迷ったけど、味噌マヨロールにしてみました。お味噌の風味がなんだか懐かしくて、優しい甘さのパンはクセになりそうです。ごちそうさまでした。

MAPLE BASE

秩父の山はカエデの宝庫です。(恥ずかしながら)カエデといえばカナダしか思いつきませんでした。

そんな秩父のカエデから作られたメープルシロップは「和メープル」と名付けられています。秩父の山に自生するカエデの木から樹液を採取し、40分の1に煮詰めることで作られています。

その和メープルを使ったパンケーキが食べらる、(いくつになっても)ガーリーでいたい ( ´艸`) 女子におすすめのお店があるそうです。こちらは次回ぜひ行きたい!

chichiburu.com

秩父発のウイスキー

ワールドウイスキーアワードで世界一に輝くなど、日本だけでなく世界的に注目されているイチローズモルト。創業者の肥土伊知郎(あくといちろう)氏が、秩父に秩父蒸溜所 (Chichibu distillery)を構え、秩父の森のミズナラで作った樽を使ったウイスキーだそうです。

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ミズナラは、ブナ科コナラ族の樹木です。ヨーロッパではコナラ属がオークと呼ばれ、家具などにも使用される高級材です。そのミズナラの樽で作られたイチローズモルト「リーフシリーズ」ミズナラウッドリザーブ(MWR)

その味は・・・

カラーはマホガニー、少々濃いめのブラウン。

香りは樽香と熟した果実とチョコレート。

口に含むと干しぶどうのような味わいと少々スパイシーな味わいが混ざり合い滑らかに広がる。

中盤でチョコレートのような甘みとスモーキーな味わいを穏やかに感じることができ、ボディもしっかりと厚く飲みごたえがある。

フィニッシュではミズナラ特有の 白檀のような香りもバランスよく押し寄せ複雑で繊細、ピーティー・スパイシーな余韻が続いていく。

http://whisky315.com/ichiros_mwr/

 魅力的ですが、さすが!なお値段。そのなかで、200mlの商品は比較的購入しやすいかも。 

さらに、イチローズモルトが初めてに方におすすめなのが「イチローズ モルト&グレーン ホワイトラベル」。こちらは、ブレンデッドですが、「イチローズモルト」の個性に触れる事が出来るウイスキーです。

森の中でのランチ

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お昼は渓谷におりて水辺でいただきました。新鮮な空気の中で、ご飯がとても美味しく感じました。バクバク食べていると、クラスメイトが教えてくれました・・・

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まるでブローチのように帽子にとまったトンボ!かなり長い間とまっていたそうです。私は直接みることができませんでしたが、ほんわかのんびり自然の中での体験でした。

1日を終えて

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アブラチャン - 庭木図鑑 植木ペディア

帰りに、先生からアブラチャンの枝を少し分けて頂きました。アブラチャンは、クスノキ科クロモジ属の落葉低木です。その枝や実には多くの香り成分フィトンチッド*1が含まれています。

枝を削ってみると、クロモジより少し弱い、けど柑橘系のさわやかな香りがしました。クロモジの精油は毎日使っているのですが、その仲間のことは知りませんでした。ダンコウバイ(壇香梅)・アブラチャン・クロモジが、クロモジ3兄弟だそうです。

アウラチャンは、名前に「油」があるように、かつては実や樹皮が燃料や灯油に使われていました。昔話「化け猫」に出てくる行灯(あんどん)の油には、このアブラチャンが使われており、燃やしても煙が出ないアブラだそうです。

チャンは「Chian」で、船舶などの防腐、防水や道路の舗装に使われる化合物「瀝青(れきせい)」を示し、油と重ねることで、この木に脂質が多いことを強調しています。

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この木の名前は・・・忘れてしまいました(笑)。アジサイの萼(ガク)のような部分が付いていました。花を香ってみると、蜂蜜のような甘い香りがしてきました。

まだまだ、見たいことや知りたいことはいっぱいあった1日でした。ガイドしてくださった先生方、スタッフの皆さま、ありがとうございました。

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最後に西武秩父駅から武甲山(ぶこうざん)を見ました。標高は1304m、この辺り一帯では一際目立つ山容をしています。駅側の北側斜面が石灰岩質であるため石灰岩の採掘が行われていて、このような姿になっているそうです。

まとめ

やっぱりフィールドワークは楽しい!もっといろんなことを質問したかったです。

地域の資源を、アイデアと諦めない強い気持ちで消費者の心に訴えかける商品に作り上げた人々に出会えた事も収穫でした。

都心から列車で2時間ほどで、森林浴を楽しみながらとても有意義な1日となりました。早速、山好きの友人と再来決定です。誰かに話すことで記憶が定着し、知識も身に付くので、しっかり復習して、友人に熱く語りたいと思います。

 

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました。次は「番外編」です。

 

 

 

*1:フィトンチッド(phytoncide)とは、有害な微生物や昆虫から植物自身が身を守るために樹木自身がなど身を守るために発散する化学物質です。森には、昆虫の死骸や排せつ物がありますが、これらの匂いを消してくれる消臭効果など、空気を浄化させる効果があります。